第1話〜廃墟惑星ジベラフ〜 1
━━━━━━━━━━━━━━━閑話休題
先程の急ごうというセリフをよそに、2人の足取りはとても急いでるようなものには見えなかった
むしろ、今からどこに行くのだろう、これから向かう場所には何があるのだろうという希望を抱く探検家のような歩みであった
少年に関しては頭の後ろに腕を組みながら口笛を吹いている
男に関しては、隣の華奢な探検家ほどの動きや感情は見られないが探検を楽しんでいるのであろう事が伺える
表情はわからないが、仕事が終わったら牛丼行こうや!と笑いながら談笑しているのだからそうなのだろう
傍から見ても2人は仲が良さそうである
事実そうだろう
彼らが歩いている足場は土や砂、アスファルトが確認出来るが何かの道具のスクラップやら粗大ゴミの破片、その他廃棄物が散乱しているのである
その危険な道のりを気をつけながらたまに顔をお互いに見て会話を楽しんでいるのだから、仲がいいに決まっている
嫌々ならば、そこに落ちているパイプで相方をどついているところだろう
『お!見えてきたで慈っちゃん!
あの工場地帯の真ん中のいっちゃん高いタワーやろ!』
どこで付けたのか煤だらけ油だらけと汚らしい臭そうな指でさした先には、タワーがあった
どことなく、大阪の名物のひとつ通天閣に似ている
しかし高さは通天閣の3倍近くはあるだろう
「お、せやな
この星来たことないから探検したいけども、はよリング持って行ってやりたいしはよ回収しよか」
そういうと男は歩幅を広げた
少年もうんと首を縦にふり男に合わせ足の速さをあげた
そして、そのままの状態を保ち10分ほど歩いた後に、先程のタワーの下に着いた