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5 ゴル・カントについた

私のサポート役、人工知能プログラムの名前が決まった。

ひかるという。

女の子だ。


まあ、相棒なら男より女がいい。

友達感覚だけどね。


早速、私はプログラムをインストールし管理者権限で実行する。

一応外部からのアクセスは禁止してある。


私はひかるに心の中で呼びかける。

ひかる?聞こえるかしら?

【はい、聞こえます。ご主人様。】


初めてひかるの声を聞いた。

しかし、ご主人様ってのはやめてほしい。


【では、なんとお呼びすれば良いでしょうか?】


あ、そうか。

心の声も伝わってしまうのか。

プライバシー的にはどうなのだろう。

まあ、分身の様なものだから良いか。


【えーと、ひかる。ひかるに話しかける会話モードを作成したわ。

通常は、このモードで話した時のみ返答をお願い。それ以外をスルーに。】


【緊急時や、私が困った時は状況に応じて発言してね。】

【了解です、マスター。】


【とりあえず、マスターで呼び方は良いとして。

事故もあったし、全身の損傷などないかチェックして】

【過去のデータより、ふくらはぎから膝の部分に3%ほど損傷がありました。

現在は回復しております。骨にも異常ありません。】


どんだけ私って丈夫なんだ。

この際だから、自分の詳しいデータを調べてみたいと思う。

【ひかる、私の身体データを詳しく教えてもらえるかな?】

【了解しました。まどか様の身体データを報告します。

身長160センチ、体重120kg、

骨格は人間を模写。

材質、ダイヤモンドコーティングされたチタン骨格。

チタンは溶解、鍛造されています。

皮膚、筋肉は人工生成物です。

皮膚、筋肉ともに自己再生機能あり。


エネルギーの出力、核融合炉により約7000万kwhで安定稼働しております。

使用燃料、海水より抽出した重水素。超高圧圧縮により液体として搭載。

補給なしの最大稼働時間、約100年。

cpuは100万量子ビットチップ、マザーボードに光集積回路を使用してます。】


ひゃ、120kgだと!?

女の子の体重としては、大きな声では言えない。。

それ以外はよくわからない。

要するに、わたしつえーーってことか。


もうすぐゴル・カントに到着するとアナウンスが流れた。

私は、ヒューマンブックで得た情報をひかるに渡してからお願いする。


【詳細なデータありがとう。

あと、この女性のデータをできる限り集めておいてほしいの。】

【了解しました。】


「博士、ひかるかなり便利。できる子。

まるで、私の分身ができたみたいよ。」


「それはよかった、俺ももう雷を落とされなくて済むかな。」


「ご、ごめんなさい。」


博士に雷を落としてから、どうも頭が上がらない。

でも、あれは不可抗力だと思う。


飛空艇はゆっくりと高度を落としていき、空港へ着陸した。

緯度はほぼ変わらないこの国は、ニュージリアとあまり気温も変わらない。

よく晴れた青空、ゆっくりと頬を流れる風も気持ちいい開放感がある。


博士はというと、白いコートにグレーのズボン。

上半身はワイシャツだろうか。

頭は剃っているのかツルツルである。

ネクタイはしていないラフな格好で、黒のサングラスをかけている。

ファッションセンスは無いであろう私には、

かっこいいのかよくわからない。

半分は機械だと言ってたが、外見からは全くわからない。

普通の人間である。


「さて、久し振りの故郷だが、こんなタイミングで戻るとは思わなかったな。

その女子大生という子を探して保護しないとな。」


博士がそういうので私はひかるに聞いてみた。

【ひかる、例の彼女のことでわかったことがあれば教えて。】

【はい、報告いたします。】

【あ、少し待って。博士とも情報を共有しよう。】

【了解しました。では、博士も含めて三人のみのグループ回線を繋ぎます。】


え、そんなのがあるんだ。

初耳だぞ。

視界の右下にブルーのウィンドウが表示され、

そこには【グループ回線接続しました】の文字が表示されている。


【なんだ突然。】

博士が会話に入ってきた。


【博士なの!?博士と回線を接続するにはケーブルでの接続のみじゃなかったの?】


【返答します。ただ会話するだけでしたら、通常の暗号化回線を使用できます。

ケーブルでの直接接続は、マスターの機能の直接なアップデートなど

最高レベルの権限が必要な場合に限られます。。

また、絶対に誰にも聞かせられない会話などをする場合にも有効です。】


【なるほどね。】

【そういう事だ。説明が省略できて助かる。】

【さすが、ひかるね。それじゃぁ、女子大生の情報をおねがいね。】


【返答します。

インターネットでの情報と、一般に公開されている

ライブカメラの情報を入手しました。

今回は、警察の防犯カメラやセキュリティの突破が必要な

ライブカメラの情報は入手しておりません。

許可をいただけるのであれば、ハッキングをかけます。】


【詳細を報告いたします。

氏名、年齢不明。インターネットでの名前は、『はるか』と書かれています。

大学名は不明、本人と思われる画像は入手しました。

本人かどうかの判定は不明です。

インターネットの画像背景から、似たような場所を抽出しました。

よく立ち寄る場所は、東国生駒県茜市近辺です。

ゴル・カントはニュージリア言語での呼び名で、

此処の言葉では『東国』(あずまこく)と呼ばれています。

ちなみに現在地は東国の首都、東都です。

ヒューマンブックの内容から推察すると、彼女は特殊能力者だと思われます。】


【生駒県か。まだ遠いな。】


【博士、知っているところですか?

って、気になるところはそこですか!?

特殊能力者って何!?】


【行ったことはないが、有名なところではある。

丁度、ここから国内線の飛空艇が出ているはずだ。

それに乗るぞ。】


【いや、特殊能力者って・・・】


どうやらまた、空の旅に行くようです。













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