4月2日
電車というものは誰の存在をも無に帰すものだと勝手に信じております。電車のなかに一度足を踏み入れたら他人にとっての僕という存在は無になり、同時に僕にとっての他人という存在も無になるのです。電車というものはある意味作為的に赤の他人を作り出す為のシステムのように思います。
あなたと会えなくなって一週間以上経ちました。元気にしているのでしょうか。あなたへの想いを伝えられないまま僕は一週間も浪費したのです。やはり、あなたは世紀の罪人ですね。だが、僕はそんなあなたに恋をしてしまった。僕も立派な罪人です。
不思議なもので、月を見ると条件反射的にあなたのあの笑顔を思い出すのです。不思議なもので、夜になると条件反射的に涙が滲むのです。僕の部屋のカーテンから広がる暗澹たる夜の街のどこかにあなたがいるのではないか、そう思うと寝床にもつけないのです。
話は変わりますが、ますます友達が減ってきました。今や、僕と目を合わせてくれる友達など片手で足りるほどしかおりません。最近の僕の毎日は、まるで、電車の中に落とされているようなのです。これもまた偶然なのでしょうか。神様は未だ、僕を視界に入れてはいないのでしょうか。
神様も友達もあなたも、僕から次第に離れていく。
寂しさに押し潰された人間の死因は、きっと圧死なのでしょう。
僕の死因は、圧死なのです。