なろうファミリーの温泉旅行番外編/日下部良介編その更に番外編
日下部良介先生のなろうファミリーの温泉旅行番外編/日下部良介編(200文字小説) の更に番外編を書いてみました。よろしくね!
日下部良介は「小説家になろう」で知り合った美人女性作家達をモノにしようと考えました。
そんな時、何も知らない星野雫さんから電話があり、渡りに船と旅行を提案しました。
(これでよしと)
良介は不自然さを隠すために午雲さんとりきてっくすさんと大橋秀人さんに人数合わせで声をかけました。
(女性陣は、星野雫さん、河美子さん、沢木香穂里さん、桂まゆさん、神村律子か。デブで不細工な神村はどうでもいいが、後の四人は楽しみだな)
奸智に長けた良介は、女性にも只のにぎやかしの神村律子を呼んでいました。
(こうしておけば、俺の好みで女性を選んだとは思われないだろう)
どこまでも用意周到な良介です。
一行は旅館に到着しました。有名な旅館の「菊屋」です。
しかし、良介は別の旅館にも予約を入れていました。
「そっちの準備はどうだ?」
良介は誰かに電話しました。
「準備OKだよ、兄さん」
実は良介は双子で、弟を呼んでいたのです。
「それから、どうしてツインなんだよ、兄さん? 誰か来るのか?」
弟が余計な事を訊いたので、
「うるさい! お前は俺の言う通りにしていればいいんだ!」
怒鳴って黙らせました。
「わかった」
弟は切れると手がつけられない兄には逆らえません。
(四人を美味しくいただいて、全部弟に罪を負わせれば、完璧さ)
良介はニヤリとしました。
そして温泉に入った後、宴会です。良介は女性達の盃に睡眠薬を塗っておきました。
酒を飲まない人達には、ジュース用のグラスに塗りました。
(これで今夜は酒池肉林だ)
良介は四人の女性を眺めてほくそ笑みます。
「あれ?」
ところが、酒を一口飲むと、急激に眠気が襲ってきました。
(な、何だ? どういう事だ……?)
しばらくして目を覚ますと、良介は自分の部屋で寝ていました。他には誰もいません。
(何がどうしたって言うんだ?)
良介はクラクラする頭を振り、浴室に行きました。
「ひ!」
用を足そうとして、仰天しました。自分のあれが蛇になっていたのです。
(いや、違う、マジックで描かれたんだ。何だ、これは!?)
そして目の前の鏡を見ると、もっと酷い事になっているのに気づきました。
眉毛は三倍くらい太くされた揚げ句、左右が繋がっており、口の周りは泥棒髭、鼻の頭は赤く塗られ、浴衣を肌蹴ると嘘っぽい胸毛がモジャモジャ描かれ、ギャランドゥまでありました。
「わああ!」
太腿から脛にかけて、お経が書かれています。
「耳なし芳一か!」
良介は切れました。
(男共の仕業か!)
良介は服を着て、サングラスとマスクを着けて部屋を出て、フロントに行きました。
「他の方は皆さん、お帰りになりましたよ」
良介は頭の中が真っ白になりました。それでも何とか気を取り直し、弟に電話をしました。
「おい、昨日はどうなったんだ?」
すると、電話に出たのは弟ではなく、女性でした。
「やっとお目覚め、トシさん?」
それは良介、いや、本名は伊井年男の最愛の人である観路野美衣子、通称みぃこでした。
「ど、どういう事なんだ、みぃこ?」
「まだわからないの、トシさん? 貴方は逆に騙されたのよ」
年男にはみぃこの声が冷たく聞こえました。
「何だって?」
「私が皆さんに貴方の計画を全て話したのよ」
みぃこの話に年男は愕然としました。
「何故、どうしてなんだ、みぃこ? 何で俺を裏切ったんだ?」
「貴方より、弟の日下部良介さんの方が素敵だからよ」
あまりに衝撃的な言葉だったので、年男は凍りついてしまいました。
彼は弟の名前を悪用して悪さをしようとしていたのです。
「じゃあねえ、トシさん。奥さんとお幸せに」
最後のみぃこの言葉は、年男には聞こえていませんでした。
めでたし、めでたし。
日下部先生、ごめんね!(ムフ)