05
道は無く険しい草花の在る木々の間を進むと、
其処には古そうな石の門が有り、崩れ架けた木の扉が有る、
「こりゃダメだね、オディリー後でこの扉交換しておきな、
其処の木使っていいからさ」
と王子に木を伐って新しい扉を作り付け替えるようにと言い付け、
滅びかけてるとはいっても王子に指示する、
師匠が凄いな、と思いつつ見ればオディリー王子は「はい、エリン様」
と少し怖がりながらも言われたことに答えてた、
俺はよほどすごい人だと分かった気がした、
そして中に入ると其処には鉄の扉が有りノブは無くて、
代わりに赤い石が埋め込まれてる、
その石を師匠が触ると、軽く光ってドアが開き、
俺たちは師匠の後ろについて進むと、
其処は金貨の山が沢山出来上がっている石造りの奥に、
続く通路にも見えなくもない場所だった、
大量の木箱が散乱して一部は崩壊してて中身の金貨が漏れて散乱してる、
どう見ても奥までで全部で軽く枚数だけで見ても、
億に届く金貨の量だろうと思った、俺はそんな量持てないと思うが、
横で師匠が話し始めここに大量の金貨が有る理由を話して来た、
「ココは昔、エルフの街が国だった時に使ってた金貨の保管庫の1つでね、
奥まで続いてる、ここだけでざっと当時の国の1都市分って所かね」
と師匠は物置でも紹介するような言い方で云うが、
その内部に放置されてる金貨がココに無造作に散乱してる点で、
俺は何となく事情を察するが師匠は話を続ける話は予想通りだった。
「ここは我々エルフの国が衰退したので余って使わ無くなった金貨を、
使わないから、保管してるのさだけど久しぶりに…数百年ぶりだったか
まあ良いか、とにかく来たけど地揺れかねぇ?、
しっかり積んであったのがこんなに崩れて、このままでも困らないけど、
全部は入らないだろうが、半分くらいは入るはずだから、
必要な分入れて、そのバックに入るもので我々が必要そうな物を買って来な」
と言う師匠に言いつけられたが、
多少無茶言われても良いと言えるほどの金の量に、
俺は圧倒されたのだった、
なにせ木の箱の中で山に為ってる金貨が光りを反射して輝いてる、
更に箱は奥まで積み重なって散乱してるが大量に有り、
その金貨の量は計算できない程有るようで、それに目を奪われて居ると
「さあ、さっさと仕舞いな」と言う師匠にどやされ、
俺は急いでカバンを開けるといきなり俺の周囲でエルフの風魔法が発生し、
ココにある木箱数個から金貨が浮き上がり、
一気にマジックバックのカバンに入っていく、
まるで俺含め全部が掃除機の中に入った様な凄い強風だった、
結果として金貨は大体数千枚入ったかな?という量で、
俺はその金貨の量を空になった木箱から確認していて、
後ろに居る現地の人らが気になった不思議に思ったのは、
獣人組も王子組も金貨を触っても驚きもせず石を見ているように、
つまら無さそうな態度で普通だった事だった、
俺が不審がっていると師匠は察したのか話してきた、
「皆、金貨というか貨幣自体を見たことが無いのさ、
ここはもう物々交換だからね」と寂しそうに言う、
確かに国が無くなって金貨の価値も知らない世代のエルフと、
使った事が無い以前に知識がない半野生生活をしてる獣人が居る、
その国だった時からの少なくなっていく知識や、
人に師匠は寂しさを浮かべてるようだった、
俺は其処からバックに入れられるだけの、
金貨をカバンに入れて街に戻ると師匠から言われる、
「さて、準備に必要な道具は用意したが肝心の本人の訓練が出来てない、
さあこれからみっちり土魔法とギフトの訓練を使用じゃないかい」
と師匠が笑い、
取り敢えずその日は只の走り込みで終わった、
横になったのは夜の10時とか、
それまで走れと言う師匠は異常だと思った夜だった。
