「雪だるまモフモフ」
ぼくは雪だるま。
とおるくんが作ってくれた雪だるま。
名前は、まだないと、思う。
でも、道端に作られたぼくを見た人は必ず「?」顔をする。
何でだろう?
ぼくの表情は変えられないけれど、ぼくが「?」を浮かべたくなる。
だってぼくは普通の雪だるま。
それなりの大きさの頭にバケツを被って、黒い碁石の目。
人参の鼻に、木の枝の口。
ね、普通だろう?
頭よりは大きな胴体に、木の枝に手袋を付けて。
やっぱり普通。
マフラーだって巻いてるさ。
やれやれ。
今もまた、女子高校生が「映える~」とか言って写真撮ってった。
とおるくんは、ぼくを至って普通に作ったのにさ。
モフモフした雪だるま。
それがぼく。
ね、至って普通さ。
こんな雪だるま、いくらでも居るだろう……?
お読み下さり、ありがとうございました。