第6話 〜廃墟惑星ジベラフ〜 6
???「キキイイイィィィァァァァァァァァ!!!!」
金切り声を上げ、両手を広げこちらに向かってくる
その勢いは乗用車が猛スピードで突っ込んでくるようである
その突進に合わせパルムは上に跳び、慈郎は横に避けた………のではあるが、風圧で少し飛ばされてしまった
パ「うわっ!!?」
慈「ぬうっ!!」
バランスが崩れた2人にその全身凶器は更に猛攻をかけた
その顔には不気味な笑みが浮かんでいる
???「ドゥオオオオラァァァァォァ!!シネヤァァァッッ!!!!!」
上空でバランスが崩れたパルムに対し、跳びあがりマルタのような左腕で殴りつけた
パ「んぐっ!!!!!」
なんとか両腕でガードはしたのではあるがそのパンチ力は凄まじく、カプセルが並んでいる壁まで吹っ飛んでしまった
慈「パルムッッ!!!」
???「ヨソミシテンジャネェヤァァァァァ!!!!!」
パルムを気にかけた慈郎にそいつは攻撃対象を変えた
しかし、パルムの次は自分であろうと分かっていた慈郎さすぐに対応し腰にあるブレードを出した
そいつはまた左腕で殴りつけようとした
どうやら脳筋のようである
だが、その時
慈「!!!」
???「ンナァッッ!!ナンダァァァ!!!」
そいつの左腕がピカピカとエメラルド色に細く輝いている
どうやらパルムの髪の毛のようだ
殴られた時に巻き付けたらしい
パ「お返しじゃボケエエエェェェ!!!!」
パルムが思いっきりその巨漢に巻き付けた髪の毛を引っ張り猛スピードでこっちに突進してきた
そしてその勢いで
ボゴッオオオオオオオオ!!!
巨漢にパチキ (頭突き)をかました
巨漢は目眩がしたのか足元がおぼつかない
その隙をパルムと慈郎は見逃さなかった
パ・慈「ゼアッッ!!!」
慈郎はブレードで、パルムは右足の回し蹴りを仕掛けた
しかしっっ!!!!
そいつは両腕を振り回し、風圧で2人を少しだけ吹き飛ばした
パ「こんの脳筋野郎おおおおおおぉぉ!!」
慈「このままやったら近づけん!!
パルム!!!隙を作るぞ!!!」
パ「あいよっ!!!あんちゃん!」
パルムはすかさず地面を蹴り、上空へ飛び上がった
???「ウエエェェェキモチワリィィ…マワルンジャナカッタ…」
と顔を押さえながら俯いている
慈 (こいつ…頭はそれほど良くなさそうやな…よしっ!)
慈郎はそいつが気持ち悪くなっているところを気にとめず突っ走った
慈「喰らえやァァァっっっ!!!!」
もう一度先程のブレードを出し、体を低くしそいつに斬りかかった
???「ウゼェェェェーーーー!!!」
次は右腕で殴ってきた
慈郎はブレードをその腕に沿うように流し、胴体に狙いを定めた
しかし、慈郎の狙いは…
パ「アース・クエイクッッ!!!!」
と右足のかかとを巨漢の脳天に落とそうとした
要するにかかと落としである
???「アホガ、ワカットルワボケ」
そいつの背中の鋭いトゲが伸び、パルムの左肩と右足の太ももを貫いた
パ「ヌグァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
そのままトゲは伸びつづけ、パルムを壁に叩きつけた
慈郎は心の底からパルムの事を心配したが、巨漢の胴体を着ることを優先した
しかし、右膝でブレードが受け止め折られ、そのまま顎の部分を蹴られ、そのまま飛ばされてしまった
慈「ングッッ!」
???「オレヲタダノノウキントオモッテンノカァ?ソノヒンジャクサトアタマノワルサ、オマエラチキュウジンダロ?」
そのままそいつは語りを続けた
???「ソモソモナンデチキュウミテェナゴミガコンナトコニイルンダヨ?オマエラモアノクロオンナニヨウガアンノカ
ソレモソウカ、トンデモナイヘイキダカラナ」
慈「あぁ?何言うとんねんお前さっきからよ…
というかお前なんなんや
名を名乗らんかいクソッタレ」
???「クチダケタッシャダナゴミニンゲン
オレガナニモノカ、ナマエハナンナノカ
オレニコロサレルオマエラニオシエテモイミガナイ」
慈「そうか、よっっっ!!!!」
???「ヌゥオッッ!!!」
慈郎はポケットの中にある爆弾のひとつ、コンカッションを投げまた巨漢に向かい走った
慈郎の被っているヘルメットにはこのコンカッションは効かないのだ
それを見越し、いつも装備品として持っているのだ
あの巨漢に効くかどうかわからない
しかし、迷いはなかった
???「テンメェエエエエエエカンパツナシニコウゲキシテキヤガッテエエェェェ!!!ナンモミエネェェェェーーー!!!」
慈「一閃!!!!」
ブレードでそいつの胴体を左肩から右横腹にかけ切りつけた
両断するつもりだったが、皮膚が思った以上に固くあまり深くは切れなかった
???「グギャァァァァ!!!!!ンメェェゴロズゥゥ」
その時に上から迫真的な声が聞こえてきた
パルムだった
パルム「アステロイド・ベルトォォォォ!!!!」
要するに両腕で思いっきりぼこすかラッシュである
巨漢の顔を中心に上半身に無数のパンチを浴びせた
