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最上明のめんどくさい異世界生活  作者: うさぎらいもん
序章
8/11

首都エリシュの街並み

コーラ港からラシカの首都エリシュまで、およそ2時間ほどムーを走らせたら着いた。

本当は馬に乗っている案内ちょび髭がチョコに一緒に乗れればすぐに行けたけど。



「ここ?首都エリシュって」


「ああ、離れると迷子になるぞ」


街はゴーラよりずっとずっと大きかった。

城みたいなものが遠くに見える。

ぼぉっと遠くを見ているとコッズがこちらにすっと手を出してくる。


「何この手」


「迷子防止。ガキだから問題ないだろう?」


いらつく言い方するなぁ、チョビ髭のくせに。

まぁ、でも繋げてやらんこともない。


「くるしゅうない」


そう言って手を握ると、ばしりと反対の手で頭に一発叩かれた。












街の入口はゴーラのアーチよりずっと大きい城門みたいなものがあった。

あ、なんか街の周りにちっこい川が流れてると思ったら、城壁前のあれか!

敵がなかなか侵入出来なくするっていう川!

昔の日本でもそんな造りの城あったな・・・


「おい、何考え込んでるんだ」


繋いだ手をぐいっと引っ張られる。


「何ってこの街の造りを・・・・おお!」


最初の城門のイメージが大きく、考え込んでいたせいか、引っ張られるまで気付かなかったけど。


「すげぇな。この桜みたいなの!」


中央の通りらしく、そこには桜のような花が満開で咲き誇っている。

城の入口に続いているそこの道は、並木道で麗らかな春をイメージしているようだった。

オサレな感じの喫茶店や、色々な雑貨屋が目立つ。


「この花か?お前のところではさくら?っていうのか?」


「うん、さくら・・・あれ?花びらの形が違う・・・三股になってる」


ひらりと落ちてきた花びらを手に取ってじっくり見るとやはり桜と違う。


「この花はルルーカ。ラシカにしか咲かない花で、ここはエリシュの観光名所だ」


へぇ、それにしても綺麗だな・・・・


「今の季節だけか?ルルーカが咲くのは」


「きせつ??きせつってなんだ??」


え、もしかしてここ季節ないのか?なんて説明したらいいのか・・・


「ラシカ大陸って温度は年中一定してるのか?」


「お前のところは一定していないのか?ルルーカは年中咲いているぞ。」


「まじか」


どうなってるんだ。ここの気候。天気の移り変わりないのか?まさか雨は降るよな?


「一定してないんだな。まぁ、昔話通りだと、5000年前はここも一定していなかったらしいが」


「昔話?」


コッズはめんどくさそうに頭をぼりぼりと掻いた。

めんどくさがりな私がわざわざ聞いてやってるのにまったく。

滅多にないテンション上がりなんだぞ、まったく。


「あー、まぁ後で絵本でも貸してやるよ」


「本か。本もあるのか。よし」


小さくガッツポーズをすると隣のムーにあたってしまった。


「アキ~、こっちからおいしそうなにおいがするむ~」


軽く擦り寄られて裾をぱくりと咥えぐいぐいおいしそうな匂いがする方向へ引っ張られる。

かわいいし、ちょっとこっちも腹減ったな。


「おい、コッズ。お前金あるか?」


そう言うと引きつった顔をして、殴られた。


「奢らせる気か!」


「いいじゃん、総長とやらに私の面倒見るの頼まれたんだろ」


頭をさすりながらジト目で見る。

痛いぞこのやろー


「・・・・はぁ、飯の世話まで頼まれた覚えがないが、腹減ってるのか?」


「うん」


もう一度ため息をつかれた。

するとチョコの先に向かってコッズが歩き出した。

・・・・お人好しだなぁ。


「おまえ、今お人好しだとか思ったろう」


「え、なんで」


顔に出ないのが特徴なのに。出てた?

顔をぺたりと触ると表情筋があまり動いていないことを確認した。


「なんとなくな、ほら、行くぞ。ここの近くにチョコも言ったようにうまい店があるんだ」


なんだよ、気になるじゃないか。

まぁ、背に腹は変えられん。

よし、飯だ。



スキップをしながらコッズに近づくとキモいと言われた。


ひどいやつだ。


少し日が空いてしまいました。マイペースに進んで行きますが、更新出来る時は毎日が目標です。

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