何を仕入れて来るにも収納の魔法カバンは使えそうだが、
それ以外の魔道具やスキルが使いないと、
買い出しに支障が有るだろうと言う話しになり、
使えないと意味がないと、
突貫のスパルタ式な魔法授業が俺に行われる事が決まった、
観客は集まって来た人を恨む樹人と言う木の姿を少し残した、
人種族や獣人たち、中にはリスやうさぎ系の小さな獣人から、
どう見てもケンタウロス系な獣人さんが2人居て、
男女で種族から「生き残れ」と言われて助かった生き残りや、
黒いコウモリ風な羽の有る獣人さんで、
夜を利用して逃げてきたコウモリ系獣人さんで、
魔族とよく勘違いされて討伐され種の存続が、
彼女に掛かってるとか言う話で、
俺がその人達を救わないと種が滅んでしまう、
危機まで有る状態だそうで、皆、俺を恨む目つきで見る反面、
急に出てきた俺によって、
食料や塩等の生きる糧が手に入るかどうかと言う話が出て、
少ない食料が増えるかどうかの瀬戸際なので、
彼らも無駄な喧嘩等を吹っかけて来たりもせず、
逆に俺に早く魔法を覚えて食料を買って来い、早く買いに行け!
と連日言って来る、
「早く覚えろ人族!」とか俺への応援風な声が罵倒レベルの言い方で、
俺に浴びせられる中で、
俺も必死でもがく、何せ覚えれば面白そうな[魔法]が使えるし、
彼らからも喜ばれるかも?しれないから応援だと思って
罵倒も受け入れて行く、
「さて、良いかい教えるけど、呪文ってのは、適当でも良いが、
心の底から使えると信じ込んで無いと正確に発動しないから、
神に祈る気で魔法を使いな!」と
エリー師匠の具体的な方法は一切無しな精神論から始まった講義を、
受ける俺、
そもそもエルフは、生まれた時から精霊の加護と言う支援のせいで、
誰でも当たり前に魔法ってのは使えるから、
師匠は丁寧に、かつ人の支える方法で教えた事が無いらしい、結果、
エリー師匠の指導は厳しく体育会系な、「ガット行けガット!」とか、
「もっと魔力を練るんだよ、ぐっとねぐっと!」とか気合系の教え方は、
俺には酷くて詳しい説明が一切ないので分からない、
そこで俺は仕方がないとエルフの王子の部下経由で、
精霊魔法でない魔法が使えると聞いた獣人たちに説明を求めた、
「なあ頼む、もう少し分かり易い説明が出来る人を紹介してくれ」
と俺が頼んだら、
「仕方がねえな、こいつに掛かってるとエリンマンティーヌ様も言っているし、」
と獣人たちの話し合いの末、
一番説明が上手そうだという元教師のメリリッサさんに決まった、
そして結果として夜になると、
俺はコウモリ系獣人のメリリッサさんに説明を聞くことになった、
仲介してくれた猫獣人のギーニャによると、
「まあ、こいつは見た目一番人に近いしお前と同じで土魔法が使える、
それに多分昔奴隷の時に教師だったって言ってたから教え方も旨いだろう」
と言われて俺は恥も外聞も気にせず助けを請い。
「お願いします、俺魔法使って見たいんです、
それに結果としてみなさんが助かるのであれば良い事じゃないですか!」
と言うと、「そうですけど、怖くないですか?」と言われ、俺はついうっかり
「いいえ?、普通に背中に羽を持ってるって凄くカッコ良いと
俺個人は思いますよ」
と言ったら「そ、そんな事言われると…思わなかったです~」
等と言いながら一時フリーズしてしまった、
おそらくそれほどこっちの人族はひどい偏見で罵倒が当たり前なのだろう、
結果彼ら獣人や他の種族さんは、
そう思われるのが当たり前なので逆に驚かれたらしい、
異世界に来た地球人である俺には、
嬉しいのか嫌なのか分からなくなった状況で泣かれた、
ギーニャ曰く、
「普通そんな事言う人族は居ねえよ、普通は罵倒するか怖がるしな」、
