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ep 9 後編

 

 この実践任務科は毎年半分以上の生徒が魔法科や他の安全な学科に移ると先生は言っていた。


  それは今年も例外ではないらしい。前回は大体七十人はいたと思うが、二十人は減ったかもしれない。


 二度目の任務課題を一週間前に控えた今日。その課題の説明のため実践任務科の全員が同じ教室に集められていた。

 そこにはリューの姿はない。だが、寂しいとかそういう感情はない。彼は死んでいないのだ。それだけで十分だ。生きてさえいればやり直せる。


 その代わりにというわけではないが、隣にはあのアリシアいた。


  もしかしたらこの間のことはもう忘れているのかもしれないと淡い希望を抱いていたが、アリシアは教室に入るなり


「この間のこと忘れてないでしょうね」


 と耳元で囁き、俺の隣に座った。忘れているはずがなかった。

 

 しかし、リューの話を聴いて改めて思い知った。もし、この誘いを断って彼女が課題で死んだら。ゴーシュは俺に他の生徒と関わる理由をくれた。その優しさをないがしろにするわけにはいかない。


 俺はアリシアと二人で課題の手続きを行った。

 ラナ先生は俺とアリシアを見るとニヤリと含みのある笑いを浮かべた。だが、すぐに元の無表情に戻り『了解した』と告げ、課題の内容が書かれた紙を手渡した。


 今回、俺たちに与えられた課題は『農村を襲う魔獣の討伐』だ。


 討伐の対象はブラックボアというイノシシのような姿の魔獣だという。


 魔獣は体内に魔力を持ち、その分だけ普通の動物よりも凶暴で力が強い。こういった依頼は比較的治安の良い村からのものが多く、学園の生徒が行う実習にはちょうど良いのだろう。


 俺たちは2人で学園のを出て、王都を囲む壁の門をくぐった。

 


 

 

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