表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

タイトル未定

作者:Exception
最新エピソード掲載日:2026/01/10
降りしきる雨の中、男は馬を駆り、王城へと急いでいた。森を抜け、たどり着いた崖の上で彼が目にしたのは、すでに炎上し、夜空を焦がす王城の姿だった。燃え盛る城を見つめながら、男の脳裏には、安否を案じるある人物の顔が浮かんで消えない。彼の心は焦燥と不安で満たされていた。

城門の手前で馬を繋ぎ、男は熱風と煙が渦巻く城内へと迷わず踏み込んだ。かつて豪華絢爛だった回廊は、今や崩れ落ちた瓦礫と燃え盛る木材の山と化していた。四方八方から燃え盛る炎が、男の視界と行く手を阻むが、彼は記憶だけを頼りに、城の最奥にある玉座の間を目指す。

ついに玉座の間に辿り着いた男の目に飛び込んできたのは、焼け焦げた室内の中央に横たわる、王と王妃の亡骸だった。彼らの体から生命の輝きは失われ、男は膝から崩れ落ち、自らの無力さを呪う。「くそっ……間に合わなかった。なぜだ……なぜ、お守りできなかったのだ!」

その時、燃え盛る城の喧騒の中、男の耳に、かすかな、しかし確かに命を訴える赤ん坊の泣き声が届いた。音のする方、暖炉の奥を覗き込むと、そこには王妃の形見と思しきティアラの上で、小さな赤ん坊が布にくるまって泣いていたのだ。男は震える手で赤ん坊を抱き上げ、その首元に王家を示す紋章の首飾りを見つける。この子が、王と王妃の王子であることに気づいた男は、亡き国王と王妃を刺殺し、城を焼き払った諸悪の根源への怒りを新たにする。

「必ず……必ず、突き止めてやる。この惨劇の裏に潜む、すべての真実を!」

男は王子を抱きしめ、「必ずお守りいたします」と誓う。崩壊が始まる城から、瓦礫や炎の中を駆け抜け、間一髪で脱出する男。彼の腕の中には、小さな王子が温かく眠っている。王子の首に輝く王家の紋章を見つめ、男は失われた王国を取り戻し、この悲劇の裏に隠された真実を暴くという、新たな旅路へと歩み出すのだった。
最後の王子
2026/01/10 21:37
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