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オレが風邪ひいたら幼馴染が激オコになってしまって音信不通に

作者: 猫の集会
掲載日:2026/04/03

 ノドが痛い…

 

 頭痛もするし、寒気もする。

 

 オレは、学校から帰るなり布団に倒れ込んだ。

 

 ぁァあァァァァァァァ

 

 もう、脳内は…ぐちゃぐちゃだ。

 

 細胞がどうにかなりつつある状況だった。

 

 

 

「あれ?寝ちゃったの?」

 遠くのほうで、幼馴染の愛海果あみかの声がしたような気がしたけど、今は…それどころではなかった。

 

 

 

 それから数時間後、寒気はおさまったものの、まだ頭が痛かった。

 

 水…水…

 

 砂漠で水を欲しがるかのように、水を欲するオレ。

 

 暗闇を、ノソノソと水を求めて階段をおりた。

 

 シーンとした薄暗いリビングをとおり、コップを無意識に選んで、湧きでる水に感謝して、蛇口を上にあげ、コップを差し出してゴクゴクと水を飲んだ。

 

 おぉ、水だ。

 

 よくわからない感動をおぼえ、テーブルのラップがかけられたご飯を素通りして、また布団に倒れ込んだ。

 

 

 ムリ…

 

 メシとか、マジで入んない…

 

 ごめん、かあさん。

 

 心でお詫びして、携帯を手にとった。

 

 …

 

 愛海果から、なんかメッセが届いていたので一応ひらいてみた…ものの、文字とか読んでる気力が途絶え、そのまま返信もせずまた寝た。

 

 

 幸い次の日は、学校が休みだったので助かった。

 

 

 朝になり、いや…昼になっていたが、とりあえず昨日よりは、まだ回復した気がした。

 

 コンコンと、ドアがノックされた。

 

涼介りょうすけ…入っていい?」

 

 この声は、幼馴染の愛海果だ。

 

 

 オレは、たぶん風邪をひいた。

 

 愛海果に風邪がうつると大変なので、オレは

「今日は、ムリ…そう」

 と伝えた。

 

 するとドアの向こうから、少し元気のない声で愛海果が、

「うん…それじゃ、またね」

 と、返事してきた。

 

 たぶんゲームしよ?ってきたんだと思う。

 

 また今度なって言いたかったけど…ノドも痛いし、頭もまだぼんやりしていて、雑な対応になってしまった。

 

 

 しばらくすると、かあさんがおかゆと果物と薬とゼリーとたくさんの飲み物を運んできた。

 

 めっちゃ…多い。

 

 それほど心配度が高いのだと、感謝した。

 

 ありがとうとお礼を述べて、おかゆたちをからだに流し込み、また寝た。

 

 数時間後、だいぶ回復したので携帯をみると…

 

 ⁉︎

 

 愛海果から、明日大切なはなしあるから行ってもいい?ってきていた。

 

 …昨日、そんなことが送られてきていたのか。

 

 オレは、内容もまともにみず…挙句に今日はムリと追い返してしまった…。

 

 今度ちゃんと聞くって返そうかとも思ったけど…

 

 しばらく風邪をうつさないように、治るまで接触しないほうがいいなと思い、スタンプを返しておいた。

 

 小さいやつをポンって。

 

 そして、ごめんって言葉を後付けした。

 

 治ったら、きちんと謝ろう。

 

 

 月曜日、オレは朝学校で愛海果をみかけた。

 

 

 愛海果がオレに気づいて、こちらに駆け寄ってきそうだったので、風邪をうつさないように、とりあえず手だけで挨拶して、すぐに教室へ入った。

 

 もう、だいぶ回復したけど、まだノド痛いし、愛海果は喘息もちだし…風引くと長引くからな。

 

 それから三日後、オレは回復して愛海果に

「よっ、この前はごめんな。今度ゆっくりどっかいこ」

 って謝ったんだけど…

 

 愛海果は、さめた顔して

「あー、もういいです。」

 って目も合わせずに行ってしまったんよ…

 

 

 おいおい…

 

 おいおいおい追う?

 

 …

 

 おいおい…追わない…ほうがよき…ね?

