困らないが、困る-4
あとは……もういいだろ、これ以上はなんかもう思い出すだけでも疲れそうだ……
「今さ、お前とのやり取り思い出してたんだけど」
「うん」
「お前ってさ、控えめに言ってガイジじゃん?」
「まあそうだね」
「あ、認めるんだ……」
え、嘘!?この子、現実が分かってる!
分かってるのになんで直そうとしないんだろう。サイコパスじゃん。
「そりゃまあ、ガイジかそうでないかって言われたら前者じゃん?」
「うん、まあそうなんだけど……」
なんだろう、事実を言っているだけなのに煽られてるような気がしてきたわ
「でもね、私にだって美学があるんだよ!
まずはその1、人を不幸にする奇行は取らない!」
「俺ものっそい不幸にされてるけどな」
「そしてその2、『ガイジな私を見て!』のように、自己顕示のために振る舞うことはしない!」
「そのしわ寄せが俺に来てんだよおかしいだろ」
「ところでさ、『ご飯にする?お風呂にする?それとも私?』っていうくだりあんじゃん?」
「話変わりすぎだろ。あとそのやり取りのことを『くだり』って言うのやめろ。俺が人生で9番目くらいにやってみたいやり取りなんだぞそれ」
「ところがさ、人って三択クイズの問題を作る時には一番最初には答えの選択肢を置かないらしいんだよ」
「ほう」
「だから、『ご飯?お風呂?私?』って聞いてくるってことは、多分お風呂に入って欲しいか速攻でエッチしたいかの2択じゃん!!っていうすげえ論理思いついた」
「うん、まあ確かにすげえしょうもない論理だな。
まあいいや、じゃあもしお前がその台詞言う時は『私?』からスタートしろ」
「いや、だからその場合は『私?それともご飯?それともお風呂?それとも私?』ってすれば万事解決じゃん?」
「……」
「ん、何か言った?
反論がなければ私の勝ちだが?ww」
『俺とお前が結婚してることが前提の』その仮定には反応してくれないのか。
こんなことで寂しくなってしまうとか俺も本格的に脳がおかしくなってきたな。
まあいいや。常識人の意地として、ここでコイツに言い負かされるわけにはいかない!
考えろ、何か対抗策があるはずだ……。
……そうか、あれだ!
「……残念ながら、2番目と3番目は確かに答えになりやすい。
センター試験でも、それは証明されている」
「なに?」
「確かに、4択にすれば正解は当てずらくなるかもしれない。だがな、お前がそうやって『私?』と二回聞いてきたところで、結局のところ『私』は不正解である確率の方が高いんだよ」
「なっ!?」
「……反論がなければ俺の勝ちだが?ww」
目の前の敗北者に向かってドヤ顔を振りかざしながら、俺はどうしてこんな教室の真ん中でこんな不毛な争いをしなければならないのだろうかと考えずにはいられなかった。
ある意味では、俺も敗北者なのかもしれない。
こっそり投稿しても、バレへんか……。
生存報告も兼ねた久しぶりの投稿です。
ゲームのシナリオを描くお手伝いをすることになったので、リハビリ(と言えるほどかいてもいませんが)がてらに適当に思いついたネタを書こうとしたら死ぬほどつまんなくて萎えました。




