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4 私は、空港へ向かう

初めて感想をいただきました。

ありがとうございます。

初めてブックマークもつきました。

ありがとうございます。

私は博士の運転する車に乗って、空港へ向かう。もちろん自動運転なので行き先を伝えるだけで良い。途中で気になることを質問してみることにした。


「博士、さっきの武器はお前自身ってどういう事ですか?」

そう、私が武器だと言った博士の言葉が、どうしても気になって仕方がない。


「その事か。丁度空港へ行くまでの間に時間もあるし、話しておくか。」


博士は仕方なしに話し始めた。


「まず、まどかの体について話す必要があるな。んー、どこから話すべきか。まどかの心臓、つまり動力源について話すべきか。」


「動力源?」


「そう、まどかのエネルギーを発生させる場所だな。人間と同じように、心臓の場所にまどかの場合は常温核融合炉が稼働しておる。」


「え!?私、そんなエネルギーで動いてたの?」


「そうじゃ。核分裂と違って、燃料となる海水は山ほどあるしな。化石燃料と違って枯渇する恐れがない。まどかの体内には海水から抽出した重水素などを超圧縮した燃料も搭載してあって数百年は燃料の補給も必要ないのじゃ。」


「なんか、私の中がエラいことになってる・・・」


「その超膨大なエネルギーを使用して動かされる四肢は、当然超負荷がかかるため、これまた超ハイテク技術を惜しみなくつぎ込んだ人工筋肉細胞と人工皮膚細胞から作られている。どちらの細胞もサメの歯がもつ超再生能力遺伝子を組み込んでいてな、少し細胞が破壊されたとしても瞬時に自己再生する。なので、膨大な核融合炉からのエネルギーを100%手足に伝えることが可能だ。」


「・・・・・・・」


「ここまで言えば、もうわかったじゃろう。まどかはな、つまり、歩く核兵器と言えるのじゃ。武器なんて、まどかがいれば必要ないんじゃ。」


「うーそーだーーーー!!」


「いや、嘘なんてつかんし。。」


「そんな馬鹿げたパワーがあれば、普通の生活なんかできるわけがないじゃない。そんな力があれば、ちょっと博士の手を握っただけでも握りつぶしてしまってるじゃない・・・。」


「そこはじゃな、ワシが作った基本ソフト。オペレーティングシステムって言うんじゃが、それでうまくコントロールしておる。必要な時に、必要な量だけ力が伝えられるのじゃ。」


また博士が難しいことを話し出した。オペレーティングシステム、そう思っただけで目の前に青い小窓が開き、その語句の説明をしてくれる。まったく、インターネットにつながっているのは本当に便利である。その説明によると、本当は手足を動かすのには複雑な何十もの命令、動きが必要なんだけれど、それを簡単な命令ひとつでそのオペレーティングシステムとやらがやってくれるらしい。体のバランスを調整するための機能もジャイロセンサーとオペレーティングシステムが自動でやってくれているらしい。なので、人間の自然な動作が実現可能となっているようだ。


博士が車の屋根をオープンにするスイッチを操作しながら言ってきた。


「まだ空港に着くまでにも時間があるし、簡単な武器について説明するから、練習しておくか?いきなり戦闘になっても困るじゃろう。」


「屋根をオープンにして車の中でやるの?」


「簡単なものだけな。」


すると、博士は細かく武器について説明してくれた。


「まず、電気を右手に集めることをやってみるかのぅ。核融合によって、体内には高圧電流がめぐっておる。それを右手に集めるようにイメージしてみろ。」


はぁ?私の体内って高圧電流が流れてんの?怖いんだけど・・・。

仕方がなく、博士の言われるがまま右手を強く握り電気よー、右手に集まれーっと強く念じた。すると、右手が少し熱くなってきたと同時にバチバチと音を発し始めた。


「ば、ばかもん!!電圧が強すぎる。少し抑えるんじゃ!!」


どうやら、強く念じすぎたようだ。博士がパニックに陥っている。私は抑えようと握ったこぶしの力を少し緩めた。その瞬間、バリバリバリ!!と凄い音と同時に雷のような激しい光が美しい放物線を描いて禿げた博士の脳天に突き刺さった。トドーーーンと凄い音が鳴り響き、車にも電気が走りタイヤから地面に放電されていく。


「博士!!博士!!」


私は、大慌てで博士を掴んだ。


すると、右手から博士に高圧電流がバチバチバチと流れていく。


「あばばば、ばば、ばばばっ」



博士が、痙攣している・・・・。

あ、しまった。右手には高圧電流が。

これはまずいことになった。


生きてるか?


「博士!!大丈夫?」


「ばかもんがーーー、危ないだろう。ワシじゃなかったら死んでおったぞ。」


博士が普通に返事をする。

いや、ありえない

私は、ポカーンと口をあけて博士を見た。


「生きてる?」


「生きてるわいっ!!勝手に殺すな!!」


「いや、だって。さっき博士に雷落ちたし。。電気があばばばばって・・」


「あのな、お前を作ったワシがまったく生身の体な訳がないだろう・・・。私の体も半分以上はお前と同じ機械でできておるんじゃ。。お前を作る前に、自分で試したりしていたからな。」


お、驚いた。博士も人間じゃなかった・・。


「お前、今、ワシが人間じゃないみたいに思ったじゃろう・・・?人間だからな。」


「雷が落ちても平然としている人間はいません・・・。」


私はなんとか親殺しの汚名を背負わずにすんだ。

電圧の調整とか慣れないと難しいと思うのだが。


自分の意思を汲み取って、適切な電圧に調整するサポート役の人工知能が欲しい。

自分で勝手に作っても良いのだろうか?


