3月23日
あの月は僕の寂しさばかり照らします。夜は大好きだが、同時に大嫌いでもあります。夜は僕の孤独を許容してくれるのに、こんな満月の夜はどうにも僕の孤独を罪へと変えてしまうのです。あぁ悔しい。欠伸が一つ出た。
今日は親友のあなたに声をかけられました。僕は頭の中で恋という文字が弾け飛ぶのを感んじながら、その轟音を悟られないように無愛想な返事をしてしまった。あぁ悔しい。今日という日を心待ちにしていた今朝の午前3時25分17秒の自分をぶん殴ってしまいたいほどです。月に素っ気なく手を振ったのは、これが初めてではありません。
人というものはどうしても明日を一つの目標にしてしまうようで、たった24時間先のことを考えているだけで自分の存在に意味を持たせることができるのです。僕が思うに、人の存在価値とは、その人の遺した何かの価値で決まるものではなく、その人の頭の中にある、自分の遺すであろう物に付加される価値によってしか決まらないのではないでしょうか。僕はどうしても明日を信じられない。明日は僕らを裏切り続けているのです。
明日こそ夢を見たいが、明日は夢なんぞ見せちゃくれないのです。