転生したら赤ちゃんでした(2)
て、転生………。私が!?
「はぅあー………。」びっくりして気の抜けた声しか出ない。なんて小説にありがちな展開。まさか自分がなるなんて思ってもみなかった。
「ほら。喜んでる。」「ちがうだろ!」
えっ私どこに転生したの?どこの国!? ………で。
上で争ってるこの子達は一体………?
「フワリン・アイバジークのどこがださいんだ!」
「フワリンの辺りからださいよ!そんなのよりリンリンのほうがいい!」
言い争う二人の子どもをただ見つめる。二人とも同じような色素をしているけど、片方はメガネをかけていて心なしか落ち着いた雰囲気がある。もう一人はしゃべり方といい声の質といい、負けん気が強そうだ。
「「どっちがいい!?」」
二人が柵に手をかけ、身を乗り出してわたしに聞いてくる。
いや知らんし。赤ちゃんに聞かないで。さっきからなんの話?それよりここはどこで私は誰かを知りたいんだけど!
「妹の名前がフワリンなんて嫌だっ」
いもうと………?私のお兄ちゃんなの?へぇ………。 ………。
私の名前の話してるのっ!? フ、フワリン!?
ようやく話を理解して青ざめる。そんな名前いやぁ~~っ
「だってかわいくないじゃんか!」
そうそう!もっと言ってメガネのほう!短い手を振り回して参戦する。
「………仕方ない。こうなったら………
リンリン・フワリン・アイバジークだ!」
ひどくなってる!ひどくなってるからぁっ!!
あり得ないよそんなの。大体転生したらめっちゃ美少女で名前も可愛くて、でもまわりから虐げられる可愛そうなお姫様………とかじゃない!?
「ふぇ………」
「「!!!」」
「ふぇぇぇぇ~~~~ん!!」
あ、なんか泣きやすい………
私が泣きはじめると、ふたりはぎょっとしたように私から離れた。
綺麗な紫の瞳が潤み出す。きっと私が泣きだしてびっくりしたんだろう。
「お、お父様~~~~」「お母様~~~~」
二人がバタバタと部屋を出ていく。
あ、いなくなった………。
それでも私の涙は止まらない。
だって、なんで私が転生なんて………。っていうか私はこの世界でどうやって生きていくの!?
「うぇぇぇ~~~~ん」
ガチャッ
一人で泣いていると、部屋のドアが開く音がして、誰かが入ってきた。小走りで近づいてくる。
「まぁまぁ、どうしたの。」
瞬間、ひょいっと抱き上げられた。驚いて涙がとまる。
私を抱き上げたのは女の人だった。この人も見事な金色の髪。
でも瞳の色だけはさっきの子達とちがって、透き通るようなエメラルドグリーン。
「ごめんなさい。お母様。泣かせちゃった。」
おとなしい方の子が下でうつむいていて、女の人が頭を撫でている。
「大丈夫よ。ライ。」
お母様?ってことは、この人が私の………