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その36 《テーマ・ノンジャンル》 『ネコ舌』についてうすく語ってみる



 猫舌です。



 熱いものがとにかく苦手です。


 過敏症である上、皮膚もかなり薄いのでしょう。


 店屋だと、お腹がすいていても熱くて食べられないジレンマとの戦いになります。

 つらいです。


 友人達と食事にいくと、同時に皿を出されても、スタートで出遅れます。

 特に麺類を頼むと、かなり待たせることになります。

 五目ラーメンを頼んだ時も、ひどい目にあいました。


 食べるより速いペースでナカミが増えていきます。


 からあげ定食を頼んだ友人の背中がどんどん遠ざかっていきます。

 こっちが汗だくになりながらなんとか麺だけを食べきった時、彼は余裕の表情でアフターのコーヒーを終えていました。

 コーヒー飲む? と言われても、もうこれ以上熱いものと戦う余力がありません。

 野菜の大半とスープを放棄して、敗北感に打ちのめされながら店を出ました。

 思えば、五目ラーメンを頼んだ時点で、負けフラグが立っていたのでしょう。


 ちゃんぽんなんて怖くて注文できません。


 鍋でもおじやの段階で、かなりふやふやの状態にならないと食すことができません。

 おかげで食べても食べてもなくなりません。


 負のスパイラルです。


 だから外食で注文する時は、なるべく熱さの影響を受けにくいものを頼みます。


 熱いと味もわかりません。


 大好きなからあげも、しばらくたってから食べた方がおいしいと感じています。

 居酒屋で食べるアツアツのからあげをおいしいと感じたことがありません。

 冷めるまで待っていると、他の人に全部食べられてしまいます。

 もう一回頼んでも同じことの繰り返しで、待っていると永久に口にできません。

 だからアツアツの状態で、口の中をヤケドしながら我慢してたべます。

 全然おいしくありません。


 負のスパイラルです。


 熱いものを食べ合うと不利なので、焼肉とかをほぼ生肉状態でいただくと、よく焼く派の友人達に卑怯者呼ばわりされます。


 理不尽極まりないです。


 食べ方は人それぞれ、おいしいと感じるタイミングも指紋や声紋同様、世界に一人としていない説をとなえてみます。


 同じものを食べるのに、しょうゆかソースだけでなく、方向性の異なるマヨネーズや酢をかける人がいるのですから、アリでしょう。


 家でラーメンやうどんを食べる時は、年中出しっぱなしの扇風機の前に置いて、風力全開にして冷ましながら食べます。

 だったら冷やしラーメンでいいかというと、そういう問題ではなくて、では自然に冷めてから食べればいいだろ、というと、それとも違う。


 出来立ての状態での、適温を求めているのです。


 職場でカップラーメンを食べる時もうちわで扇いで食べます。

 何やってんの、と言われますが、おかまいなしです。

 ノビるのが嫌で、少し濃い目に作っておいてから大量の氷で急速冷却をして食したことがありますが、何回かやってやめました。

 やっぱり冷めすぎていては、あまりおいしくないみたいです。


 アツアツの内にお召し上がりください。


 大きなお世話です。


 何時間も並んでさんざん待たされたあげくにそんなことを言われたら、ブチ切れて帰ってしまうと思います。

 でまえいっちょの方がおいしい、とかいうバカな捨てゼリフを言ってしまいそうです。


 だったらそんなとこに行くな、と言われそうです。

 だからそういうところには行きません。

 これも負の……。


 アツアツのものを汗をかきながら平気で食べつくす人には伝わらないと思います。

 でも同じ悩みを持つネコ舌ブラザースの人達には、必ず伝わるはずです。

 それだけで100わかるわ~、否、1000わかるわ~をいただけるはずです。


 コンビニで、お弁当を温めますか、といわれると必ず温めてもらっていたのですが、最近温めなくても食べられることに気がつきました。

 冷蔵庫に入れていた冷やご飯でもないので、やや冷めた程度の感覚でさくさく食べられます。


 大発見です。


 高校生の時は普通にこれくらいの温度の弁当を食べていたはずなので、何もおかしくはないはずです。

 べちゃべちゃのご飯はキツいですが、今時のお弁当のご飯はおいしいものが多いので、ネコ舌でお悩みの方は、弁当は温めるものという固定観念にとらわれず、ぜひ試してみてください。



 ということで。


 ではまた。




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