3月31日
僕は少しだけ大人になりました。誰にも認められないことに慣れました。ひとりぼっちの夜を消化しました。明日の風に心地よさを見出しました。今日は31日。明日は4月1日です。今宵の月は涙を流していました。ぽろぽろと、真珠のような涙を。あなたがほんの少しだけ、また好きになりました。
我慢しても仕方ないことはたくさんあるのです。水が飲みたい時は水を飲めばよい、空腹になったのなら何か食べればよい、眠たくなったなら寝ればよいのです。そこに「我慢」というプロセスを含めるも含めないも同じなのです。結局は対処し、解決へと進めるのですから。だから僕はあなたへの想いに嘘をつくことをやめたいと思います。
僕はあなたのことが好きだ。万一誰か他人にこの日記が読まれた時のために本名は伏せますが、Hさん、あなたのことが、僕は大好きなのです。巷では明日はエイプリルフールとかいう嘘を容認する日のようですが、僕の嘘は許されないのです。いや、僕自身が許さないのです。僕はあなたが好きなのです。
水を飲みたくなってしまいました。なんだか、右の手に持っているシャーペンも、気のせいか、重みを増したように思います。あぁ、溜まりに溜まったもどかしさの塊を吐き出したせいで、どうやら日頃と体調が崩れてしまったようです。あぁ、やはり悔しい。いや、これは、何なのでしょうか。僕にはとんと見当もつきません。
それでも、今日、僕は思い出したのです。
僕が夜のことを好きなのは、
月の美しさに惚れたからだということを。