第11話 Theジジィ
3人は大森に言われた通り、ラウンジという博士の元に向かっていた
車で行こうと思っていたのだが、初めて行くところなので慈郎が不安になりバスや電車を通して行く事になった
場所は大阪の鶴橋駅
駅から歩いて30分強で着く大きな高層ビル
そこの中にラウンジは居るという
慈郎「あぁ……都会…って訳やないけども人が多いな」
パルム「気が滅入っちゃうね
僕らは基本的に自然が好きやからなぁ…田舎とか」
慈郎「電車でもバスでもなんか知らんけども周りに嫌な顔されたしよぉ……人から嫌われるってハッキリわかんだね
おいパルム、歯磨いたよな?」
パルム「磨いたよ(半ギレ)」
あずき「………ごめんね私のせいで…」
慈郎・パルム「ん?」
あずき「あの時の話…聞こえてて…私のせいで色々と振り回してるんだなって…」
あずきは大森と慈郎達の話し声が聞こえていたようだ
ドア越しでかなり離れているところで会話をしていたのだが、あずきにはその程度の距離ならば耳に入るらしい
もの凄い聴力である
慈郎「いやぁ…んなこたぁないさ
それに飯食いあった仲やし気にせんといや」
パルム「そうそう、気にせんといてや」
2人は水くさいなぁと言わんばかりの笑顔であずきの顔を見た
そう言うと困った顔からあずきは眉は少し寄っていたが安心したような顔をした
そうこうしている内に目的のビルに着いた
中に入ると受け付け場で受付嬢に事情と目的を話した
そうしたら笑顔が可愛い20代前半であろう嬢が通してくれた
ラウンジが居るのは25階のラボらしい
名前は「オトミグス研究所コード.21」
3人はエレベーターに乗り込み25階のボタンを押した
パルムは始終口を開けアホみたいな顔をしていたが慈郎も同じである
あずきはほぼ無表情ではあるが、やや俯き不安そうである
チンポーーーーン
音がなりエレベーターを後にし、ラボを目指した
慈郎「えぇと、ここやな」
パルム「思ったより静かやね
なんか他の階はガチャガチャ音してたしやかましかったのに
行ってへんから知らんけど」
慈郎「なんやそれ」
あずき「んふふ」
パルムのボケと慈郎のツッコミであずきは少しだけ不安が和らぎ笑みが零れた
慈郎がドアをノックした数秒後に白衣を着た結構高身長の長髪の男と頭部が眩しい男が出てきた
そのイケメンは慈郎たちを見るなり不思議そうな顔で、どなたでしょうかと尋ねてきたので事情を離すとビックリした顔になり急いで中に招いてくれた
ハゲ「すみませんでした、ささ、中にお入りください
長旅お疲れ様です
お茶をご用意しますね、いや、ジュースの方がよろしいでしょうか、あ、飲み物だけではダメですね、何かお菓子も入りますよね、何がいいだろう、色々とあるんですよ、クッキーからパンや……………」
パルム「おおぅ、落ち着いてくださいなハンサムさんや
取り敢えず、ラウンジ博士言う人に会ってからお願いしますよ」
慈郎「俺はお茶にクッキーで頼んます
あずきは?」
あずき「私は…………オレンジジュースに………ケーキ…かな」
長髪「はい!はい!ございますよ!!!!」
パルム「えぇ………隙のない注文に滑らかな対応
ほなら僕はお茶におにぎりで…」
ハゲ「はい!かしこまりました!!!
お茶と言ってもですね、色々とございますよ!例えば…」
???「おーーい、松田くんと光岡くんや、そんな言うてもわからんじゃろぉ
客人も困っておるぞぉ〜ワシはウェルチに干し芋でいいや」
パルム「干し芋!分かっとるやんおじいちゃん!でもウェルチて……………………最高や」
???「お?わかる?美少年や
理解してくれるやつが極端に少ないんじゃよなぁ〜」
おじいちゃんとパルムは意気投合し互いに頷きあった
慈郎「………もしかして、貴方がラウンジ博士っすか?」
ラウンジ「如何にも
ワシが、オー・ショールド・ラウンジじゃよ
アメリカ生まれアメリカ育ち、ピッチピチの78じゃよ」
ラウンジ「長旅ご苦労じゃ3人とも
そこに座ってくれ、ゆっくりとは話せんが少しだけジジィとの談笑をお許し願いたい」