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 彼女と同じクラスだったらいいなって私は妄想をしていた。彼女はきっと、私の背中を見つめている。そんなことを意識しながら歩いていたけれど、後から知った現実は残酷だった。彼女は目が悪く、メガネがないとぼんやりとしか前が見えない。その日は入学式だからと、コンタクトをしていた。メガネだけが理由だとは思えないけれど、彼女に友達はいなかった。高校入学を機に、新しい自分になろうとの決意の表れが、コンタクトだったようだけれど、深呼吸をしている際に私に挨拶をされて驚きのあまり大きく見開いたその瞳から、コンタクトレンズが零れ落ちてしまっていた。コンタクトを探そうと一瞬下を向き、その後にすぐ私への挨拶に応えなきゃと慌てて顔を上げた際に、一歩前に足を踏み出してバリッとコンタクトレンズを踏み潰してしまった。私はそんなことをツユとも知らず、勝手な妄想を楽しんでいた。その後に望み通り同じクラスになれたことは嬉しかったけれど、終始眉間に皺を寄せている彼女に話しかけることは出来なかった。すぐ目の前に彼女がいるにも関わらず。そしてそれは、私だけじゃなかった。同じクラスのみんなが彼女を避けていた。私って最低だ。

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