と彼女は別の意味で俺に好かれたと最初怖がって居たので、
ギーニャが見張り的に居たが、
俺が魔法について話を聞いてる間に結局室内で、
すぐ猫のように丸まって寝てしまうので、警備には為ってない状況だった、
だが俺はその時は楽しく魔法の概念や制御方法と使う時のコツを、
楽しく基礎から学べ習うことで習得していった。
結果はすぐ出た、
誰が師匠かわからないレベルで彼女の魔法の知識は凄く博学で、
元教師は伊達では無かったようだ、
ただその知識の元となった欲求の理由は、
残念ながら人族に対抗する為に必死で学んだ結果だという話だった、
俺に夜、教師である彼女が。
「こんなのは貴方に関係ないって分かってるんだけど、どうしても怖くって」
と元奴隷だったからか怖がられつつ、
俺は必死で「ココの人と違うからね」と言い続け、
この世界の人族を罵倒する気持ちを押えて必死で学んだ、
その結果判明した事は魔法とは、
心の保ち様で様々な変化をすると言う事だった、
つまり蛇口をヒネるように力を込める気でやると決まった力しか出ず、
行きよい良く出すには、
手足の力では無く信じるかどうかというか、
哲学的な意志の力が必要だった、だが其処は異世界、
周囲に人と違う種族が居るため、
俺は異世界に居ると信じ切ることが出来たせいか、
知り合う種族や人の数が次第に増えるにつれ、
魔法の習得する入出力から力の大小までの制御の力が次第に上がって来た、
一番上った理由は、
[原理として~]と、根幹的な理由を教わったおかげだった魔法とは、
やはりこの世界の人の体内に湧き出る魔力を使って、
この世界に出る魔力を集めて、
制御する力だと知った時が一番習得の早まった次期だった、
エリンマンティーヌ師匠が俺と宝玉を魔力とか、
当時理解していなかった時に宝玉に俺を繋げた時に体内に出た、
不思議な違和感が魔力だと知り聞けば俺の体内で出来る魔力とは、
宝玉を通じて体内に魔力の出る泉の様な物を、
生み出す契約をすると体内で持続してずっと出るらしく、メリリッサ曰く、
「自然界の魔力を使える宝玉との契約は人で言うと、
税金を納める代わりに請けられる、
公共な力の事だと理解すれば分かるかしら?」
と少し影のある顔で言われた、それを俺は、
[ああ魔力って、対価とか何かの権利だと思えば早いか?]
と思った時からが理解が早く進み、
使える魔力の制御は脳を絞る様な苛立ちが起きる程の細やかさで使うと、
格段に扱いが上手くなると俺は知った、
要は繊細なピンセットでトランプタワーを作る様な、
力の細かな入れ様だと知り、
分かる度に心が疲れるが、その分習得はどんどん進んだ、
結果として土魔法は大体ココで出来る範囲の大きさまで、
魔法はすべて習得したし逆に細かな制御は、
土を制御して精巧な土の俺の住んでる地域都市の模型を作ったりして、
師匠から合格を貰った、
問題はそのエルフの師匠で有るエリンマンティーヌ師匠の、
土魔法の「合格」という言葉が出るまで、
俺の生活は、基本的に、住処は木のオリに入れられて寝泊まりして、
夜はギーニャに連れられてメリリッサに魔法の理論と知識を教わり、
朝晩の食事は捕まってた時もそうだったが、
ずっと食事が水に栄養が出ると言う草が沢山入ったスープだけで、
食事を出してくれる獣人さん曰く。
「人族が食える物だと、これでも良い方だよ」と言われた、
何でも獣人は異様に顎が強いので、
カラカラに乾燥保存してた獣肉や、
狩った魔獣の肉(軽い有毒が有るらしい)を食べたり、
獣人しか食べない草を食べる、
そしてエルフは基本人が食べない不思議な草や、
木の実を食べてると言う話を聞き、
俺は初めてココの食事情の実態を知り、
その時から俺は何かに取り憑かれた用に焦って居たのかも知れないが、
