1,プロローグ
新作です。
ここで物語が始まる予定だったんです!
でも3000文字超えて4000文字近くなって・・・あ、これダメなやつだ。ってなったんですよ。
もしかしたら次話が投稿されてから読んだ方がいいかも?
・・・知らんけど
『キシシシシシ!』
その声が聞こえた時には、俺の体は吹き飛ばされていた。
「は・・早すぎ」
「お兄ちゃん大丈夫?!」
「あ、あぁ。それよりヤバくないか?こいつ。ボスって全部こんなんなのかね?」
「確かにやばいかも。けどさ、キヨ兄」
「ん?」
「そんなの関係ある?」
「確かにな・・・何故なら」
「「今ここで、貴様を殺す!!!」」
ーーーーーーーーーー時は少し遡るーーーーーーーーー
『おに・・・ん。・き・』
何か聞こえてくるな。でも眠い、まだ眠れるきっとそう。
というわけでおやすみなさい。
『おにぃ・・ん。・きろー!』
さっきよりもはっきりと聞こえてくるな。これは・・・セラの声か。
雰囲気的に起きろとかそんなことを言ってっぽいな。
とりあえず
「うぃ、もうおきるー」
こう返しておけばいいか。
というわけで再びおやすみなさい。
………ガチャ………
「おぉきぃぃろぉぉぉ!!!」
寝る気も失せる大声…………ここだ!
俺は掛け布団を動こさないように最小の動きで這うようにベッドから抜け出す。
俺がベッドから抜けるのとほとんど同タイミングでベッドから『ドスン』という音が聞こえた。
「フッ、同じ奇襲で俺に通用するとでも思ったか。甘いぞセラ!」
今俺が退避したベッドに頭から突っ込んでいるのは妹の聖蘭。そして見下ろしているのが俺……聖人だ。
「むぅ。お兄ちゃんなんで避けるの!」
「いや、その勢いで飛び込んでこられるのは流石に死ねる」
「いやいやいや、お兄ちゃんが全然起きてこないから起こしてあげようと思って」
「起きる前に死ぬよ!
まぁいいや。おはよう、セラ」
「おはよう!お兄ちゃん」
「それにしてもどうしたんだ、こんな朝に」
「どうしたんだ?っじゃないよ!にゅ・う・が・く・し・き!」
にゅうがくしき―――入学式?入学式って確か8日じゃ
…………ん?昨日って7日か?7日な気がするな。ということは―――
「セラ!いま何時だ!?」
「今は7時。まだ大丈夫だからご飯食べるよ〜」
寝坊したか?と焦る俺に、セラは気楽にそう答え部屋から出ていく。
確か高校は8時10分から門が開き、来た人から受験番号に対応する教室の席に座る。集合は40分までだったから、まぁ間に合うか。
というわけで俺もセラの後を追いかけていく。
朝ごはん含めて料理全般はセラがやってくれている。俺も料理が出来なくはないが、セラがやると言っているので任せている。
なので親が居ない俺は睡眠時間が長く取れてありがたい。
まぁ親がいないと言っても、家に住んでいないだけであって生きてはいるんだがな。
「「いただきます」」
ふむ。今日のご飯は和食か。俺とセラに米派、パン派などのこだわりはなく、セラのその日の気分で決まる。
まぁどちらでもセラの作る料理は美味しいからな。
『―――4月1日から4月7日までの国内新規感染者数が0、国外の感染者を見ましても合計で1000人にも至りませんでした。今後の新型ウイルス『AD』への対応はどのようになるのでしょうか?専門家の鈴木光司先生―――』
中学の社会科のテストに時事問題が出てそこでかなり点数を落とした俺とセラは毎朝食事の時間はテレビをつけてニュースを垂れ流すようにしている。
それにしても
「新規感染者数が7日連続で0だってよ」
「ふぅん…マスク生活も終わりだとといいね」
「あぁ、それにしてもほんと急になくなったよな。確か潜伏期間が1週間って話だったから、3月25日にはウイルスがほとんどなくなったってことだよな?」
「あぁ〜、確かに。まぁ考えたってわかんないんだし、ラッキー!とでも思っておいた方がいいんじゃない?」
確かにそうか。専門家たちも連日原因について議論しているのだから、俺たちに分かるはずもないか
つまり―――
「つまり、神のみぞ知る。ってところだな」
「そだね〜」
「「ご馳走様でした!」」
「お兄ちゃん覗いちゃダメだからね?」
「覗かねーよ、ほれさっさと着替えてこい」
「はーい。私の可憐な制服姿を想像して待っているがいいさ!」
セラはそういうと足早に自分の部屋に入っていった。
可憐―――可憐かぁ。セラは結構活発だし、朝の起こし方的に可憐ではないような・・・
まぁいいか。俺も着替えてしまおう。
俺とセラが行く高校は公立で中学校の制服とさほど変わらない。
俺は慣れ親しんだ中学の制服のようにささっと着ると、リビングに筆記用具とスリッパ等を入れた鞄を持ちセラを待つ。
待つと言っても、うちの高校は化粧系は禁止されてるのでそこまで時間はかからないだろう。
特にすることも無く待つこと数分
「お兄ちゃんお待たせ!どう?」
部屋に入ってきて早々『エッヘン』と効果音が付きそうな感じで胸を張って制服姿を見せつけてきた。まぁBカップ(本人曰く)でほとんどないような胸なの――――っっ。俺は実の妹に対して何を考えてるんだ。
思考を紛らわすために1度両手で両頬を叩いておく。