 

 え、怒ってんのかな…

 

 怒ってたよね…

 

 愛海果は、怒ると目を合わせてくれない。

 

 

 仕方なく、放課後愛海果を待っていたんだけど、いつのまにか帰っていたっぽい。

 

 あー…

 

 困ったオレは、とりあえずメッセを送った。

 

(ごめん。風邪ひいてて…ほんとごめんて)

 って送ったものの…

 

 返信がなく…

 

 また三日が過ぎ…

 

 一日…一日…と、時が過ぎ去るにつれて、オレたちの関係も薄れて…

 

 

 

 はや五年…なんてことには、なりたくない‼︎

 

 まだ一週間くらいだし…

 

 どうにかせねば‼︎

 

 学校の廊下で必死に呼び止めた。

 

「あ、愛海果‼︎」

 

 スン顔の愛海果は、またも目も合わさず

「ごきげんよう」

 と、去ってしまった…

 

 これは…

 

 やっぱり…

 

 あー…

 

 ゔー…

 

 …

 

 完全にオコです…

 

 どうすれば…

 

 

 メッセ…絶対みてないだろうなぁ。

 

 とりあえずもう一度、学校が終わってから送ってみた。

 

(愛海果…愛海果が落ち着いたらでいいから、話がしたい。前みたいに愛海果とゲームとかしたい。)

 と、送信した。

 

 が、よくみたら愛海果のおかあさんに送っていた…

 

 バカやん…

 

 慌てて取り消ししたけど…

 

 たぶん、みられたね…

 

 終わった…

 

 完全に口角ダダ下がりです。

 

 いや、もとから上がってなかったけど…

 

 それから数分後、ドタドタと階段をかけあがる音がした。

 

 な、なんだ?

 

 バン‼︎

 

 ドアがあいた。

 

「ごめん、ごめんなさい‼︎」

 

 愛海果が顔を真っ赤にして、オレに謝ってきた。

 

「へ?どう…した」

「わたし…知らなくて…嫌われたんだって勘違いして…だから…ごめん。」

 

 …

 

「メッセみてくれたんだ?」

「えっ⁉︎なにそれ?みてない!」

 

 …

 

「じゃあ、どうして…」

「聞いたの。おかあさんから!」

 

 …

 

 えー…

 

 一番気まずいやつ。

 

「わたしが風邪ひかないように、ずっとうわごと言ってたんでしょ?愛海果は、うつっちゃうから…きちゃダメだよ。愛海果、愛海果って。涼ママがそう言ってたっておかあさんに聞いて…」

 

 ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 

「そう…なの⁉︎恥ずっ」

「ううん。恥ずかしいのは、わたし。涼介が苦しんでいたのに、知らないでひとりで暴走して…怒って…嫌われたんだって勘違いして…話あるって言ったの、察知されて…告白拒否されたんだって…」

「よかった」

「え?」

「愛海果が、愛海果がさ…またここにきてくれてよかった。もうずっとこのまま目も合わせてもらえなくてさ…そしたらオレ…グスッ…」

 

 思わず泣いてしまった…

 

「やだよぉ〜。泣かないでよぉ〜。わたしだって、ずっとさみしかったぁ〜。こわかった…不安だった…グスッ」

 

 二人して、泣きながら抱きしめあった。

 

 ただの風邪からの大泣き…

 

「オレ、もう風邪ひかないからっ![#「!」は縦中横]」

「そんなの…ムリだよ。なら、わたしが喘息治すからっ![#「!」は縦中横]」

「それは、むずかしいだろ…」

「じゃあ、どうすればいいのっ⁉︎」

「付き合おう。オレたち」

「えっ?」

「そしたら、どんなときも繋がっていられるでしょ?連絡ないときは、調子悪いか忙しいとき。でも、それ以外は好き。ずっと大好きだから、連絡ないときは、信じて待っていてほしい。オレも極力連絡するようにするから。だから、それでいい?」

「うん![#「!」は縦中横]そうだよね。うん‼︎信じてる![#「!」は縦中横]じゃあ、今日からあなたは、わたしの彼氏なんだね。よろしく彼氏」

 

 …

 

「なんでだよ…涼介って呼べよ」

「だって…恥ずかしいし…」

「いままでさんざん呼んでたじゃんか」

「それは…幼馴染だったから…」

「かわいいなぁ、愛海果は。オレは呼ぶよ?愛海果愛海果愛海果♡」

「り、涼介♡」

「はあーい‼︎」

「元気だね…」

「元気だけが取り柄なんで」

「風邪ひいたばっかりなのに?」

「ほんとだ」

「「あはは」」

 

 

 風邪から愛がうまれましたとさ♡

 

 

 おしまい♡

 

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