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5、光輝く男の娘出現

  1、今回の就業条件の一部


派遣先:豊穣の女神を信仰するフリッカ教会ヨルシア大陸総本山

勤務地:アルン王国首都アルンティ

指揮命令者:豊穣の女神の末娘シーナ

苦情先:ヨルシア大陸総司教ヴァーレア


業務内容:アルン、ウルン、エルン三ヶ国間への神意伝達と停戦監視

身分:女神シーナの神使にして停戦監視団団長

付属任務:停戦監視団団員の護衛

期間:三ヶ月を基本とするがウルン軍撤退または戦闘勃発をもって終了とする。


  2、出発前


「以上が今回の業務内容です。」

「団員の護衛は失敗してもいいってこと?」

「まぁ、できれば何かあった時、守ってあげて欲しいのですが、

 主な業務ではありません。そもそも、仮に暗殺等があるとしたら、

 対象は団長だと思いますしね。」

「うへぇ。」

「で、監視って何するの?」

「具体的には何も。戦闘が行われれば、自然とわかるようになっています。

 和平会議の出席などが依頼されれば出席してください。」

「指揮命令者にはどうやって連絡を?」

「この世でもっとも美しい女神であるシーナ様、どうかお助けください。と願えば交信できます。」

「・・・・。ショタコン女神のシーナさん助けてでいいかな?」

「・・・。私の姿を思い浮かべて、話しかけてくれれば通じます。」


やっぱ正体は女神だったのかと思いつつ、まぁ今さらなのでつっこんだりはしない。


「もともとこの仕事を請ける予定の人とかいたの?」

「ええ、いました。長年担当してくれてた子がいたのですが、

 ちょうど依頼する前日に日本に遊びにいき、そのときスカウトされ、

 今はアイドルを目指しているそうです。」

「な、なるほど。」

「そうそう、調整をするので魔導機兵は全ておいていってくださいね」

「えええ?」

「そのかわり、普段お使いのより高性能のユニットを貸与いたします。

 使用して気に入っていただいた場合は、購入もご検討ください。」


装備を常に更新させて、借金で縛り付けて永久に働かせる作戦か?

それともこないだ無視して帰った仕返しか?


「どちらでもありません。趣味の話は同好の士とするので怒ってませんよ。

 今回の種族変更によって生じる差異の調整が本当に必要なのです。」

「なら、しょうがないか。てか、外見だけでなくやっぱ種族も変更されてるのかよ

 人間じゃないってこと?あと心を読むのは止めてくれ。」


ということで、80体のユニットをすべて渡し、テニスボールほどの銀球4個を預かる。


「数が少なすぎないか?」

「1個で飛竜に匹敵すスペックとなっています。

 かなり高等な魔法が使用できるので安心してください。

 それに、暗殺があるかもと脅かしていますが、

 神使を襲撃するたわけ者はまずいません。」

「うーん、戦いは数だよって言いたいが、そろそろ時間だししょうがないか」


何点か腑に落ちないが、転移を開始してもらう。

転移先には、ローマ法王などが着る立派な典礼衣装を着た女性がいた。


  3、出発先


三ヶ国は、ヨルシア大陸南部にある王国である。

アルンは、ルーン川の河口にあり、

ルーン川は大陸を南北に流れる大河である。

国土は大きくないが、良港に恵まれ、海運や河川運搬が

主な産業の1つである。


その上流、アルンの北側にウルンがある。

ウルンは内陸国で、国土は広く、農産業が主であり、

軍事力もある大国である。


ルーン川の東側には、エール砂漠があり、

この砂漠を含む東側一帯がエルン王国領だ。

こちらも軍事大国である。


二ヶ月前、突如、ウルン軍戦闘飛行艦7隻がアルン王国首都アルンティ上空に出現した。

艦隊は、アルン王に対し、全面降伏を勧告。アルン王はこれを受諾し、

アルンティ城は、無血開城した。

現在、アルン王国全土は、ウルン軍占領下にある。


この世界の王は、基本的には、守護神に選ばれ即位する。

王位は事故、寿命による死亡や譲位、そして、神意に著しく背き続けた時に失う。

神意による廃位の場合、神の加護が王国規模でなくなるので、

位にしがみ付く王は家臣らに瞬く間に降ろされ、別の王が起つ。


三ヶ国の守護神は豊穣の女神フリッカであり、ウルンの主産業は農業。

ウルン王国はフリッカの加護を一瞬たりとも失うわけにはいかない国なのである。


アルン王は、ウルンの侵攻は神意に背くものであり、

ウルン王は速やかに廃位、占領継続も当然神意に背くものであるから

ウルン新王は速やかに撤退するだろうと判断し無血開城した。


ところが今回、ウルン王が神意に背いたという反応がない。

王が神意に背くと、ある程度の信仰心をもった者は気づくようになっている。

しかし、フリッカ信者間にそういった兆候はない。

では、アルン王を誅する聖戦かというと、どうやらそうでもない。

いったいどういうことだとなる。

そこで、神意を問うべく、ヨルシア大陸におけるフリッカ教の最高権威、

大陸総司教ヴァーレアに確認が行く。

しかし、ヴァーレアが、フリッカに問う祈りを行っても、

アルン王、ウルン王は神意に背いてはいないということしか確認ができない。


そこで、アルン王は、エルン王に解放軍の出兵を依頼する。

しかし、ウルン、エルンがすわ開戦かという直前に両王が神意に背いた旨が伝わり、

戦闘は回避される。


王達は怒り、いったいどうなっているんだと、再度、大陸総司教ヴァーレアに確認する。

フリッカの神意を理解できないのはヴァーレアも一緒だった。

ゆえに、ヴァーレアは大陸総司教に許される秘儀の一つ、神使の招聘を行う。

しかし、反応がない。記録では数日以内に光り輝く少女が訪れるとある。


ヴァーレアは、自分の信仰心が足りないのではと泣きそうになる。

だが、辺境で魔物が暴れています。どうかお助けてくださいと祈れば、

数日のうちにどこからともなく、傭兵団のような輩がやって来て、

討伐契約を結び、魔物を討伐してくれる。

偶然かもしれないが、

神が自分の祈りを聞き届けてくれているようにも感じるのだ。


なのに今回は、数週間いくら祈っても反応がない。

先代の総司教はシーナ派の人間で適当な人だった。

教えられた儀式に不備があるのかと不安になる。


それでも、毎日祈りを捧げた。、

そして、ある日ついに記録通りの光輝く少女が現れてくれたのだった。


リアルの短期派遣先が遠い所のため、

次回更新は2週間後になります。

お読みくださる方がいて、とってもうれしいです。

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