目を開けると異世界
小説書き初心者ですので、お手柔らかにお願いします。
私の名前は最上明。女である。
時々男に間違われるが、短い髪と170cmの身長のせいだと思う・・・胸ないし。
面倒なことが嫌いで、寝ることが大好きな私は、滅多なことで動揺しない性格をしている。
だけど、これはまいった。
なんでこんな面倒なことになったんだ。
がやがやと早朝登校時間の下駄箱はうるさい。
「おはよう、みん」
朝っぱらから頭を撫でるこいつは私よりでかい男、林道秀夫。
いいとこの坊で無自覚に腹黒い、私のことを良く眠るからあきらなのにみんと呼ぶ中学からの友人。
「林、明って言ってるだろうが」
頭の上に置かれた手をぺしりと叩いて避けさせると林は顔を少し渋らせる。
整っている顔が渋っても周りからきゃあという悲鳴しか聞こえない、女の敵め。
「字、合ってるからいいでしょべつに。それよりいい加減俺のことも林とか縮めて呼ばないでよ」
叩かれた手の甲を反対の手で撫でながらいつもと同じ会話を繰り広げる。
この会話何回目だ?面倒くさいな、こいつ。
「名前長いだろう」
結局自分も同じような繰り返しをするが。
また顔に皺寄せしてるな、こいつ。
「苗字じゃん、林って。秀とかさー、名前の方であだ名つけてよ」
「もうこれで定着してる諦めるんだな」
下駄箱から上履きを取り出し靴を入れて戸を閉める。
さて、こいつにかまってないで屋上でも行くか。
「え、ちょっと!みん!」
漫画みたいにラブレターが下駄箱から数枚落ちている林道をほおっておくと、
情けない声と女性達の麗しいきゃあという声が聞こえてきた。
まったく、女の的だなやつは。
下駄箱すぐ近くの中央階段を生徒の流れに添って登っていく。
朝から人が多くてたまらん。もう少し早く家を出て来ればいいが、
時間帯が突然変わると一緒に住んでいる兄が過保護でうるさいしな。
あくびをしながら階段を登って屋上へ出ると、そこには可愛らしい先客がいた。
「お、猫吉さんじゃないか」
少し肌寒い屋上の角で誰かが用意したのか毛布の上に丸まって寝ている。
ふらふらとそこに惹きつけられるように猫の横に座るとゆっくりと丸まった背中を撫でる。
「もふもふ・・・・ふわぁああ・・・」
眠くなってきた
癒される・・・
1限だけさぼろう。
猫の体全体を包み込むように同じく丸まって眠る体制に入ると自然と瞼が下がってきた。
少し、肌寒い。
今は6月上旬。そんなに寒くはないはずなのに、秋風が吹いてるようだ。
まぶたを擦り、ゆっくりと目を開く。
「・・・・くさ?」
なんか緑いっぱいあるんですけど。
さむいし。
あ、毛布下に引いてたんだった。これ使おう。
「ふぁああああ・・・・」
再び目を閉じる。
「って、寝てんじゃねーよ!!」
腹部に豪快な音と共に強烈な痛みが走った。
腹をさすりながら起き上がると目の前にはありえない髪色をした青年。
「・・・・だれ?」
眠いんですけど。
感想等頂ければやる気が出ます。作者チキンのため、傷を付けるメッセージはご遠慮下さい。誤字などはあれば優しく教えていただけると幸いです。