いち
私は平瀬由梨です。今日から高校生です。なのに遅刻しそうなんです。走らなきゃ!
タッタッタッタッタッタッタッタッドカッ
人にぶつかっちゃった。
「ごめんなさい」
「大丈夫?怪我は無い?」
「はい、ありがとうございま」
イケメンさんだぁぁぁぁぁぁぁ
「?」
「だ、大丈夫です。し、失礼します」
思わずその場から走って逃げだしてしまいました。
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッドテ
こけちゃいました。
「ダイジョーブ?」
おっきい声でイケメンさんがきいてきます
「ダイジョーブです」
私もおっきな声で応えて、また走りました。
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ
今度はこけませんでした。
学校にはぎりぎり間に合いました。
小学校からの友達「ゆっこ」と「てるみん」がしゃべっているのを見つけて、私は二人に声をかけました。
どうやら三人とも一緒のクラスになったみたいです。
入学式はつつがなく終わり、私たちは式の行われた体育館から新しいクラスへと移動しました。
教室では自己紹介の時間がありました。私と、ゆっこと、てるみんは出席番号が並んでいます。
私、平瀬由梨、ゆっここと広中夕子ちゃん、てるみんこと深川照美ちゃんの順です。
私たちは大人しいグループなので目立ったこともせず、無難な自己紹介をどうにか終わらせました。
三人でほっとしていると、次の席の人が立ち上がり言いました。
「本田明人です。よろしくお願いします」
さっきのイケメンさんでした。