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魔女、困惑す
「こ、殺した?」
「ああ、しかも私の前でな」
どう言葉をかけていいかわからない。
あまりにもエレノアさんが気の毒で、私は口を閉ざした。
「そこからは簡単だ。私の居場所だった村を焼き払い、国中に魔女への偏見を広めた。・・・そして今がこの様さ」
大好きだった恋人を目の前で失い、居場所を奪われたエレノアさん。
そして愛していた人間達からの迫害。
そりゃ、人嫌いにもなりますよね。
そっと私はエレノアさんを抱き締めた。
「な、なんだ?」
「エ"レノ"アさん、辛かったですね」
「おいおい、何でニナが泣くんだよ」
エレノアさんは困った様子だったけど、抱き締め返してくれた。
ついでに背中をポンポンしてくれた