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第三章〜助言

書きます。よろしくお願い申し上げます。

「お願いだ」

俺は形ばかりの台詞(せいふ)を口にするつもりだった。

「過去の俺、つまり君が 凶行に及ぶの思いとどまってくれたなら、今の俺は大いに助かる。忌まわしい過去が消えてなくなってくれるのどからな。だから悪いことは言わない。俺は君と同じだ。一心同体だ。だからこそ 助言をする。止めて おけ。それが身のためだぞ。前科一犯の身は肩身が狭いのだぞ」

これでわかってくれるだろうか?

いや。消して分かってはくれない。俺は知っている。このセリフを聞いた俺は、それでも 欲望を(おさ)えきれず、犯行を実行に移すのだ。止めても無駄に思えた。やはり、過去も未来も変えられないのだろうか。

「正直、彼女は諦める自信はないよ。今のオレは性欲モンスターだ。多分誰にも止められないよ。オレは美希ちゃんが好きだ」

過去の俺は息を荒げていた。それでも俺は助言しなければならない。自分の過去を変えるために。

「やめておきなよ。それが今の君が望む 言葉なのだろう?ならは、それ以上に聞くべきことはない。後悔する前にやめておけ」

「無理だよ。まったく自信ないな。なあ。結局オレは美希ちゃんを襲って、きっと警察とかに捕まるんだろう?お前は知っているはずだ。教えてくれよ」

過去の俺はもはや 涙目だ。

俺は返答に困った。しかし、何とかしなければならない。過去を変えるのだ。なんとか 目の前のこいつを、改心させなければならない。夜はそれでも結果は知っているのだが。

その時俺は、ひとつのいい考えを思いついた。

それを口に出してみるしかなかった。

「なあ」

「なんだ 急に改まって」

「要するに 君と美希ちゃんが上手くいけば良いのだろう?ならば、君、美希ちゃんから好かれるような男になりなよ。少なくとも俺は君よりはより多く 美希ちゃんを知っているのだから、君が美希ちゃんから嫌われない方法はアドヴァイス出来るハズだよ」

さあ、ここで 歴史は変わるのか。過去は変えられるのだろうか?ここから 俺と俺の記憶とは違う 展開が始まるのかもしれない。

「おう。そうだな。そうかもしれないな。じゃあ、アドヴァイス、頼むぜ」

さあ、俺の記憶とは違う 俺の台詞が出た。

歴史は変えられるのかもしれない。

「そうこなくっちゃ」

俺は笑顔を作った。が、やはり それも記憶の中の展開と同じであることにすぐに気づいた。歴史は変えられるのか?

お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。

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