すごくやる気が出て
とにかく寝る暇も惜しんで必死で何かを成そうとしたのは、
多分ここの食事だけでも良くしたいと思うと同時に、
単純に怖かったのかもしれない、
俺が仕入れてくる予定の物資が手に入らず捕まったり殺されれば、
ここの人は[飢え死ぬ]と思ったからだ、その重圧も有るが、
何しろ俺の歳のせいか覚えが悪いのがより不安を大きくする、
受験や採用試験とか以来だと思う程だが、
齢も食ったおっさんが必死で学ぼうとすると、
ココまで時間が掛かるとは思わなかった程に吸収が遅いのには驚いた、
「齢って怖えよ」と俺が試験直後に言うと師匠が
「何言ってやがるんだい!私のほうが年上だよ!」
と精霊の土魔法で作った手が俺の尻をバチンと叩く、
これはまだマシな方で、
酷いと脛を叩かれる、痛すぎて立てない程で、完全に拷問である、
だがこうして魔法をマスターした俺、そしてスキルは、
思いもかけない感じで出来た、
それは「スキル行使!マンホール」と悪戯な感じで唱えた瞬間、
まるで昭和のアニメの魔法のイメージを引きずった感じで、
白い煙が小さく吹き出して「ぽん!」と、
アニメでよく聞く効果音が出た瞬間、地面に突然、本来あり得無い、
よく見る形の[マンホール]が異世界の土の地面に突如出現した。
魔法やスキルと言って頭では理解してるが、
体と目が拒絶する様に意味が分からない、
だって現実に出て来てるが物理的にはありえない、この矛盾に震えた、
だがすぐに好奇心が勝ち、
見ればそれは鉄製で見た目は標準の60センチ型マンホールだった、
見た目には普通有るはずの、用途や地名等を示す物が不自然と無く、
格子模様も国外のマンホールに見えた、
だが何故か規格が日本のサイズなのが不思議だ、
と思いつつ今度は「縮尺変化、大きくなれ!」と言ったら、
今度はマンホールが生きている様に、
グニュグニュと全体的に広がり倍近い大きさの140センチ、
どう見ても普通では無い、
恐る恐る触ると鉄の硬い感触で次第に触る部分を増やすと、
やはり硬かった、そして蓋を開ける為に、
俺が持ってたマイナスドライバーで、
無理やり開けるためにテコの原理で開ける、
本来この方法だとドライバーが折れたりして、1本死ぬ可能性が高いが、
フックが今は無いので仕方がない、と犠牲覚悟で脇の縁に挿し込み、
無理やり開けると、
中は普通のマンホールとは違い俺のイメージには無い空間だった、
何せ水道や下水雨水のどの穴でも無い、
周囲が白いが一部赤いレンガが見え隠れする、
不思議な四角い空間で、大きさは大体8畳ほど、
1人でゆったりサイズでは有るが、
何処にも通じていない只の地下空間だ、多分中に入って蓋を閉めれば、
1時間で酸欠で死ぬと予想できる感じに頑丈そうな空間だった、
蓋から地下の部屋まで、地面からの厚さは、
意外と厚くて持ってたメジャーで測ると40センチと程々な厚さで、
空間内はできたてと言った感じで壁が異様に白くて、
新しいレンガで不思議な感じがする、
正にファンタジーだった、そして俺が見た後は獣人達がこぞって見に来た、
何せ土魔法には無い金属の蓋付きの地下空間だ地下に住む住人も、
地下や狭い空間を好む猫獣人も居る、
気にしない奴は居なかった、更に興味を持ったエルフ達が、
地下の空間をひと仕切確認後、
マンホールの蓋に精霊魔法を掛けてみたいと言い出して、
持ち去って行ってしまったり、
その後返って来たマンホールの蓋は凹み歪んでいた、
師匠が「これはどうしたんだい?」と凄めば、耐久試験をしたと言う、
何でも敵に寝返った時を考慮して火の精霊魔法を使って爆破したそうだ、
結果は結構大きい城壁並だそう、
そして地下だが師匠曰く「こりゃ魔法空間だよ、分かるかい?