???「カッブッップハッハワタダブゥフェェェ!!!!!」
今度は逆にパルムが巨漢を30mあたり先までの壁まで吹き飛ばした
パルム「調子乗ってんじゃねぇや」
パルムは少し砂埃や煤は着いているが先程空けられた足と肩の穿孔は塞がっていた
パ「普通ならやったか!?とか言うとこやけども…」
と言いながら下に落ちている鉄骨がむき出しの壁の一部や瓦礫などを巨漢が吹っ飛んだとこに目掛け何度も何度も猛スピードでぶん投げた
1回の投撃でまた砂煙と衝撃音が走る
すると砂煙から血だらけの巨漢がのそりのそりとこちらに歩みを進めた
その血は真紫である
慈「紫……おおいぬ座らへん出身の星人か?」
パ「あそこら辺に住んでる人達はみんな温厚で優しいはずや
あいつは絶対に……ちがうっっ!!!」
まだ投石を続ける
???「サッキカラウゼエエエエェェェンダヨボケガァァォァ!!!ジャクショウドモガァァァ!!!」
と、右足を蹴りあげたと思えば脛に付いていた丸のこを飛ばした
その丸のこは空を切りながら嫌な音を発しこちらに向かってくる
パ「それとばせんのかよ!!」
慈「でも距離がある!対応はじゅうぶんに出来る!」
2人は両サイドに丸のこを避けた
が、
丸のこはパルムを狙っているかのようにカクンッと右に曲がった
パ「フェっっ!?」
急な事であったがパルムは丸のこをジャンプし避けた
だが、またカクンッと曲がりパルムの胸を横1文字に切った
パ「ングァァァァっ!!」
慈郎はそれを見て足についてあった棒状の黒い銃を取り出し丸のこに3発打ち込んだ
しかし、丸のこは少しだけ欠けた程度でまだピンピンしている
そして次はお約束のように慈郎に向かってきた
慈郎はブレードを出して丸のこを両断しようとしたが、その時右足に激痛が走った
慈「イダァッッ!」
それはまたもや丸のこであった
???「オレノアシガニホンアルカラソノヴァリアブルスライサーハヒツゼンテキニフタツアルニキマッテンダロドテイノウドモ」
バランスを崩し、尻もちを着いたおかげで丸のこは慈郎の頭を通り過ぎ、遠くの方でガラスが割れたかのような音が響いた
慈「ヴャリアブルスライサーか…
いっちょ前な名前付けやがって」
と、巨漢に向き直した慈郎であったがその巨漢はすでに目の前に存在した
慈「んなっ!!!あの距離をどうやったんじゃ!!」
???「ハヤスギテツイテケナイカ?」
その巨漢は尻もちをついている慈郎に胸と腹あたりをアッパーをするように殴りつけた
慈「グウェェェッッ!!」
そのまま壁に叩きつけられてしまった
???「スライサーヲツカウトハナ……
マァカスワカスカ」
???「チビハアトデアノニンゲンカラコロスカ…
イマスグニデモコロシテシテヤリテェガヨ」
パ「奇遇やな、僕も一緒や」
???「アァァ!!!??」
巨漢の首目掛け飛び後ろ回し蹴りを炸裂させた!
???「ナンデテメェェ……ッッ!!!
スグニウゴケンダ……」
パ「ハァハァ…相方やられてんのに…ぼぉっーと…して、られるかぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!!
アステロイド・ベルトォォォッッ!!!」
猛烈なラッシュを巨漢の顔、首、胸、腹、足と腕と間髪なしに叩き込んだ
パルムも白目を向きながら、唾を吐いているのでギリギリなのだろう
そのラッシュ、10秒間になんと6800発!!!
全身全霊、全てをぶつけたぁぁぁぁ!!!!
???「グベラァアカナナャマナラマカラバタガァァガァァァァァッッッ!」
パ「これでぇぇ!!最後じゃァァァ!!!」
最後の右腕の1発を入れようとしたその時!
バシィッッ!と音を立てテーブルのような分厚い手で受け止められてしまった
???「コロズ…………コロジュコロズ……コロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!!!!!!」
パ「んなっ……!」
???「コロズゥゥゥゥゥゥゥッッッッーーー!!」
ドガッッボッッゴォォーーーーー!!!!
その巨漢の右腕でパルムは顔面を殴られ、地面にたたきつけられめり込んでしまった
パルムはあらぬ方向に目を向いている
???「オマエラ……コロジュコロジュ…」
パ「や……………べ……死ぬ…かも…」
巨漢が右腕を振り上げた
バンバンバンバンッッ!!!
遠くの方から銃弾が無数に巨漢を貫いた
慈郎である
その姿はヘルメットは少しヒビが入っており、プロテクター部分はボロボロに欠けている
???「グカァァァァ!!!テメェェモゴロズズザザアヤガァァ!!!!」
慈「パルムッッ!!!起きろっっ!!!
早く逃げろっ!!!」
パ「ごめ………もうちょい…かか…る………かも」
パルムは少し逝きかけており、反応もぎこちない
???「マ、コッチガラゴロズワ」
右腕を振り落とした
慈「パルムウウウウゥゥゥゥッッッッーーー!!!」
銃を撃ち続けたが、その動きは止まることは無かった
ドッッッッッッゴオオオオオォォォォッッッ!!!!
巨漢の右腕は吹き飛んでいた