「お兄ちゃん?似合って・・・ない、かな?」
「へ?い、いや似合ってるよ?すごい似合ってるよ。似合っていて思わず見惚れたといいますか、なんといいますか・・・」
「そっか!ありがと。お兄ちゃんもなかなかいいんじゃない?」
「あんがとさん」
どうやら変な方向に逸れた思考を戻すための行動がセラを不安がらせてしまったようだ。
とはいえ、どうやら俺の苦し紛れの言葉で満足してくれたらしい。
ちなみに俺の制服姿はどこにでもいるようなモブのそれだったので(鏡で見て見た)妹アイは少しズレているらしい。
「っと。セラそろそろ行くぞ〜」
「了解!」
別に時間はまだあるのでもう少しゆっくりできるけど、入学式なので早めに着いておきたい。
現在の時間は7時55分。戸締りなどすれば8時になるだろう。
家からは歩けば10分程の距離の高校に入った俺たちは、セラのたっての希望もあり徒歩で通学することにしている。
まぁこの距離で自転車に乗るのもあれだし、部活に入る気もないからちょうどよくはあるがな。
というわけでセラと手分けして戸締りの確認をしてしまう。
「「いってきます」」
「「いってらっしゃい」」
この家に住んでいるのは俺とセラの2人、家から出る時はだいたい2人一緒なので、いってきますといってらっしゃいを同時に言うようにしている。
鍵を閉めて閉まったか確認するために1度ドアを引いて・・・
「よし、閉まったな。それじゃあ行くか」
「うん!」
「そういえば俺たちのクラスには知り合いが居ないんだったか?」
「う〜ん、そうだね。まぁ学年全体で見ても少なくはないけど多くもないって感じだしね」
「まぁ近いからって理由だけで選ぶもんじゃないしな」
「選んだ兄妹もいらしいけどね〜」
「うっさい」
暇を紛らわすためにセラと雑談していると俺たちのクラスに友人が居ないことを思い出した。
俺たちが入学した常塚高校は偏差値50と可もなく不可もなくといった感じで普通だ。いわゆる自称進学校と言うやつだな。
つまり滑り止めとして第2希望で受けはしても、第1希望で受ける人は少ない。まぁ友人が少ないのは中学の友人は大体が私立の推薦で受かった。というのもあるが。
そんな感じでセラと友人ができるか?と少し心配しつつ話しているうちに高校に着いたようだ。
校門から見える位置にある時計を見ると8時13分。
「やっぱり早かったかな?」
「確かにそうかもな」
というのも周りを見ても登校している人が全然いない。普通はもう少し遅く来るものなのだろうか?
「まぁ早くて困ることは無いだろうしさっさと教室に行くか」
「そうだね。それはそれとしてお兄ちゃんと同じクラスでよかった」
「ん、そうか?確かに知り合いが全くいないクラスはキツいが」
「ぶー、(そういうことじゃ)」
他の高校がどうなのかは知らないが、常塚高校は合格者説明会の時にクラス発表も行われる。
入学式までの流れは
①教室に向かう
②担任の先生が入ってきて担任の先生の自己紹介
③担任の先生に先導されて体育館に向かう
④席に着き入学式
と言った感じだ。
「俺らのクラスって4組だったよな」
「うん。確か2階だったよね」
「だったと思う」
下駄箱に靴を入れて、スリッパに履き替える。
階段を上がると入学式だからか『4・5・6組はこちら』という看板があった。
「お兄ちゃんこっちだって。・・・お!あれじゃない?ほら、4組って書いてあるよ!ほら早く早く!」
「そうだな。そうだからちょっと落ち着け。少しみっともないぞ」
テンションがすごい上がっているセラに注意しながら駆け足で追いかける。
「と、セラ待て。まだ入るな、コレ見てみろ」
早速教室に入ろうとしていたセラを引き止めて壁にはられた1枚の紙を指さす。
「ん?どうしたのおに・・・あぁ、座席表!」
そう座席表。これ見ずに入って適当に座ったらかなり大変なことになってただろうな。
俺の苗字は黒猫・・・『く』だから結構前の方に―――
「お、あったあった。左から2列目の前から3番目か」
「私はお兄ちゃんの後ろだね」
「へー、高校だと男女で番号別れないのか」
「あー確かに。でもお兄ちゃんの近くに絶対なれるから、私的にはオッケー?」
「そうかよ」
少しいたたまれない気持ちになったので、さっと教室に入って自分の席へと向かう。まぁセラは俺の後ろだから場所が変わるだけなのだが。
教室に入ってみるとやはり早すぎたのか誰もいなかった。
「やっぱりもうちょっと遅くても良かったんじゃない?」
「う〜ん、早めの方がいいと思ったんだけど、この光景見ると確かにそうかもな」
「そうだ!担任の先生どんな人か予想しよ―――」
こうして他愛もない話をしつつ数分。
少しずつ入ってくるクラスメイトを目に高校生活が始まる。
――――――少なくとも今はそう思っていた。
入学式去年のことなのに全然覚えてなくて参考にならない罠。
ね?ウイルスでしょ?これコロナの前に練ってた作品案なのよ。よし投稿しようか・・・コロナで大量死亡。あ、これだめだな。って感じで封印してました。
『ADウイルス』とコロナウイルスは全く関係ありません。
ちなみに『ADウイルス』の発祥の地―――発祥の地であっているか分かりませんが―――はイラクとかそこら辺だとか