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年内最後のお約束


『斑鳩』


『年末年始』


『予定あるか』


ソファに寝転んで猫の動画を見ていたら、上にそんなメッセージが表示される。アイコンが初期画像なので光島さんだ。返信したくて押そうとしたら不自然な速度で消えた。不思議に思ってトークルームを開く。


「あらら?」


メッセージが消去されている。誰かと間違えたのだろうか…?でも斑鳩って名指しだったしなぁ。光島さんのそばにもう一人の斑鳩さんがいる可能性もあるけど、そうそうこの苗字ってないよね…。


「…もしも〜し?」


『〜っっ!?』


電話をかけると、焦った声が返ってきた。めちゃ出るの早いですね。


「今送ってきたのって俺にですか?」


『えっ、見、た…!?あ、っと…、そう…。お前に送った…』


とてもテンパっている返事。まさか電話で聞かれるとは思わなかったみたい。


「ごめんなさいなんですけど、俺ちょっと用事がありまして…」


一緒にいたい気持ちは山々なのだが、実家に帰省しなくてはならない。申し訳なく思いながら伝えると、心なしか沈んでいるような気がする。


「ふぅん…。早乙女は」


早乙女がなぜここで?


 謎に思いながらも考える。たしか最近できた彼女と旅行に行くと言っていたような…。


「あいつも多分予定あると思いますよ」


 …あれ?


 なんか、モヤッとした。光島さんは早乙女が好きなんだろうか?こうやって連絡してくるってことはそういうことなんだろう。


 でも光島さんが誰かといることを考えたら、すごいモヤモヤとした。


 …いやこんなので嫉妬するとか、俺子供すぎるでしょ。


「…光島さんは予定あるんですか?」


『え、あ…。海に行こうかと、思ってて…』


「え、海!?いいなぁ」


…行きたいなぁ、海。光島さんは誰かと一緒に行くんだろうか。


『え、…一人、だけど…』


「じゃあ電話しませんか?年越しの瞬間」


『…!』


やりたい、と隠しきれてないワクワクが伝わってきた。連絡ができるということは、本当に一人で行くということなんだろう。


 やべ、めっちゃにやける。


によによと口角が上がるのを堪えられない。年が変わる瞬間の約束ができるとか、嬉しすぎる。年が明ける瞬間、光島さんを独り占めできる。


 …幸せすぎるだろ…!


早く年が変わらないかな。めちゃくちゃ急く気持ちが胸の中で膨らみ出した。


 電話を繋ぎっぱなしのまま、俺はソファから起き上がって旅行の準備を始める。


「光島さんは何してたんですか?」


『映画見てた』


「え、じゃあ外ですか?」


『や、家で。動物がいっぱい出てくるやつ』


…ほう?なんだろう。


「それ興味あります。題名なんですか」


『…恥ずいから言わない』


「あぅ、残念。テレビで見てるんですか?」


『いやプロジェクターで』


「わ、本格的っすね」


家にプロジェクターあるんだ、いいなあ。そう思っていうと、ちょっと沈黙が流れたあと、いつか見にくれば?と言われた。


「え、いいんですか!?」


『まあ…。年が明けたら来いよ』


「やったっ!」


 外は寒くて雪が降りそうな年の終わり、年末が楽しみになる約束が二つできました。




 


 


この前買った本が全部SubDomものかSMもので、書店の人にヤバいやつだと思われてる気がします作者です。



いつのまにか年が終わろうとしていますね


ちなみにこの話は基本的に現実世界の時間と連動させるつもりです


追記:ブクマありがとうございます

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