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私、初めての剣術大会に七歳で出場します!(2)


 「おーい!そこの茶色の髪お嬢さん!おーい!!」


 「えっあっはい!」


 しまった!私今髪の毛茶色いんだった!!


 「君Bブロックだろう?こっちだよ。」


 「あ、ありがとうございます」


 お兄様と別々かぁ。隣にいるお兄様に耳打ちした。


 「それじゃあ、お兄様。かんばりましょう。」


 「いや」


!? へ!?


 「リリーを一人で行かせられるか!」


 しーっ!今はアリエルって名前だから!

 急いでお兄様の口を塞ぐ。

 いいですか?私はアリエルです。そしてブロックは別です。いいですか!?

 という目で訴える。

 しばらくして、お兄様はしぶしぶといった様子で自分のブロックの場所へ向かった。


 「ふぅ………。」


 息をついて私も言われた場所へ行く。


 「おっ!?お嬢ちゃんまだ子供じゃないか、大丈夫か!?」


 「うん!頑張る!」


 声をかけられたら大雑把な言葉遣いで返事をする!貴族の娘だと悟られないための基本事項。前にお兄様と確認しておいた。

 でも前世ではずっとこんな言葉遣いだったから、ある意味簡単。

 選手控え室にはいって椅子に座る。ついでに仮面をつけ直して、髪を手ぐしで整えた。剣を足の間に挟み込んで、ふぅ、と息をつく。

 いくらベドフォード家の娘だと言っても、まだ私は七歳。そこまで上へはいけないだろう。負けたら潔く、精霊探しに没頭しよう。


 お兄様からもらった剣を指でつついて思いを馳せた。剣術は最初全然興味がなかったけれど、やってみたら楽しくて、ベドフォード家の一員だったらできてて損はないんじゃないかと思うようになった。

 剣が使えるお姫様ってかっこいいもんね!



 「おい。」


 ふっと自分の足元に影ができたのに驚いた直後、声をかけられた。顔をあげると私と同じく仮面をつけた男の子。

 クララック様と同じくらいかな………。後ろにはもう一人仮面の男の子がいる。


 「なに?」


 「番号は?」


 まるで私の返答には興味がないとでも言うように食いぎみに質問し返される。



 へ?番号?

 一瞬きょとんとしてはっときづく。

 ああ!トーナメントのね!!


 「えっと………Bの6です。」


 「………。」


 すると無言で振り返り後ろにいたもう一人の男の子とこそこそ話しだす。まったく聞き取れないけど、私の話をしていることはわかる。

 なんか感じ悪いというか………。無口な人なのかな?

 そう思ってまた話しかけられるのを待っていたけど、あっさり二人は私に背を向け歩き出す。


 「え?ちょ、ちょっと………」


 無視。


 聞くだけ聞いといて、二人はそのままBグループの控え室を出ていく。

 番号なんで聞いて何がしたかったのか………。自分の対戦相手でも知りたかったのかな?もしあの二人のどっちかと当たったとしたらどうだろう。勝てるかな。


  「………………。」


 顎に手を当て、つい考え込んでしまう。

 




 



 「おい。」 「番号は?」


 年齢の割に高飛車で、低い声。自分より小さな子供に対しても冷たい対応………。










      ………まさか、ね………………………。



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