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スタンディング・スペース  作者: 睾善太郎丸
13/16

第12話 金か友か 答えは金と友

3人、いや詳しくは3人にハゲと長髪とジジィだから合わせて6人はラボの中の奥にある相談室に入った

テーブルを挟んでこちら側が慈郎とパルムとあずき

向こうにラウンジ1人である

ハゲと長髪は慈郎達のために飲み物とお菓子を用意するために席を外した

途中こんなに注文を受けて俺たち、どうなっちゃうんだなぁ〜などと笑顔で抜かしていた

何やら楽しげな2人組である


━━━━━━━━━━━━━━━

ラウンジ「なるほどの、そんな事じゃったか…

まずは、災難じゃったの…ご苦労さまじゃ」


パルム「はい、僕ら大抵の奴なら喧嘩で負けないんすけども…相手がめちゃくちゃ強かったもんですからね」


慈郎「おかげでヘルメットは故障して修理に出して、アーマーは完全に壊れましたわ……58万もしたんすけどねぇ」


ラウンジ「いやでも凄いぞ君ら

その……モナオーじゃったか?そいつは恐らく下っ端じゃろうがアイツらの仲間じゃろう

良く生きておった、誇りに思うべきじゃ」


そういうとラウンジは笑顔で手を叩いた


パルム「えぇ………アレで下っ端て……アイツらて…宇宙ヤクザですか?」


ラウンジ「アイツらに比べたら宇宙ヤクザなんて可愛いもんじゃよ。極字聖星帝雲に比べたらの…」


慈郎「きょくじせーせいていうん?」


ラウンジ「あぁ、そうじゃ…………

てかつい流れで言うてもうた

一部のヤツらしかしらん超極秘情報なんじゃがのぅ

普通なら知られたら知ったやつをデリートせにゃならん」


ラウンジは何食わぬ顔で干し芋を齧りながらパルムと慈郎に向き合っていた

恐ろしいジジィである


慈郎「はぁぁ!!???!!デリートで消すってことやんけ!!!なんやこのジジィ!!!」


パルム「僕ら殺すために呼んだんか!!?!?!まだおにぎりも茶も食うてへんのに!!てか中々注文こーへんな!!!」


慈郎「いやそこかよ!!!!ちゃうやろ!!」


パルムは少しボケた…というより元からボケているのかわからないが2人は慌てふためいた


ラウンジ「落ち着いて落ち着いて!大丈夫じゃ!

普通なら、と言ったじゃろう!君らは殺さんわい!寧ろ恩人なんじゃからの!!!」


パルム「えぇ!!?あぁ!?ほんまか!!」


ラウンジ「ホントじゃホント!!昔の話じゃしの!

ワシの若い頃の話じゃよ!それにワシは1人も殺しておらん!

んな事できる性格じゃないしの……」


慈郎「はぁ……いきなりの事やから頭こんがらがってるけども…まぁ、その………はい……て、恩人ってのは?」


ラウンジ「その子を連れてきてくれたじゃろう」


ラウンジは慈郎の隣に座っているあずきに顔を向いた

パルムと慈郎はあずきの顔を見た後にラウンジの方に顔を戻した

あずきも綺麗な顔ではあるが無表情は変わらない

しかし、どことなく不安げな雰囲気も感じるのも事実である


ラウンジ「その子はな、極字聖星帝雲に唯一対抗できる存在なのじゃよ」


パルム・慈郎「な!なんだっってぇぇーーー!!!!…………………………………まぁ、この流れやったらお決まりか」


ラウンジ「なんじゃ感情の起伏が激しいの

激しいのはパートナーとの夜だけにするんじゃぞ若者よ」


パルム・慈郎「独身です(半ギレ)」


あずきは目をつぶり眉を寄せ少し顔を俯きため息を吐いた

だんだんとリアクションの取り方が分かってきたのか、この3人のやり取りではやらざるを得なかったのか

いい感じだね!!


