オレが風邪ひいたら幼馴染が激オコになってしまって音信不通に
ノドが痛い…
頭痛もするし、寒気もする。
オレは、学校から帰るなり布団に倒れ込んだ。
ぁァあァァァァァァァ
もう、脳内は…ぐちゃぐちゃだ。
細胞がどうにかなりつつある状況だった。
「あれ?寝ちゃったの?」
遠くのほうで、幼馴染の愛海果の声がしたような気がしたけど、今は…それどころではなかった。
それから数時間後、寒気はおさまったものの、まだ頭が痛かった。
水…水…
砂漠で水を欲しがるかのように、水を欲するオレ。
暗闇を、ノソノソと水を求めて階段をおりた。
シーンとした薄暗いリビングをとおり、コップを無意識に選んで、湧きでる水に感謝して、蛇口を上にあげ、コップを差し出してゴクゴクと水を飲んだ。
おぉ、水だ。
よくわからない感動をおぼえ、テーブルのラップがかけられたご飯を素通りして、また布団に倒れ込んだ。
ムリ…
メシとか、マジで入んない…
ごめん、かあさん。
心でお詫びして、携帯を手にとった。
…
愛海果から、なんかメッセが届いていたので一応ひらいてみた…ものの、文字とか読んでる気力が途絶え、そのまま返信もせずまた寝た。
幸い次の日は、学校が休みだったので助かった。
朝になり、いや…昼になっていたが、とりあえず昨日よりは、まだ回復した気がした。
コンコンと、ドアがノックされた。
「涼介…入っていい?」
この声は、幼馴染の愛海果だ。
オレは、たぶん風邪をひいた。
愛海果に風邪がうつると大変なので、オレは
「今日は、ムリ…そう」
と伝えた。
するとドアの向こうから、少し元気のない声で愛海果が、
「うん…それじゃ、またね」
と、返事してきた。
たぶんゲームしよ?ってきたんだと思う。
また今度なって言いたかったけど…ノドも痛いし、頭もまだぼんやりしていて、雑な対応になってしまった。
しばらくすると、かあさんがおかゆと果物と薬とゼリーとたくさんの飲み物を運んできた。
めっちゃ…多い。
それほど心配度が高いのだと、感謝した。
ありがとうとお礼を述べて、おかゆたちをからだに流し込み、また寝た。
数時間後、だいぶ回復したので携帯をみると…
⁉︎
愛海果から、明日大切なはなしあるから行ってもいい?ってきていた。
…昨日、そんなことが送られてきていたのか。
オレは、内容もまともにみず…挙句に今日はムリと追い返してしまった…。
今度ちゃんと聞くって返そうかとも思ったけど…
しばらく風邪をうつさないように、治るまで接触しないほうがいいなと思い、スタンプを返しておいた。
小さいやつをポンって。
そして、ごめんって言葉を後付けした。
治ったら、きちんと謝ろう。
月曜日、オレは朝学校で愛海果をみかけた。
愛海果がオレに気づいて、こちらに駆け寄ってきそうだったので、風邪をうつさないように、とりあえず手だけで挨拶して、すぐに教室へ入った。
もう、だいぶ回復したけど、まだノド痛いし、愛海果は喘息もちだし…風引くと長引くからな。
それから三日後、オレは回復して愛海果に
「よっ、この前はごめんな。今度ゆっくりどっかいこ」
って謝ったんだけど…
愛海果は、さめた顔して
「あー、もういいです。」
って目も合わせずに行ってしまったんよ…
おいおい…
おいおいおい追う?
…
おいおい…追わない…ほうがよき…ね?