ココはアンタの居た世界でも無く、この世界とも違う、
別の世界との間にあるだろうと言われる空き空間だよ、
それを魔力で適当な空き空間に壁の部屋を作って形成してる、
恐らくこの壁の向こう側は何もないだろうね」
とか平気で物理的な意見を言うが、
俺は其処まで物理学とか詳しくないし、高校で少し知ってるだけだ、
色々言われてもわからないってと思いつつ師匠に反論せずに聞く、
「師匠このマンホールの魔法は俺の世界でも、通用するものでしょうか?」
と聞くと「そりゃ簡単さ、この世界とアンタの世界が通路という形で、
繋がってた物理で繋がってる以上は、
宝玉の力も含め契約している以上は使えるよ、
ただ何故繋がってるのかが分からないけどねぇ~」
と不信顔でいうが俺としては使えるのであれば、
理由はどうでも良いと思った、
かくして俺は魔法とスキルが簡単な物だけでは有るが
使えるようになったので、
金貨を入れたマジックバックと幻惑の魔道具を預かり、
神代の遺跡を掃除しておいて貰うことをお願いして、
通路に潜り帰還するため持って来た装備一式の内、
返却が必要な物と帰還に必要な装備を持って、
来た燃料管の有る通路を戻り進んだ、行き来に必要な日数は約3日つまり、
俺がこっちに来て3日更に魔法の習得や更に捕まってた、
日数も含めれば帰還に更に3日掛かると、
2週間居なかった事になり、
もし普通に帰ってもまず何処に言ってたか調べられて、
会社からの無断欠勤で首か、盛大な謹慎とかの罰則案件だろうし、
下手すると警察沙汰だ、行方不明で捜索されて、
山から普通に家に帰還してたとかで大騒ぎになった
ニュースに為った人と同じく、
俺も捜索費用を賠償する案件で大炎上待ったなしだろう、
と不安に思いつつも、
最悪会社辞めるだけで済めば良いなあ、
とそれとなく思いながら、重い足取りで通路を進む、
持って来たカートも押す力が何となく重い感じがする、
気の所為なのは分かってるが、
怖くてたまらん、と良い方面を想像して心を落ち着かせる用に、
気持ちを持っていく、
こっちには幻想の魔術具と金貨が約数千枚は有るだろうし、
金貨数枚を使っても、
それだけでも会社の社長と事務の女性を何とか買収・・・ケフンケフンッ
兎に角、どうにか出来ないかなぁと思って思案するがいい案が出ない、
一応持って来た非常食やら調味料のたぐいは彼らに渡してしまったので、
俺の帰りの分の食料は水だけだ、あの地域一体は水だけは豊富だそうで、
それだけは救いだと聞いた、そしてカートを押して戻ること2日半で、
予想より早く共同溝まで戻って来てしまった、
そして問題の通路から共同溝に戻ると、
「ああ、文明だ」と俺はつい口を付いて言葉が出たのに、
自分でびっくりしたが出た言葉は意外な言葉だった、
俺としては彼らのほうが精神的に進んでいると思うが、
こっちに戻って言葉として出て初めて俺は、
体が文明を欲していたのだなと理解した、
その直後、俺は地下を急いで出入り口に戻り地上で、
幻惑の魔術具を発動してみたが本当に効いてるのか判らないが、
そのまま普通に[さっきまで仕事してましたよ]感を出しつつ、
共同溝の記録台帳を見れば、何故か理由が判らないが、
俺が可怪しいのか台帳の最後の記載日が、
俺が潜った日からたったの2日しか経過してない日付だ、
「何故?」と思いつつ記載を残し事務所を出ると、
其処に俺が乗って来た会社の業務用のバンが停まってて、
そのままの状態だった、不審に思いつつ、スマホを起動すると、
何故かいきなりのエラー表示が出てフリーズ、
仕方が無く使いたいので再起動を掛け、
その間にバンに荷物を載せて運転席に俺も乗ると、
