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私は伝説のオーブリー

 「アンナ?何があったんだい?」


 もう一人、別の男の人が入ってきて、私の顔を覗き込む。

この人もまた金髪で、紫の瞳。一目でさっきの男の子たちの父親だとわかった。

この二人が、この世界でのわたしのお母様とお父様なんだ。家族がいるという安心感にまた涙がにじむ。


 「なんでもなかったわ。ちょっとびっくりして泣いちゃっただけみたい。ね。」


 お母様の指が優しく私のほほをぬぐう。お父様も微笑んでわたしの頭に手をおいた。


 「名前を決めなくてはいけないね。」


 !!  名前!




 「「リンリン・フワリンアイバジーク!!」」



 私が反応すると同時に男の子達も叫んだ。


 だから嫌だったら!

あぁ……… この子達がお兄様たちなのか。実年齢26歳なだけあってなんか不思議。


 「うぅーん。ちょっと長いかなぁ。」

 

 お父様が苦笑いしながらいった。

 

  さすがお父様!冷静!


 「何がいいかしらねぇ。」


 お母様が私を頭上に持ち上げる。私を本当に愛してるって目でみられてちょっとこそばゆかった。


 「リリアン、とかどうかな。」


 !!リリアン………………


 「リリアン………いいわね。」


 お母様が私をお父様に渡して、手を握ってくれる。


 リリアンかぁ。じゃあニックネームはリリーとかかなぁ。

 嬉しくなって手を握り返す。


 「あなたの名前はリリアン。リリアン・ベドフォードよ。」


 お母様が私の目を見つめながら諭すように言った。


 「きゃぅあっ」


 やった!と手を伸ばした時。


    

   パァァァッッ!!


  


  「やぅああぁっ!?」


 いきなり私の体がひかりだした。


 え!?なにこれなにこれ!?


 「お母様………」


 「大丈夫よカイ。今ね、精霊がリリアンの目の色を決めているの。


 あまりの眩しさに目をつむっていると、そんな会話が聞こえた。


 目の色ってどういうこと?精霊って………


 「クリスタル王国で産まれた子はね、はじめ目の色がないの。見たでしょう?そうして名前を授けられたとき、こんな風に光と共に精霊が集まってきて、目の色を入れてくれるのよ。」


 「へぇ………。何色かなぁ。」



 だんだん目が熱を帯びてきた。思わず手で目を塞ぐ。


 「ベドフォード家は紫って決まっているのだけれどね。」


 「………え、そうなの?」


 ぅ………あ、熱いっっ!!


 目だけじゃなくて、目のおくまで溶けてしまうんじゃないかと思うほどに熱い。お母様に助けを求める。


 「きゃうやぁぁぁっっっ!」


 「大丈夫よ、リリアン。」


 ゆっくり背中をさすられる。

 あ、熱いよ………。本当にみんなこんなに熱いの?


 「大丈夫、大丈夫。」


 お父様の優しい声が耳に響く。その声とお母様の手を感じているうちに、光がおさまってきた。

恐る恐る目を開く。もう熱くなかった。


 「終わったの?」


 「ええ。さぁ。目を見せて。」


 目を押さえていた手をどかされる。お母様とお父様と目があった。





 「………………えっ………………………。」




お母様が薄く口を開いてか細い声を発した。お父様は唖然としている。その目は揺れていて、まるで


   私の目の色が信じられないかのような

           

               反応だった。



 え?紫なんでしょ?



 「お母様っ。俺たちにもみせてっ」「見せて。」



 「………こんな………ことが……。  リ、リリアンが………」



 とたんにお母様の目から涙がこぼれ落ちる。涙にエメラルドグリーンの瞳が反射して、まるで湖のよう。


 どうして泣いてるの?なんで………?


 焦ってお父様の服をつかむ。そこできづく。お父様も、震えているということに。涙こそ流さないが、私以上に焦っているような顔をしている。


 「リリアンが………オーブリーだなんて………………!」



 お母様が泣き崩れた。それを横目に見ながらぼうっとする。


 オーブリー?それ………どっかで聞いたこと……。

とりあえず、私の目の状態を確認しなきゃ………!


 「あぅぅ~~」


 お父様の服をつかむ手に力を込めて、体を動かす。

と、途中でお母様に駆け寄ったお兄様たちと目があった。


 そしてまた………


 「「えっっ??」」



 二人まで同じような反応をする。


 あぁ、もう!どうなってるの!? 


 お父様の腕を支柱にして体をうつ伏せにする。あぁ、重労働………



 そうした目線の先に、鏡をみつけた。 目を見開き、食い入るように見つめる。

そして、私も驚いた。


  「あぅぅ………?(ピンク………?)」









 






 






























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