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6 はるかに会いに行く

あれから飛空艇とバスを乗り継ぎ、生駒県茜市にやってきた。

バスの中で特殊能力者の事を聞いたけど、いわゆる超能力者のことらしい。

能力で小さな火をつけている記事がヒューマンブックにアップされていた。

この国では、能力の開発が盛んに行われているらしい。


しかし、この市の中からはるかをどうやって見つけるのか。

以前送り込んだ斥候プログラムで調べても、GPSは使用不可らしい。

私が困っていると、ひかるが話しかけてきた。


【マスター、警察の防犯カメラを覗きますか?】


「博士、警察の防犯カメラを使って、彼女を探してもいいです?」

「警察に気づかれないか?」

【問題ありません。】

「ひかるが問題ないって。」

「じゃ、頼む。」


【了解しました。

警察のホームページから防犯カメラのサーバーを特定、完了

防犯カメラサーバーのバックドアを調査。侵入不可。

所長のスマートフォン特定、完了。

所長のスマートフォンのアプリ不具合からの侵入、成功。

ホームページログイン情報を自動で入力されるか確認、入力された。

防犯カメラホームページログイン、成功。

防犯カメラデータダウンロード、完了

はるかと思われる画像抽出、完了、件数1056件

1番最近と思われるデータの抽出、完了。

マップに場所を表示します。】


どうやら無事はるかの場所を特定できたようだ。

一番最近カメラに映った場所だが、どうやら大学の近くらしい。

今は、授業中かもしれない。


博士と大学に移動してから、門で張り込む。

数時間後、ヒューマンブックで見たことのある女性が歩いて出てきた。

おそらく、あの女性がはるかだろう。


「はかせ、どうしよう?」

「ここは、俺が行こう。」


博士はゆっくり歩きだし、その女性に話しかけた。

「すいません、少しいいですか?」


女性はそのまま逃げ出した。


「え。」


呆然と立ち尽くす博士とわたし。


「博士、せめてサングラスは取ろうよ。。」

「くっ、不審者とでも思われたか。」

「そのまんま、不審者だから。」


【大丈夫です、彼女の生体電気データは入手しました。

半径1kmくらいであれば、電波によるレーダーで位置を追跡できます。】


なんと、そんなこともできるのか。

私は電気をいろいろ操れるようだが、いまいち使い道がわからない。

せいぜい、電気でスタンガンのような使い方しか理解していない。


さっそく、私たちは彼女を追跡する。

「女性から声をかけられるほうが、安心かもしれないな。

まどか、今度は君から声をかけてくれ。」


始めからそうすればよかった。

私は、走りながら声をかける。


「すいませーん、話を聞いてくださーい。」


彼女は止まらない。

しかたがないので、少し脅かすか。


「あなたの命にかかわることですー、私たちは敵ではありませんー」


ちらっと、彼女はこちらを振り向いて

その場で立ち止まった。はあはあと、肩で息をしている。

もう走るのは限界のようだ。


あまり近づかないように気を付けながら、博士が自己紹介を始めた

「私たちは、ニュージリア国のロボット工学研究所の者です。

話だけでも聞いていただけないでしょうか?

あなたは、テロの容疑者になっている可能性があります。」


いや、実際ニュージリアからはテロの首謀者となっているけどね。


【ひかる、今回のテロの情報を、この国とニュージリア両方から集めといて。】

【了解しました。】


少なくとも、数名の死者は出ているのではないか。

知らなかったとはいえ、本当のテロリストにスマホを乗っ取られ

テロの発信源にされたのだから。

まったく罪はないとは言えないかもしれない。


まぁ、その後、ニュージリアに攻撃させたのは私だけど。

それは、テロリストのせいにしよう。

うん、そうしよう・・・。


「あなたたち、なんなの?

命にかかわること?信用できないわ」


はるかが叫ぶように言った。

博士は、研究所のIDを取り出してみせる。


「あなたは、テロリストの首謀者として指名手配される可能性があります。

ニュージリア国に拘束される前に助け出そうとやってきたのです。」


その言葉をきいて、はるかは唖然としている。

「何言ってんのあなた達。映画の見過ぎじゃないの?」


私は、ひかるに情報をもらい話しかける。

「現在、ニュージリアで起きている自動車事故は、テロリストによる自動運転を悪用したものです。

現在、死亡者は2名のみですが、重症者けが人を含めると30人以上でています。

そのテロに使われたプログラムの発信場所が、あなたのスマートフォンなのですよ。」


はるかはようやく私たちがただのナンパとかではなく、

何か重要なことを伝えようとしている事に気づいたようだ。

博士がもう一度食事に誘うと、彼女はしかたなくついてきた。



彼女と、三人で近くのレストランに入った。

とりあえず、コーヒー3つ頼んでから今までの経緯を詳しく説明した。

全て話し終わった後、彼女はスマートフォンの中のメールを見て

私たちが本当のことを言っているんだと理解し、顔が青くなった。


「た、確かにその様なメールは受け取ってました。」

そう、ウイルス付きのメールである。


「そのメールはクリックするだけでウイルスに感染してしまうの。

まったく新種のウイルスだったので、駆除の対象にもならなかったのね。」


もちろん、彼女のスマホにもウイルスを駆除するアプリはインストールされていた。

これでは、防ぎようのなかったのは間違いないだろう。


「でも、なんで車への攻撃だけだったのが、突然防衛省を攻撃し始めるのよ。」

「それは、わからないわ。。そのようにプログラムされていたのかも。」


しらを切る私と博士。

真実の情報まで与える必要はないよね。

彼女を守ってあげるのだから、それでチャラと言うことで。


「とにかく、あなたの選択肢二つ。

ニュージリアに拘束されて無実を訴えるか、

真犯人を俺たちと一緒に捕まえて、無実を証明するかだ。」


「でも、何故あなたたちがそこまでするの?

メリットも何もないと思うのだけれど。」


「。。。」


やばい、まさか自分達が防衛省を攻撃して、そのせいで彼女が国から追われる立場になったから、その負い目から援助しようと思ったなんて言えない。博士も困ってる。


私が困って黙っていると、博士が苦しい言い訳を言った。


「そ、それは、あなたを助けるためです。」


「。。。ぽっ」



おい、何故そこで顔を赤くする。。

相手はおっさんだぞ。



週に1話目標にしてたけど、結構書けてるな。

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