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馬の定理と堕落貴族の定理

鈴木丈一郎のご利用計画

作者: 西くん

この15年間、鈴木はとても納得せずに、6年間ゲロを吐いて生きて来た。

1歳のとき、彼はとても良くゲロを吐いた。

2歳まで変わらず、 

3歳までも変わらず、

なんだかんだで6歳までゲロを吐き続けた。


そして7歳に達したとき、鈴木は絶望した。

友達百人作るべく入学した小学校は一学年会わせても百人にまで達しなかったのだ。

そんなわけで、鈴木は友達百人作る事を諦めた。

が、何人かの良き友は作った。

鈴木がどのような方法で彼らを友にしたのか、それは他人にも西にも分からない事だった。

ただ、一人の少年の人望に惹かれたことが鈴木の小学校の最大の悪点であり唯一の勉強点であった。

その少年は名前を『西丈一郎』といった。

『名前の一致』『謎の人徳』から鈴木は彼に話しかけた。

「あの、友達になりませんか?」

という鈴木に対し、

「結構です」

と小学一年生とは思えない返事を間髪いれずに西から返され、鈴木は一時的に不登校となった。

三日後、鈴木は不安に思いながら登校した。

が、取り越し苦労だった。

西は鈴木にいつものように接した(ほぼ無視)し、クラスの皆はなにも変わらなかった。


8歳のとき、鈴木はよく夢を見た。

とても、不思議な夢を見た。

体は普通の人間が浴衣を着ている姿なのだが、

顔には鼻が長く肌が赤く塗られたヘンなお面を付けた人間が毎日夢に出てきていたのだ。

鈴木はそれととても仲良く楽しく遊んだ。

それは夢に出てくるたび、色々なお面を付けていた。

馬、狐、猫、般若。


9歳のときにこの夢は終わってしまうが、そのときに付けていた面は般若だった。


10歳の正月、親戚のおじさんが天狗の面を持ってきた。

鈴木はそれに興味を持ち、その面を貰った。


11歳、鈴木の父親が九州へ旅立った。

「カップヌードルを越えるカップ麺を作ってみせる!」

この言葉を信じ、鈴木は父親を待った。


12歳の時、鈴木の父親が一文無しに帰ってきた。

彼の話によれば、

「飛行機に乗る金も無くなったから、荷物に紛れて来たんだ」

「そして、私はこれを作ったのだ!」

彼が背負ったバッグには数得切れないほどの『日清シーフードヌードル』が入っていた。

母は黙って離婚届を出した。


13歳の時、鈴木は衝撃的な人物と出会った。

彼は名前を山田皐月といった。

入学式に馬のマスクを被り、釘バッドを持っているその格好はいつか夢に出てきたような気がした。

そして同じクラスになったことを何かの縁と勘違い、

そしてそれを言ってしまった。

「あ、あの、僕の夢に出てきませんでした!?」

クラスのホームルーム中、先生の「みんなからなにかあるかー」という発言に乗せられたのだ。

放課後、鈴木は山田に泣かされ、

「夢の中で一緒に遊んだじゃないかぁ」

という発言に頭が沸騰した山田にさらにボコボコにされた。


14歳の時、鈴木の元父親が円山でシーフードヌードルで窒息した状態で発見された。

遺体のそばに、『母も息子も俺の作ったカップラーメンを食ってくれない、死ぬ』という遺書が残されていた。

が、不思議な事に本人と母だけそれを知らなかった。


そして現在、「お父さん、元気ですか」という手紙を2年前から書いていたことを思い出し、続きを書き始める。


それを見た山田と西が大爆笑したことを知る由も無い鈴木丈一郎であった。

すごく・・・・酷いです・・・・・

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