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スタンディング・スペース  作者: 睾善太郎丸
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第2話 〜廃墟惑星ジベラフ〜 2

慈「えーと、えーと、合言葉なんやっけ?」


通天閣を彷彿(ほうふつ)とさせるタワーの下にある扉の前までやってきた2人であるが、どうやら扉を開けるにはICカードの他に合言葉が必要らしい

幸いカードは持っているのだが、肝心な合言葉を知らないようである


というか合言葉じゃなくてパスコードである


パ「たしか、『ジャンボ尾崎』」


慈「数字やで」


パ「じゃ、銀蝿かなぁ」


慈「数字やて、てかそれあかんやろ

翔か、翔ですか」


パ「桂銀淑………カムバックせんかなぁ」


慈「お前な…

てかやろめや、その流れジャンボ尾崎もなんかやったみたいになるやろ」


パ「へへへ、88143」


笑いながらそういうと少年ーパルムーはポケットに入っていた干し芋を(かじ)った


相方はヘルメットに全身プロテクタースーツ装備なのにも関わらず、パルムの装備はヘルメットをしてない上に身体の方は上は長袖の軽いプロテクターのようなジャケットで色はライムイエローで何やら黒の線が浮かんでいて、下はシルバーの作業ズボンである

ズボンのベルト通しの横にはタバコホルダーが着いている

やはりその容姿端麗の要望からはとても似合わない格好である

ちなみに芋はジャケットから出して食べた

そのまま、入っていたのである

にしても、こんな辺境の惑星の空の下で堂々と何かを食べるのは気が引けるというか、それ以前に呼吸が心配なのだが、相方が何も気にしていないことからしていつもの光景のように思える


そうこうしている間にドアが開いた


先に男ー慈郎ーが入りそのあとに干し芋少年が続いた


中は思ったより狭く、大の大人が2人並んで通れる程度の幅であ、

壁は鉄筋コンクリートで出来ている

天井からの配管が通っており、天井まではせいぜい4~5mあたりである


パ「思ったより狭いね…

それに静かやし…ホンマに誰もおらんのやね」


慈「もう何年も前に締め切った星やからな…

資源もとられへんし、空気は悪くなる一方やしで…まぁ、過去の産物やわな」


パ「こんなに立派な建物ぎょうさん造って…もったいないな

でも地球にも軍艦島あるし似たようなもんか」


必要や需要がなくなってしまったら手放してしまう…

悲しいが、現実こんなもんである

しかし、用がなければこんなとこにわざわざ来ない


2人は廊下の突き当たりまで歩くと、壁にタワー内の案内図があることに気が付き目をやった


慈「大森さんが言うには、リングは30階やったか」


大森さんとは2人の職場の社長である

そもそも彼らがこの何も無い誰も住んでない惑星に来た理由はアクセヲリングという物をとってきて欲しいという頼みを受けたからである

詳しく言うと、大森さんの知り合いからの頼みらしい

そうならば大森さんが直接行けば良いものかと思うが、大事な用事が入ったらしくタイミングが無いと

それで、信頼出来る2人に頼んだのだ


ちなみに大森さんと2人が働いてるのはゴミ処理施設である

本社は地球の日本の大阪にあり、様々な病院や施設、その他公園や工場、ゴミ処理場などの依頼を受けて現場に向かい持ち場につき働くという流れだ

他の惑星に行く作業員もいれば、地球担当の者もいる

ちなみに2人は地球担当である

断ろうと思えばこの仕事も断れたのだが……


特別にボーナス貰えるなら行っちゃうよね




なんやかんやで30階に着いた


エレベーターから降り、廊下を渡り大きな自動ドアを開けたら目的の物がある部屋である


中に入ると作業机に床や辺り一面に散らばっている何かしらの資料、何かの最新鋭の道具やらが確認出来た

パルムと慈郎は興味津々で部屋のあたりを見渡した


そして、その部屋の隅になにやら頑丈そうな黒く、所々に凹みがある金庫があった

その中に例のブツがある


パ「おぉ、あれやあれ

あの黒い金庫やろ」


慈「せやせや、番号も教えてもろてるしちゃちゃっと済ませようぜ!」


早く仕事を済ませようとするのはアクセヲリングを回収して安心したいというのと、そのあとにじっくりとこのタワービルや惑星を探索したいからであろう


慈郎は金庫に番号を打ち込みダイヤルを回し、多少錆び付いてガタツク扉に苦戦しながらも開けた


そこには確かに存在した

綺麗な球状で水色に輝いている

今は起動していなから多少暗いが、起動すればひとたび美しい色を放つのだ


慈郎は持ってきた革の袋に詰めた後に小さな銀色の箱に入れてそれをリュックサックになおした


さてと…と一呼吸入れて慈郎はパルムに顔を向けて

こくっと頷いたと思えば2人してその場ではしゃいだ


パ・慈「探索すっぞーーー!!!!!!!うぉぉぉぉぉーー!!!!」


そうしてわくわくしながら部屋を後にしようたしたその時

出口付近の に気になるものがあった


パ「ん?なんこれ?」

とパルムが言葉発し手に取ったのは昔から日本にある懐かしいからくり箱であった


慈「綺麗やなぁ、からくり箱やろ

おもろい仕掛けがあってそれをクリアしたら箱が開くっていうシステムのやつや

もう前に持ってた人がいらんから置いてったんやろうな

もうここには誰も来んし、貰てもええんちゃうかなぁ」


パ「せやね!大森さんからも別になんも物色するなとは言われてないし」


それは信頼してるからこそ敢えて言ってないだけなのではないかと疑問を抱くところではあるが、今の2人には探索に夢中でそんなことは頭の片隅にすらなかったのであろう

普通なら、そんな危険そうなものは持って帰ろうとはしない

つまりのところ、アホなのだ

皆さんはそんなことしないように


そうして2人は部屋を出ていった












そのからくり箱が置かれていた下にも何かしら、複雑な事が書かれている資料があった

1枚の写真と共に

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