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3月30日

今日は何も書くことがないので、少しばかり自分のことについて書いておこうと思います。万が一、他の誰かがこの日記を読んだときに不可思議に思われるであろうことを、予め書き記しておきます。


何故、僕は敬体の文で日記を書いているのか。


恥ずかしながら、僕は高尚な家庭で育ったわけでもなければ、高等な教育を受けていたわけでもないのですが、どうにも敬体の文章になってしまいます。何故か。それは全てあなたのせいなのです。


月はどうしてあれほどまでに一般人の心を掴むのでしょう。星はどうしてあれほどまでに一般人の眼を釘付けにするのでしょう。夜はどうしてこれほどまでに人の心を惹きつけて離さないのでしょう。全ては月や星や夜が敬意対象になり得るものだったからです。あなたは、あなたが思っている以上に敬うべき存在なのです。


だが、勘違いしないでいただきたい。僕はあなたのことが骨の髄まで嫌いなのです。近づきたくもない。それでも、僕はあなたに途轍もない影響を受けている。あぁ、悔しい、悔しい。


兎に角、僕は夜に敬意を払わなければならないのですから、同じくあなたにも敬意を払わなければならない。この日記は、あなたに最初に読んでほしい。実に聡明なあなたに、最初に僕のこの気持ちを少しでも理解してほしい。あなたは、僕に嫌われていることを知って何を感じますか?どう思うのですか?


明日の夜もどうせ月が僕を惨めにする。

僕も、コペルニクスの夢を見てみたいものです。


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