え、怒ってんのかな…
怒ってたよね…
愛海果は、怒ると目を合わせてくれない。
仕方なく、放課後愛海果を待っていたんだけど、いつのまにか帰っていたっぽい。
あー…
困ったオレは、とりあえずメッセを送った。
(ごめん。風邪ひいてて…ほんとごめんて)
って送ったものの…
返信がなく…
また三日が過ぎ…
一日…一日…と、時が過ぎ去るにつれて、オレたちの関係も薄れて…
はや五年…なんてことには、なりたくない‼︎
まだ一週間くらいだし…
どうにかせねば‼︎
学校の廊下で必死に呼び止めた。
「あ、愛海果‼︎」
スン顔の愛海果は、またも目も合わさず
「ごきげんよう」
と、去ってしまった…
これは…
やっぱり…
あー…
ゔー…
…
完全にオコです…
どうすれば…
メッセ…絶対みてないだろうなぁ。
とりあえずもう一度、学校が終わってから送ってみた。
(愛海果…愛海果が落ち着いたらでいいから、話がしたい。前みたいに愛海果とゲームとかしたい。)
と、送信した。
が、よくみたら愛海果のおかあさんに送っていた…
バカやん…
慌てて取り消ししたけど…
たぶん、みられたね…
終わった…
完全に口角ダダ下がりです。
いや、もとから上がってなかったけど…
それから数分後、ドタドタと階段をかけあがる音がした。
な、なんだ?
バン‼︎
ドアがあいた。
「ごめん、ごめんなさい‼︎」
愛海果が顔を真っ赤にして、オレに謝ってきた。
「へ?どう…した」
「わたし…知らなくて…嫌われたんだって勘違いして…だから…ごめん。」
…
「メッセみてくれたんだ?」
「えっ⁉︎なにそれ?みてない!」
…
「じゃあ、どうして…」
「聞いたの。おかあさんから!」
…
えー…
一番気まずいやつ。
「わたしが風邪ひかないように、ずっとうわごと言ってたんでしょ?愛海果は、うつっちゃうから…きちゃダメだよ。愛海果、愛海果って。涼ママがそう言ってたっておかあさんに聞いて…」
⁉︎
えっ⁉︎
「そう…なの⁉︎恥ずっ」
「ううん。恥ずかしいのは、わたし。涼介が苦しんでいたのに、知らないでひとりで暴走して…怒って…嫌われたんだって勘違いして…話あるって言ったの、察知されて…告白拒否されたんだって…」
「よかった」
「え?」
「愛海果が、愛海果がさ…またここにきてくれてよかった。もうずっとこのまま目も合わせてもらえなくてさ…そしたらオレ…グスッ…」
思わず泣いてしまった…
「やだよぉ〜。泣かないでよぉ〜。わたしだって、ずっとさみしかったぁ〜。こわかった…不安だった…グスッ」
二人して、泣きながら抱きしめあった。
ただの風邪からの大泣き…
「オレ、もう風邪ひかないからっ![#「!」は縦中横]」
「そんなの…ムリだよ。なら、わたしが喘息治すからっ![#「!」は縦中横]」
「それは、むずかしいだろ…」
「じゃあ、どうすればいいのっ⁉︎」
「付き合おう。オレたち」
「えっ?」
「そしたら、どんなときも繋がっていられるでしょ?連絡ないときは、調子悪いか忙しいとき。でも、それ以外は好き。ずっと大好きだから、連絡ないときは、信じて待っていてほしい。オレも極力連絡するようにするから。だから、それでいい?」
「うん![#「!」は縦中横]そうだよね。うん‼︎信じてる![#「!」は縦中横]じゃあ、今日からあなたは、わたしの彼氏なんだね。よろしく彼氏」
…
「なんでだよ…涼介って呼べよ」
「だって…恥ずかしいし…」
「いままでさんざん呼んでたじゃんか」
「それは…幼馴染だったから…」
「かわいいなぁ、愛海果は。オレは呼ぶよ?愛海果愛海果愛海果♡」
「り、涼介♡」
「はあーい‼︎」
「元気だね…」
「元気だけが取り柄なんで」
「風邪ひいたばっかりなのに?」
「ほんとだ」
「「あはは」」
風邪から愛がうまれましたとさ♡
おしまい♡




