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道化たちの茶番  作者: 葵
1/1

ぴえろ。

拙作ですがよろしくおねがいします。


ぴえろは激怒した。

必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。


ぴえろは道化である。

ぴえろは主に魔獣とともに芸を行っていた。

その魔獣は、「ゴロリ」という名前のフェンリルであった。

フェンリルといっても齢15年の、フェンリルとしてはまだおさない子供である。


ぴえろは捨て子だった。

村の羊飼いがぴえろを拾ったとき、その卵と手紙が近くに置かれていた。

「フェンリルの卵は大変高価で売れるため、それを当面の生活費にしてください、この子をお願いします」

とだけ手紙には書いてあった。

確かに、フェンリルは戦闘面において優れているため高値で売れる。

だが、村の羊飼いはこう考えた。


この子は親に捨てられた。いずれ大きくなればそのことを悲しく思うこともあるだろう。

ならば、このフェンリルと一緒に育て、せめても親とのつながりを感じさせることがこの子にできる最善なのではないか、と。


それからそのフェンリルはぴえろと一緒に育てられた。

ぴえろが育った村は田舎だったため、同年代の子供はほとんど都会に引っ越して行ってしまっていた。

そんな中、ぴえろの遊び相手はゴロリだけだった。

ゴロリとぴえろの仲は言うまでもなくとても良かった。


ぴえろが8才のとき、ぴえろを拾った羊飼いの親戚一家が家に来た。

その一家の主、フォードはサーカスのピエロをしていて、ちょうど最寄りの街に来たので家に来たらしい。

無料でサーカスを見せてくれるということだったので、羊飼いと一緒にぴえろは街に行って見ることにした。


サーカスで行われる非日常な芸の数々に、毎日変わらない生活をしていたぴえろは目を奪われた。

そして、こう思った。


自分もピエロになりたい。


それから、ゴロリと一緒に来る日も来る日も芸の練習をした。

19才になったらフォードがサーカス団を連れてまたこの街にやってくる。

それまでに芸を完成させ、サーカス団に入れてもらおうという考えである。

特に他にやることもなかったので、ぴえろの芸はみるみるうちに上達した。


事件が起きたのは15才のときである。

戦争が起きたのだ。

村の老爺たちも戦争に駆り出され、死んでいった。


幸いにも、ぴえろは15才だったので徴兵されなかった。

だが、ゴロリは別だった。

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