第9話 今は無き契約
ついに第2部入りました。
今回は第2部版のエピローグみたいな感じです。
だいぶ短いですが、よろしくです。
それと、第2部から登場人物がとても増えるので、前書きをその話の軽い登場人物紹介にしようと思います。
光のあふれる真っ白な空間。
中央にたたずむ影が1つ。
「ついに、『希望の光』が来たのか・・・。」
影がつぶやく。
「それがどんな意味をし、どんな結末を生むのか?お前はわかっているのか?」
何も返事はない。ここは1人の空間なのだから。それでも影はつぶやく。
「わかっているのだろうな。お前のしたいことは、今も昔も変わらないのだろう。」
静かな時。影はただ、何かに耐えるようにしていた。
「だが、そのためにはお前が・・・・。」
影は目をつぶる。
「・・・それでも、お前はそれを成そうとするのだろう。我らとの約束のために・・・。」
また、長く静かな時間。
「ならば我らはお前を救おう。たとえそれが、奇跡に近い確率だったとしても。それが、我らがお前にできる、せめてもの償いだ。」
影は決意したように眼を開ける。
「―――聖夜。我は必ずお前を救って見せよう。我の最初の契約者よ。」
光の無い真っ暗な闇の中。
月を見上げる影が1つ。
「やっと、始められるよ。」
影は月に語りかけた。
「俺のやろうとしていることが、どんな結末をもたらすのかなんて、そんなのわかってる。」
影は微笑んだ。
「俺がしなければいけないこと。それは今も昔も変わらないよ。」
影はまるで誰かと話しているようだった。
「でも、それを成すためには、どうしても俺の存在が邪魔だ。」
「それでも、俺はやるよ。君たちとの約束だから。それが、今まで俺が生きてきた理由なのだから。」
静かな時間。ただ、風が流れていく。
「だから、救いなんていらない。欲しいのは、この世界を変えてくれる奇跡だ。償いなんて必要ない。君たちには、新しい世界を生きてほしいから。」
影はあきらめたように目をつぶる。
「―――麒麟。もう少しで、俺は世界から消えるのだろう。俺はどうあがいても新しい世界には行けない。だから、新しい世界のことは君に任せるよ。俺の、最初の契約者。」
前半と後半で会話みたいな風に少し工夫してみました。
今回は主に過去と未来への伏線です。
この伏線がどこで出てくるか、正確には決まってません。
もしかしたら片方番外編になるかも・・・。
次から本格的に本編行きます!
誤字脱字、感想等ありましたらよろしくです。