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虚空  作者: Aki.
10/17

IX

――俺は間違っているんだろうか?自分だけの幸せを考えていることが…















………

……


病院――


神月にプロポーズ?的な事をした次の日の朝。

俺は今日は病院で、カウンセリング受けている


「前よりもずっといい顔してるね。やっぱり良い事あったんだろう?」


担当の先生は屈託のない笑顔で問い掛けてきた。


「そうですね。無いこともないですね」


「そうか。それはよかった。

病は気からとも言うだろ?結構、内面的なことも君の病気に密接に関わってるんだ」


「………」


「だから心に余裕を持って」


「はい…」






――俺の病気は不定期に起こる『謎の症状』。一週間に一回あったりもするし、1日に何回もあったりもする。ないときは1ヶ月以上ないときもある。




そして、この『謎の症状』は2ヶ月以上起こっていない。


だからこそ俺はわからなくなるんだ。


――俺は本当に長くないのかって……



そう思えたから神月にあんなこと言えたんだろうな…















………

……


屋上――


「どうして遅刻したんだ?」


神月が俺の顔を覗き込みながら言った。


「どうでもいいだろ」


「君、昨日言ったセリフを忘れたのか?」


「?」


「『傍にいてくれ』って言ったからには、どこに行ってたのか教えてくれてもいいんじゃないか?」


「ブッ!!」


真面目な顔で言われて、思わず吹き出してしまった。


「……はぁ。今朝は病院に行ってたんだよ」


一応、嘘付くこともないので本当のこと言う。


「病院?」


「あぁ」


「どこか悪いのか?」


「さぁな……」


俺は今、本当に体が悪いのかどうか全くわからない状態だ。


「君……」


「何だ?」


「……何でもない」


「?」










………

……


「………」


俺は今日ももらった薬を見つめていた。症状を和らげるができるらしい。しかし、先生にも和らげているかどうか本当のところは、わからない代物でもある。今日はいつもと違って飲む気がしない。なぜだろう?

2ヶ月の空白は『発作』の感覚を忘れさせてしまったみたいだ。


いや、俺自身に『発作』が起きたという感覚はない。目が覚めるとすべてが終わっているんだ。要するに俺は『発作』自体に何の苦痛もない。そして、もう2ヶ月も起こってないんだ……大丈夫だろう……


そうして俺は薬を飲むのを止めた……

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