オーブリーなのに魔法が上手じゃなくていいですか?
「はぁ………。」
ドサッと音をたててベッドに倒れこむ。
色々あった一日だったな。
お父様とお母様を命を懸けて説得して、ライお兄様が転移魔法を使えるようになっていて、クララック様と出会って、クララック様にお願いされて。
………そうだ。お願い。
唐突に思い出して顎に手を当てる。
探すって言ったって、どうやって探すかが問題だ。
ただ精霊たちに聞くだけじゃ無理そう。まわりの人たちにも聞いてみた方がいいかも。でも一番手っ取り早いのが精霊に聞くこと、だからなぁ。
もしくは………
私に契約精霊ができるのをまつ、かな。
契約精霊は主人の命令には絶対にしたがってくれる。契約精霊に聞くのが一番かな。いやでも、だったらクララック様がルアン様に聞いてしまえばいいだけの話。もうそれくらいしてるだろうし、それでもルアン様も教えてくれないってことかな。
考えている内に眠気が襲ってきて目を閉じる。
………いいや。クララック様も時間がかかっても構わないった言ってたし、ゆっくりいこう。
そうして私は、長い一日の幕を下ろした。
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魔法には、五大属性である火、水、風、土、闇があり、王国の人々はこの内のどれかを自分の属性として操ることができる。例えば、火属性の人は火の魔法が得意で、戦闘系の職に就くことが多い。
もちろん属性が一つじゃない人もいる。火属性と風属性をあわせ持つ人もいるし、時には三種類の属性を持つ人もいる。
これらの人々は王国の中では魔力が強い人に分類される。
魔力をあまり持っていない人は、だいたい一つの属性で、さらに水属性だったら水に関連している属性、氷属性など、魔法の段階が落ちていく。
とにかく、五大属性が魔法の属性のなかではトップで、各属性からいくつかの種類の属性が存在してるってこと。
そしてその各属性にあった精霊に愛されることが多い。
私のお父様は火属性と風属性に加え、土属性の一種の植物属性をあわせ持っている。
お母様は風属性と水属性。
ライお兄様は今のところ火属性と水属性。これからもっと増える可能性もある。
カイお兄様は土属性。でもカイお兄様もこれから増えるだろう。
で、私は、というと………。
火属性の一種、光属性だった。
いや別に、弱いわけではない。むしろ強い。五大属性でもないのにこの強さはすごいと誉められた。
………けど………あれ?
私、オーブリーですよね?てっきり全部使えちゃった!とかを想像していたからびっくりというか………。
だって、オーブリーであることを抜かしても、ベドフォード家の一員だし。ベドフォード家の人たちはみんな五大属性のなかの一つぐらい持ってたのに。………私だけ………………。
はい。つまり私は、
魔法においてはダメダメでした………。
いや、前にもいったとおり、嫁ぐ身としては及第点なの!属性を必要としない基本魔法は全て完璧にできるし、光属性だって弱くはない。だけど、やっぱりお兄様たちと比べるとはるかに弱かったんだ。