エンジンを掛けてスマホのバッテリーを充電するために、
先輩の誰かが置いたままにしてる
充電ケーブルで車のシガーソケットとつなぎす充電しつつ、
ある程度充電できたら即再起動したスマホからメールの受信音が為る、
車内でスマホを見るとどうやらスマホを作ってる会社からで、
深刻なエラーを感知しました、故障の可能性が有るので、
至急購入メーカーまで修理依頼して下さいとの自動メールが来た、
更に日付を見ればスマホの日付と時間が何故か俺が潜った日から、
2日間しか経ってない日時の表示だった、
そりゃ日付が2週間超えの表示をしてたスマホが、
電波の受けられる地上に出た瞬間日付に誤差が出れば、
機械はエラーに為るだろうただこの日付の不可思議現状は、
俺にとって有り難い誤算だ潜って2日仕方って無いと思えば、
会社への言い訳も聞くと俺は早速会社に戻った。
会社に戻ると、事務の女性が俺に向かって。
「あら~誰だったかしら、ええと、ごめんなさいね~思い出せなくって~」
と言ってきたので、すぐに幻惑の魔術具の発動を止める、
魔力を流して止める気持ちで、
スイッチを押す気分で居ると効力が止まる、
初めて魔術が効いたと俺は実感した、
その少しだけの高揚感が出たのか
「ああ、この数日地下に潜ってましたし先月から会ってませんものね、
俺です3区担当の柏木です」と少し笑顔で言うと。
「ああ~そうだった!そうだった!何で忘れてたのかしら私?」
とゆっくり思い出したように事務の女性が言ってくれたので、そこで俺は
[今回の通路は長く往復で2日掛かった]という事と
[通路の先は水没しててその先も地盤が崩落して行き止まりだった]
と報告書を提出した、
そして事務の女性に、気合を入れて言う
「実は私、暫く休暇頂きたく、と言うのも、
どうにも地下に潜りすぎて居るのが理由かも知れませんが、
体調が悪くって湯治に行こうかと思いまして」と言う、
湯治とは山間の空気の良い温泉地に長期滞在して温泉治療をすることだが、
この地下の世界で働く男の世界では、
意外と温泉治療をすると言う男が多いらしい、
特に皮膚病に聞く温泉は意外と地下で会う他社の人との話しに出るので、
この話を使わない手はないと言ってみた、
「あら~貴方も行くの?うちの会社でそう言って、
返って来ない人多いのよね~、
しっかり休職届けだして行ってね」と釘を刺されて、
休職届の書類に記載をして提出した。
こうして俺は晴れて休職の身だ、悪いがこの間は給料も出ないし、
多少の税制優遇は在るかもしれ無いが雀の涙程度だろうと吹っ切り、
取り敢えず借りた荷物を返しに行くので、業務の引き継ぎの一環だと、
事務さんに言い張りバンを借り出して、
借りたドローンを返しに行く前に一旦戻って、
清掃などをするために自宅で行う、
家で返却しに行く前に出来る範囲で、
しっかり掃除とデータの消去を忘れずに清掃と整備を行い、
データの入ってるカードを交換して新品にすると、
共同購入者のお宅に向かう、
その道のエキスパートな共同購入者の人に返すと、
「これ森林で使った?意外と見えないけど、ほらこことか、
回転部分の隙間とかこう云うカバーの隙間とかに花粉とか付くから、
気をつけてねまあ素人にしては悪くない良い整備だね」
と見透されてたらしい、さすがプロだ、
謝罪をすると「良いよ、一度バラして整備するのも醍醐味だしね」
と逆に断られた、そして俺は今度は車を返しに会社に戻り、
事務の女性に鍵を返すと。
「羨ましいわ~温泉とか何時から言ってないかしら~」
とか愚痴なのかなんなのか解らないという事にして
俺は作業着を返してすぐに帰る、
一応帰宅時には幻惑の魔術具を最小で発動させて帰宅する、