ラウンジ「冗談じゃよ

ちなみにワシはワイフとは別居中じゃ

ギャンブルと酒に溺れたんじゃが危うく捨てられるとこじゃった」


あずき「いや別居してる時点でもう捨てられてるんじゃ……」


その一言でラウンジは飲みかけたお茶を吹き出し苦しそうにえずいた

パルムと慈郎は笑いながらラウンジの背中をさすっていた


ラウンジ「言うじゃないかお嬢ちゃん………

カプセルから出てきてどれぐらいじゃ?」


あずき「2日前」


ええぇ!!というラウンジの反応を見て全員が笑った

後ろからも笑い声が聞こえてきて、ハゲと長髪が注文した料理を運んできた


ハゲ「お待たせしましたパルム様〜

海鮮丼とエナジードリンクです〜」


パルム「お!!あんがとございます!!頼んだっけ?」


ハゲ「お待たせしました!あずき様!!フルーツたっぷりのタルトとオレンジジュースでございます〜」


あずき「ありがと……………頼んだっけ?」


ハゲ「慈郎様にはこれを!」


そう言ってハゲが出してきたのはせんべい3枚と青汁だった


慈郎「え?頼んだっけ?頼んでへんよな?なんで俺だけこんな格差あるんや?でもまぁ……ありがとうございます!!」


3人は注文した料理 (してない)を頬張りながらラウンジに先程の話を聞いた


慈郎「そういや…さっきの唯一対抗できるってのは……なんです?」


ラウンジ「うむ、さっきの話じゃな

てかワシの注文は?」バリバリ


パルム「いいからおじいちゃん、教えてぇな」モグモグ


ラウンジ「はぁ?………まぁ……ええか…

唯一対抗できるってのはな………………」


パルム「ってのは……………………?」


慈郎「ってのは……………………?」


あずき「それは……………………?」


ラウンジ「それはな……………………………




知らん」


3人はズッコケかけたが何とか身も保った


慈郎「なんやそれ!!!!やる気あんのか!!」


パルム「ホンマに博士なんか!!!!?おじいちゃんボケとるで!」


ラウンジ「まぁまぁ………その………さっきも人をデリート出来んって言ったじゃろ?それもあってか…組織に逆らいまくって…途中で組織からクビにされたんじゃ

もぅ!ひどいわ!」


パルム「えぇ………(困惑)なんやそれ…」


慈郎「じゃあ知ってるのはそれだけ?」


ラウンジ「すまんのぅ…でも、裏で色々とやってたからそれ以外の情報なら多少知っとるぞ!」


パルム「じゃあ、さっきの極字聖星帝雲ってのは?」


ラウンジ「極字聖星帝雲、名前からしてヤバそうじゃろ

あいつらは簡単に言えばテロリストみたいなもんじゃ

各銀河や惑星、様々な星で殺戮行為や破壊、否定をするヤツらじゃ

目的は…明確にはわからんが、全ての宇宙を自分らの物にするためじゃろう」


慈郎「テロリストかよ…でもこのクソバカでかい宇宙を自分らの物とは……ハッキリ言うて無理やろ

この現代の技術力ですら宇宙地図はまだまだ完成してないんやからな」


ラウンジ「じゃからこそ恐ろしいんじゃ

やつらの行動がいつまでも止まらんからの

それと構成員じゃが、幹部が12人、下っ端が4億人と言われておる」


パルム「4億ぅぅ!?ふざけんなよ!!!!日本の人口よりおおいやんけ!!……………でも宇宙まわってるんなら色んなやつ勧誘したり、その組織に入りたいやつとかもおるやろうことを考えたら……ちょいと少ないんとちゃう?」