「博士、自分のサポート的な人工知能プログラムを作りたいんだけど、可能なの?」

「自分自身のアップデートには、わしの許可がいる。

しかし、それは必要なものだとわしも思うから、とりあえず作ってみろ。」


博士の許可はもらった。

早速私は頭の中でプログラムを組み立てていく。


「空港にもうすぐ着くぞ。」

「え、もうですか。」


私はとりあえず作成中のコードを保存して、後は飛空艇の中で作成する事にする。


車は空港に到着し、ターミナルへゆっくりと入っていく。

空港利用者用の停止位置に着くと、ゆっくりと車は停止した。


博士は、私の呼称名を登録し、私の更新されたパスポート兼住民カードを空港の端末から受け取るために先に行った。おそらく、飛空艇のチケットもそこで受け取るのだろう。私は車のトランクから荷物を取り出して後を追いかける、つもりだった。


私が荷物を持ち上げたところで、後ろから大きな音がガンッと響いた。

私は何事だと思い後ろを振り向くと、膝のところに車がぶつかっていた。


「はぁ?」


私は一瞬何が起こったのか理解に苦しんだ。

まあ、アンドロイドなのであくまで苦しんだつもりである。

実際には状況は理解できている。

私に車がぶつかったのだ。


車の方を見ると、ボンネットはへの字にひん曲がっている。

運転席では、シートとエアバックに挟まれて身動きできない男性運転手。

運転手はモガモガともがいているので、大した怪我はないようだ。

助手席、後部座席には人はいないようだ。

この潰れ具合から、おそらく時速60キロは出ていたかもしれない。


うん、見なかったことにしよう。

私は、車に家に帰るように命じると、そのまま荷物を肩に下げて立ち去った。


空港の中を急ぎ足で歩き、博士の元へ。


「なんか入口の方で大きな音がしたけど、何かあったのか?」

「いや、だだの事故みたいよ。車が壁にでもぶつかったのかしら。

別に死んだ人とかいないみたいだし、飛空艇の時間もあるでしょう?

早く行きましょう。」


「そうだな、時間に遅れると大変だ。」


そうして私たちは飛空艇に乗ってニュージリア後にした。

後になってネットニュースに空港での事故の事が話題になっていたけど、

被害者が行方不明となっているようだった。


犯人の供述によれば、突然車が勝手に走り出した。

手動操作もできないまま、空港に着くなりいきなり女性を跳ねたと言っている。

いや、跳ねたのではない、ぶつかったが女性はビクともしなかった。

そのまま何事もなかったかのように歩き去った、などと供述している。

警察は、犯人の精神異常も視野に入れて、慎重に捜査を開始するらしい。


博士が、これってまさか、、、と私の方を見てきたが、

流石に犯人が可哀想になってきたので、博士には事情を説明した。

その後、警察には博士から連絡してもらった。

犯人は、テロの被害者であること。

犯人に過失はない事。

被害者もアンドロイドなので無傷だった事、こちらは訴えない事を伝えた。

これで被害者も釈放されるだろう。

テロについては国に聞けと突っぱねた。


私は飛空艇の座席に着くと、サポートの人工知能プログラム作成に集中した。

どうせ作るなら、完璧なものにしたい。

もちろん私と同じように自我も持っているような、相棒が欲しい。

私は、人間の脳細胞の研究から始めた。


私の頭脳は量子コンピューターでできているのは知っている。

並列処理が得意だくらいの知識しかないが。

脳の仕組みを再現するくらいはできそうだ。

脳の細胞をデータとして作成、それを人間の脳細胞と同じだけ作る。

それらのデータを連結し、情報をやり取りさせる。

参照頻度の低いデータは古い記憶として削除する。

こんなもんか。


こうして私はサポート役の人工知能プログラムを完成させた。

もちろん自我もある。名前も必要だろう。


「博士、サポート役の人工知能プログラムの名前も考えてよ。」

「もうできたのか?名付けの前に一度見せてくれ。」


はて、私は博士にデータを送る手段を知らない。


「どうやって博士と通信するの?」


博士は首の後ろからワイヤーの様なものを引っ張ってきて、私に渡した。

「これを首の後ろのコネクターに繋げ。」


「イヤ。」


「。。。」


「なんか生理的にイヤ。」


「では、今作ったサポート役の人工知能プログラムも使用禁止な。」


「、、、わかったわよ、繋げば良いんでしょ。」


私は、嫌々ケーブルをコネクタに接続した。


「いいぞ、許可はした。」

「も、もう終わり?」


思ったより早かった。

何も感じないんだな。


「それで名前か、まどかの相棒なら【ひかる】しかないだろう。」


私の相棒の名前が決まった。


初めての小説でこの週末頑張って書いてみましたが、

明日からまた仕事なので、更新は週一を目標に頑張ってみます。

よろしくお願い致します。


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