表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/115

8

 他所の学校では、オタク女子も大いに幅を利かせていると、たまにしか会えない実の兄が言っていた。兄はあれで、高校教師なんだ。あれってどれだよと思うけれど、いつしかこの物語にも登場すれば嬉しいなと思っているので、その時あれがどれなのかがはっきり分かると思う。妹の私からすると、兄の見た目は流行りのニートのようだ。家にいるといっつもパンツとランニングシャツでウロウロしている。髪の毛もボサボサで、お腹も少し出っ張っている。妊娠五ヶ月頃の姉と同じくらいの出っ張りようだ。私には少し歳の離れた実の姉もいる。同じ干支だったはずだ。既におっさんのような兄だけれど、まだ教師一年目なのでそれほど歳の差は感じたことがない。私がオタクっ子だってことを、その二人はよく知っている。というか、その二人しか知らない。今ではきっとその筈なんだ。

 アニメ好きだとなにか迷惑でも受けるの? それとも有希ちゃんが可愛いから嫉妬してるの?

 私がそう言うと、自分の席に座ってタイトルがやたらと長いライトノベルを読んでいた彼女が立ち上がり、慌てて私の背後に寄り添い、私は大丈夫ですから。いじめには慣れています。けれど、あまり変なことを言うと余計にいじめられてしまいますよ。分かってるんですか? 真木さんはとても目立つし影響力があるんですから。そんな言葉を囁いた。

 私はチラッと背後に視線を送ったけれど、その言葉は無視をした。

 とにかく! この子をオタクだからっていう理由でいじめるのは許さないからね! 他の理由があるにしても! ちゃんと私に知らせなさいよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