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おはようございます




 時計を見ると、もう午前10時。そりゃ日が高いわけだ。


 俺もここまで寝るのは久しぶりである。あと家に帰ってきたのは深夜だったので、お腹が空いた。


 ぐるるるる。


 お腹空いたと認識したのが悪かったのか、元気に腹が主張してくる。だーっ、もう…。


「…ん」


小さく呟いて光島さんが瞳を薄く開けた。あ、起こしちゃった。


「…っえ」


目を丸くして二、三回瞬いたあと、光島さんが跳ね起きた。


「なっ」


「わーっ、落ちる落ちる!」


ベッドの端に行きすぎて落ちかけた光島さんを、なんとかキャッチする。


「えっ、あ」


昨日のことを思い出したのか、光島さんが耳まであっという間に真っ赤になった。半泣きの目で睨まれる。


「あのその、えっとですね!?」


やばい、なんの説明もしてないじゃん。かけた毛布を引っ張ってお布団ガードを作り上げてる光島さんが可愛いとか思ってる場合じゃない。


「えっと、まず!セックスしてはないです!」


「お、大声でそんなこと叫ぶなバカ!」


…一番大事だと思ったんだもん!


 まあごもっともすぎる。休日の朝っぱらから叫ぶ言葉じゃなかったな。


「…あの、どこまで記憶ありますか…?」


「…。お前と、その…。やりあった、とこまで」


 ダメだ、超気まずい。


 とりあえず、眠る直前までは記憶があるみたいだ。よかった。


「えと、そのあとなんですけど…。終電も行っちゃってたんで、俺ん家に運び込ませてもらいました。嫌だったらすみません」


 まああんなことをした後輩の家に連れ込まれるとか嫌だよな。そう思って言うと、困ったように目が逸らされる。


「いやまあ、助かったし…。…えっと、ありがとう」


戸惑いつつも、返してくれた。耳が真っ赤なの隠れてない。めちゃくちゃかわいい。


「体調悪いとかないですか?」


「…それは、ない…。むしろめっちゃいい…」


「…!」


 基本的に、SubやDomの性質は本能である(Switchはちょっと省く)。欲求を薬で抑えつけることはできても、当然ながら体の負担になってしまうのだ。少しだろうけど、きっと、俺とのPlayでそれを解消できたってことなのだろう。


 嬉しくてニマニマと笑顔になった俺に、ようやく光島さんが笑った。あんまり見たことなくて、ちょっとびっくりしたけど嬉しい。


「…あっ。光島さんってお付き合いされてる方いらっしゃいますか?」


大事なこと忘れてた…!もしいたのなら、申し訳ないことをしてしまった。


 我に帰って正座した俺に、光島さんはゆっくりと首を振る。


「いや、今はいない。パートナーも恋人も…」


いたらこんな迷惑かけなかったんだけどな。顔を歪めて笑ったその頬を、むに、と思わずつまんでしまった。


「ちょ、何すんだお前」


ぺしんと叩き落とされた。ごめんなさい。


「あの、別に迷惑じゃなかったんで…。俺が勝手にやらかしたんだし、光島さんが少しでも楽になったならよかった、って思ってるし…」


そんな光島さんが自分を責めるようなことないって言いたかったんです。先に手が動いちゃったけど。


 …そんな悲しい顔、しないでよ。


「わ、わかった。…悪かったから、そんな捨てられた子犬みたいな顔すんなって」


 え、そんな顔してるんですか俺?


 困ったように俺の頭を光島さんが撫でる。そうだ、と寝てる間思ってたことを思い出した。


「相性悪かった…とかなかったですか?」


「…まあ、なかったな」


目をふいっと逸らしながら光島さんが答える。じゃあ、と思わず前のめりになった。


「あ、の!光島さん!ぱっ、ぱとっ」


「おぅ、落ち着け一旦」


…格好つけるのムリだ俺。とりあえず一旦深呼吸した。よし、もう一回!


「俺のパートナーに、なってくれませんか…!」





 

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