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皇太子様との婚約回避したいんです!(2)


 「リリー。お母様の目を見て。」


 目をそらす私を不審に思ってか、お母様が私のほほを手で包んで自分の方を向かせた。


 「………お母様。」


 その手を握り返して膝の上においた。

 どっちみち家族の協力は必要。お母様たちを説得しなきゃ行けない。そのために一番効果があるのは

        


          私の命をかけること。




 「皇太子様と婚約したくないんです。」


 「知ってるわ。でも………」


 「皇太子様と婚約するぐらいなら死にます。」



 「………!?」



 空気がかわった。お父様がガタンっと音をならして立ち上がる。フラフラしながら私のもとへ近づき、自分と同じくらい震えているお母様の肩を抱いた。そしてこれまで聞いたことがないくらい低い声でいった。



 「本気か?」



 胸が痛んだ。お母様は震えて涙を浮かべているし、お父様も私の目の色がピンク色だとわかったときのぐらいに青ざめた顔をしている。


 でも私だって引き下がれない。皇太子様と婚約したら私は死んでしまう。その事実を知っているのは私だけ。


  「はい。おねがいします。本当に、皇太子様との婚約だけは………。」


 部屋が静まり返った。思い沈黙が流れる。お母様がどうしたらいいかわからないという風に首を降っている。手に汗が出てきた。うつむいて唇を噛む。やっぱり命を懸けるのはまだ早かっただろうか。



 

 「………分かった。」





 突然、お父様が口を開いた。ぱっと顔をあげてお父様を見た。目が合ったお父様は微かに笑っていて、許してもらえたのが分かった。。



 「本当ですか?」

    いいのだろうか。本当に。



 「あぁ。ただし、勉強時間はこれまでと同じでいい。」


 えっ!?


 立ち上がるお父様を目で追った。そんな………じゃあ何が


 「ベドフォード家当主として、王に掛け合ってみるよ。リリアンは献上しない、と。」



 目の前が明るくなるようだった。霧が晴れていくような。

そんな道があるのか。今まで自分が小説と変わることで婚約を回避していたけど、そもそも私を王家に献上しなくてもいいなら。


 「あ、ありがとう!お父様!!」



 死亡フラグ回避だ!!!!!



 「あぁ………リリー。そんなに悩んでいただなんて、気づいてあげられなくてごめんね。」


 お母様がほっとしたように笑って私の頭を撫でた。ううん、と首を降って私もお母様に抱きつく。


 「無茶なこといってごめんなさい。ありがとう、二人とも愛してる。」


 「わたしたちもよ。」


 しばらくそうやって抱き合って、お互いを慰める。




 少しして体を離すと、お母様が拳を作って胸の前に構えていた。

ガッツポーズみたいに。

 ???お、お母様?


 「リリー。私、おばさまたちにある噂を流そうと思います。」


 うわさ?

 お父様と二人揃って首をかしげる。

 

 おばさまたちっていうのは、多分社交界の婦人たちの事。ベドフォード家は、圧倒的な身体能力や魔法能力などに恵まれた者が産まれることが多く、ベドフォード家の存在が国にとって必要不可欠であることから王国の影の支配者と呼ばれている。

 そのベドフォード家の女主人であるお母様は社交界での地位が高くて、お母様の一言はそのシーズンの女性たちの一言となる。


 「ええ。皇太子様は10歳になるまでおむつがとれなかったって!」



 「!!!!!!!!」



 お父様と私の間に戦慄がはしった。

お母様は昔からこういうとこがある。可愛らしいと言えば可愛らしいし、恐ろしいと言えば恐ろしい。

 今回は恐ろしい方だ。


 「………お母様、そこまでなさらなくてもいいです。」


 「あらそう?」


 二人でうんうんうんうんと高速でうなずく。


「分かったわ。その代わり、やりたくなったらいつでも言ってね。」


 ………………やりたくなったらのやりは 殺る の方だろうか。


 「はい。ありがとうござ」


 頑張って笑顔を作ってお礼を言おうとした時。





     ガアアアアァァァァンッッッッ!!!!





 突然爆音が鳴り響いた。びくっと身をすくませる。


     な、何っっ!!?

 




























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