何しろ今の俺はマジックバックを家に置かず持って歩いてるからだ、
だってさ?金貨数千枚以上だよ数えられない程の金貨だよ、
家に帰って無くなってましたでは済まない、一応対策は考えて有るが、
検証が居る、それに、彼ら獣人の生活が掛かってるからね、
一旦帰宅する途中で、
住んでる最寄りのスーパーに寄り、冷蔵庫に入る、満杯になる量の食料を買う、
これは俺の食事用だ、これから各種手続きが居るから、
その間一々買い出しに行く暇もないだろうと思っての行動だった、
そして翌日からまずパスポートの申請のために役所を回る、
更に幻惑の魔術具を使用して見た目と身分を隠して、
都内で金貨1枚を宝飾品店に持ち込み鑑定してもらったら、
「これは凄いですよ!、あの古いディナール金貨より品質という面では良いです、
これは売れますね、ぜひウチに売って下さい」と言われたが、
「いやこれは大学の資料として借り受けてるだけでして、
一応普通に鑑定するとどうなるかという、
資料の制作の為に価格が知りたかっただけですので」
と適当に言って誤魔化し、
金貨1枚で約2万円から3万5~6千円で売れるが、
古い物と云う観点で行けばもっと高額に為ると言われたが、
其処は単純な価格だけ知りたかったので~と誤魔化して店を出る、
少し離れると「ええ~、これ凄いな、マジかよ」と小さい声だが思わず出る、
だって1枚で2~3万だよ、数千枚で普通に数千万円行くだろうこれ、
と思い出た言葉だ、
そして俺は帰り際に書店で海外の難民支援をした経験を本にした、
海外協力隊に所属してた人の出した本を買ったり、
[人が生きて行くのに必要な物]とかいうサバイバル物の知識が乗ってる
タイトルの本を纏めて数冊買って帰る、
彼らに支援に付いて知識が必要だったが、
これが意外と難しくて、ネットだと普通にすぐ出てくるが信用性が不明だ、
だからといって図書館で本を借りると履歴が残るので、
図書館で読める分だけノートに記録して帰るのでそれ以外の時間が使えず、
結果として高いお金を出して本を買った、
そしてパスポートの申請書類の発給申請から2日、
正式にビザ関連の書類が届いた、
これを持って発給申請をしにパスポートセンターに向かう、
一応今は都内住みなので申請は調査されたが、
直接だったおかげか即日発行だった。
こうして遂に俺もパスポート持ちと、
意外と自動車免許をとった時と同じ感覚で、
何か嬉しい物が在る、何だろう?と思いつつ次は海外だ!
とこの時は子供のようだった、
だが一旦家に帰ると何か普通に戻るもので、
買い物リストを制作すると意外と冷静に為る、
欲しい物は塩と各種ミネラル分が取れる物として、
海外で売ってる各種ビタミンのセットを大量販売してる業者をチェックする、
更に大量の肥料や種等の購入できる場所を確認するが、
これらを纏めて買える場所は国内では無く、
ビタミン剤だけでも一々資料を~とか店に登録を~とか
確認が厳しく買えない、
少量であれば普通に買えるが業者レベルだと厳しいみたいだった、
結果として一番良いのは武器以外であればアジア圏だと判断した、
インドや中華またアジアの各国も意外と売ってる、
こうして俺は都内で複数の店で50回程度だが幻惑の魔術具を使い、
身分証の記録を覚えて要られなうようにぼやかして金貨を売った、
これで登録こそされ防犯カメラにも写ったが
人の記憶だけは誤魔化して売った、
これで資金で84万円が確保できて一段落落ち着いたので、
各種こっちでの魔法のテストをする、
一番の理由は買った物がマジックバックに入らない場合、
持って帰れないのであの世界に持ち帰れなくなるからだ。