その45 《テーマ・漫画》 『少年マンガのよくある展開』についてうすく語ってみる③
話を主人公に戻します。
成長の過程で、最初は10の力しかなかったボールはトモダチ少年は、幾度かのパワーアップをしていきます。
最初の壁は大学生です。
高校生達と練習を続けていた時点ですでに戦闘力が100前後になっていたボールはトモダチ少年と天才キーパー君でしたが、大学生を倒すために命がけの特訓をします。
そして死の瀬戸際で手に入れた力が、1,000コスモ(?)のボレーシュートです。
次に、FCシュウアクを倒すためにSCナントカに加入したボールはトモダチ少年達は、命と引きかえに10,000コスモ相当の伝家の宝刀オーバーヘッドキックを手に入れます。
ここまでで、最初から1,000倍のパワーアップです。
たかだか10程度で天才と呼ばれていたことが、ちゃんちゃらおかしくなってきます。
その後で、Jリーグ制覇、アジア大会の優勝、そしてラスボス、メッッシーを倒す時に、今までの特訓は何だったのかと思えるような、いきなりの覚醒と超能力を手に入れます。
わずか二年あまりで、
初登場時・10→
高校生編・100→
大学生編・1,000→
対FCシュウアク戦・10,000→
Jリーグ編ラストパラメータ・1,000万(ブースト時はアジア最強の5,000万となる) →
対アメリカ代表戦・1億→
ワールドカップ編・10憶、ブースト時100憶コスモと推移していきます。
10 初登場
100 ~
1,000 ここまで小学五年生(一年で100倍パワーアップ)
10,000 ~
10,000,000 ~
50,000,000 ~
100,000,000 ここまで小学六年生(一年で100,000倍パワーアップ)
1,000,000,000 ~
10,000,000,000 ここまで中学一年生(二年で100倍パワーアップ)
です。
天才キーパー君もおおむね同じ成長率で、ボールはトモダチ少年と力を合わせて、メッシーを倒します。
最終的に、二人とも初登場時の10億倍ものパワーアップをしました。
ついでに小学校の時に突然転校してきた、もう一人の天才少年も、二人の八掛けくらいのスキルで追従してきて、トリオで最後まで行動することになります。
これだけでも充分おかしいのですが、もっとおかしいのは、この三人の成長につれて、顔面ヘッド少年も、
初登場時・2→
高校生編・20→
大学生編・200→
対FCシュウアク戦・2,000→
Jリーグ編ラストパラメータ・200万→
対アメリカ代表戦・2,000万→
ワールドカップ編・2憶、ブースト時20憶と、順調に推移していくことです。
2 初登場
20 ~
200 ここまで小学五年生(一年で100倍パワーアップ)
2,000 ~
2,000,000 ~
20,000,000 ここまで小学六年生(一年で100,000倍パワーアップ)
200,000,000 ~
2,000,000,000 ここまで中学二年生(二年で100倍パワーアップ)
です。
期待してなかった分、こっちの成長率の方がさらに信じがたいことになっています
ごく普通のサッカー少年だった顔面ヘッド少年が、二年かそこらで、神や悪魔を倒し、もとい、代表入りしてしまうのですから。
あれ? ありそう?
とにかく全員がたった二年でほぼ神のような存在にまで上りつめました。
同じ中学校の仲間達は、いまだに1弱のままです。
ファーストガンダムあたりと無理やり比べると、その異常さがよくわかると思います。
大地に立ったばかりのガンダムにやられた最初のザクのパイロット値を、ごく標準的な1とします。
アムロは、ビギナーズフロックとガンダムの性能を加味して、2です。
赤ザクに乗ったシャアは、単身で戦局を変える力があるので、10くらいと予想します。
この時点ですでにシャアは、一般兵士のザク十機編隊に相当する、超スーパーエース級です。
強キャラ、ランバラルを倒したあたりで、アムロは5くらいのスキルになっているはずですが、まだまだシャアには及びません。
経験を重ねて、オヤジさんと再会する頃には、なんとかシャアとどっこいどっこいくらいにはなっているはずです。
お互い成長しているので、15ずつくらいでしょうか。
それがララァが出てくるあたりでひっくり返ります。
最新鋭機のゲルググを操るシャアでもいいところ20程度ですが、マグネットコーティングを施したガンダムはチート級の100くらいまで一気に跳ね上がります。
初めて乗った時の50倍です。
その後ニュータイプとして覚醒したシャアも、バランスブレイカーのジオングを得て100となります。
そこで打ち止めです。
そんなものでしょう。
ボールはトモダチ少年の100憶に比べると、シャアやアムロの100なんてたかだか高校生編レベルです。
でも現実的に考慮すると、100倍の戦力差はすごいものなのです。
ロシアの最新鋭戦車100台を、スーパーエースが操る自衛隊の10式戦車1台ですべて返り討ちにするわけですから。
しかもほぼ無傷で。
宮本武蔵でも上策を用いなければ不可能でしょう。
シャアが操縦する魔改造されたラプター一機で、原子力空母が率いる空母打撃群をまるまる全滅させることもできます。
とにかくすごいインフレなのです。
意図的に派手な数字にはしてしまいましたが、最近の少年バトルマンガには、これくらいのインフレを感じてしまいます。
連載上の都合とはいえ、伏線のない後出しだから、余計にそう感じるのかもしれません。
最初あたりのザコだった頃の主人公に助けられた人達は、もっと上位の人達に助けを求めておけば、もっと早くゴタゴタが解決していたのではないかと思ってしまいます。
どうせ出てくるならもっと早く出てこいよと思います。
いっても相手にされなかっただろ、ということなのでしょうが、最初は知らんぷりしていたくせに、後から後からぞろぞろ出てきなさんな、って感じです。
これを野球にたとえると……
もういいですね。
ということで。
ではまた。




