1-3 牛丼物語
!!毎週月曜日!!
!!『 20時 』投稿!!
真夜中、深夜2時、草木さえも眠るといわれる時間に、僕は、桃色ロングヘアーの軍服ガーターベルト少女と呼ぶには身長が小さいフワ・ルリルと一緒に食事をとっていた。
この少女を見ていると色々と性癖を盛り込みすぎだろといった見た目に度肝を抜かれる。
特に言う意味はないが、ルリルは巨乳ではない、断じて!!
それはもう、素晴らしき絶壁、まな板のほうが大きいのでは?と思うほどにスラスラなのである。
まさに、『ストン......』という擬音が似合うであろうその胸にはいったい何が詰まっているのか。
そう、そんな少女は今!!
僕のなけなしの貯金で買った某有名店の牛丼を食べていた!!
とてもおいしそうに食べる姿はまさに、歳相応の表情であり。僕が作ったわけでもないのになんだかうれしくなる。
「こちらの料理は美味しいのですね」
「それは、よかった」
僕はそんな彼女を横目に、みそ味のカップ麵を啜っている。
「はい、この甘めのタレがよく染み込んだ牛肉?となんの野菜なのかは分かりませんが程よく歯ごたえがあるこれがほどよくご飯に絡み、とてもおいしいです。私の世界でこんな料理を食べるのはそれこそ、軍の上層部か資産家の人たちぐらいでしょう」
サラッとルリルのいる世界の闇を感じさせてくれる発言をする。
「そうなんだ」
「ええ、戦争が始まってからはよりその格差が激しくなりましたね。貧困により食事をすることすらままならない子たちもいます。だからでしょう、国による徴兵を断れないのは。兵士になれば少なくとも食事と寝床にはありつけますし......それに......いえなんでもありません」
ルリルはそう言って、言葉を一瞬、詰まらせる。
「気になる言い方をして話を止めるね」
「そうですね、すみません」
ちょっと、意地悪をしたみたいになってしまった。
「ごめんごめん、責めてるわけじゃないんだ。少し、気になったから」
ルリルは、その小さな体にいったいどれほどの重みを抱えているのか。
戦争なんか経験をしたことのない僕には想像のしようがなかった。
ここで、下手に安直な言葉をかければ「あなたに何がわかるんですか?」とか言われそうだし。
それに、いくら周りが言葉をかけたとしても所詮は他人事、どこかその言葉には重みが宿っていないと感じ取られるだろうし。
それより、どうしよう?
ルリルは見た目13歳ぐらいの少女、こんな少女が、20歳無職男性と一緒にいるところなんて見られたら、下手をすればご近所さんから警察に通報されるかもしれない。
そんな一抹の不安を抱えながら寂は、明日の自分へすべてを任せ、眠りにつくのだった。