ラウンジ「ほかのテロリストよりもヤバいやつらじゃからの

でもまぁ、少ないわな

しかし、そんな奴らに対抗するためにあずきちゃんがおるとは、どういうことなんじゃろな?」


ラウンジはあずきを見た


あずき「………私に聞かないでよ…」


慈郎「んでもそんなヤバい奴らがおるんなら対抗組織もおるんでしょ?宇宙連邦?」


ラウンジ「無論、宇宙連邦も対策はしとる

しかし、特殊部隊もおるぞ

その名もThe・field・core

通称TFCじゃ」


パルム「ETCみたい」


慈郎「はぇ〜…………って、この流れ……」


パルム「もしかして………」


あずき「………………」


ラウンジ「お察しがいいのぅ若者たちよ

そうじゃ、【⠀TFCに入隊せんか?】それが言いたかったんじゃよ!!!!!!」


ラウンジはやってやったぞとキメ顔だった

その目は少年のようにキラキラしていた


慈郎とパルムは物凄く嫌そうな顔をした

あずきもめんどくさそーな顔をした










━━━━━━━━━━━━━━━






「ハァハァハァハァハァ…………クソ………クソクソグソグソ!!」


紫色の血を滴りながら両腕のないそいつは長い無機質な廊下を歩いていた

そして廊下にある突き当たりの大きなドアが見えた

そのドアには言葉でも言い表せない邪悪さと禍々しさを感じる

一般人ならば、そこに立っているだけで吐き気と頭痛に襲われるのではなかろうか


そいつはそのドアを乱暴に蹴り開け中に進んだ


「なんだその姿。どこぞの誰にヤラレタンダァ?」


大きな会議室であろう中でバカでかい笑い声が響いた


「ダッサーイ」


「お前がそこまでやられるとは…あの連中か?モナオー」


モナオー「チゲェ………アンナヤツラハアノソシキニイナカッタ…………タダノイッパンジンダ…………」


「ただの一般人?幹部のあなたがただの一般人にそんなふうにされる訳ないでしょう?変なプライド持たずに正直に話しなさい」


「ホントにダッサーイ、何それーてか腕ないじゃーんw」


モナオー「ダマレヤァァァァ!!!!」

おがり声を上げたかと思うと拳がない腕でドアを叩いた

物凄い衝撃音と共に振動が響いた

ドアは少し凹んである


モナオー「アンナヤツラハアノソシキニイナカッタ!!!ホントダ!!!!ミトメタクナイガホントダ!!!!!」


「黙れ叫ぶな、お前の汚い血が飛び散るだろう」


モナオー「テンメェェェェコロスゾォォォォォ!!!!!!」


モナオーは挑発してきた金髪ロン毛のイケメンに踊りかかったが、1人の落ち着いた顔の美少年に腕を掴んだ


「ダメだよモナオー、僕達は仲間なんだから

それにまずは手当てをしないと」


モナオー「…………………チッ…ハナセヨ……」


そう言うと強引に少年の手を振りほどいた

しかし、先程の乱暴さほどではなかった


「にしても〜、アンタさぁ〜?黒女潰したわけ?」


ギャル口調ではあるが、背丈が120センチ程度の顔にツキハギがある少女がモナオーに尋ねた


モナオー「…………シテネェ………ムリダッタ………

メザメチマッタ………」


そこにいた全員がモナオーに対し殺意がこもった目で注目した


モナオー「……………………」

黙ってはいるが心の底から屈辱なのであろう

しかし、今回は自分が任務を失敗してしまったので何も言い返せないのであろう


「まぁ、あらかたこうなることは薄々分かっていたがな

知ってる上でお前に頼んだ」


モナオー「ソウカヨ…………テメェイツカゼッテェコロスカラナ……」


そういうとモナオーはまた部屋の奥にある扉を蹴りあけ廊下を進んでいった


モナオーの後ろからは嘲笑うかのような声が響いてきた


しかし、1人だけモナオーに着いてくる影があった

先程のモナオーの怪我を心配し手当を促していた少年だった


モナオー「ナンダヨ………ウゼェゾ、クーリッシュ………」


クーリッシュ「ダメだよ………治さないと

腕もないじゃないか…治療室に行…」


モナオー「イラネェェッツッテンダロオォガヨォォォ!!!!テメェナンデオレニツイテ…………ク……ル………」


1度はおがったがモナオーはこちらに真剣な眼差しを向けた少年を見ると、急に落ち着きを取り戻した


クーリッシュ「皆はモナオーを軽くあしらうけども僕は仲間と思ってる。大事なんだ。さぁ、行こうよ

また前みたいにカッコよく暴れてよ」



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