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宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった  作者: 初雪空
第一章 魔術師、来たる
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スラム・ファイアー(前編)

室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!

https://hatuyuki-ku.com/?p=707

 潜入捜査官の銃は、一般の警察官や警備と違う。

 なぜなら、周りに敵の構成員だけ!


 万が一にも素性がバレれば、そのまま拷問だ。


 捜査員に貸与される拳銃は、特別。

 民間に出回っていない弾数が多いマガジン、フルオートができるなど。


 けれど、普段はすぐに見つからない場所に隠しておき、あえて粗悪な拳銃を使うのだ。


 公的な機関だけが使える拳銃など、私は捜査員です! と自己紹介しているだけ……。


 本川(ほんがわ)高校に潜り込んだ水鏡(すいきょう)アレーテも、自衛のために拳銃を隠して持つ。


 他人に見つかりにくい、非常に小さいセミオートマチックだ。


 通常よりも小さな弾丸を用い、威力は低い。

 けれど、当たれば殺せて、銃撃戦ができるラインは維持している。


 サイズだけなら、もっと小さいのがあるが……。


 アレーテの愛銃は、セミオートマチックでほぼ最小。

 片手でグリップを握ると、一番下の小指があまるほどに。


 装弾数は、6発+1発。

 後ろのハンマーが隠れていて、ダブルアクションのみ。


 ガード・スペシャル。


 ボディガードも愛用している、正規メーカー品だ。


 綾ノ瀬(あやのせ)奈々美(ななみ)を退避させたアレーテは、そのガード・スペシャルを偽装したままで、夜の公園へ向かった。


 申し訳だけの広さである公園には、本川高校のセーラー服が待っていた。


 見るからにギャルっぽい女子は、アレーテを見て、にやりと笑う。


「あんたが、綾ノ瀬の代わり? 合格だ! つっても、現役JKで制服を着ていりゃ、男はどんなブスでも構いやしねーけどな?」


 スマホを持っていない片手で、こちらへ来るようにジェスチャー。


 アレーテは、大人しく従う。


「何ですの――」

 カシャッ!


 スマホのカメラを向けたギャルは、唐突にアレーテを撮影した。


 眉を上げたアレーテに、ギャルが説明する。


「おしまーい♪ 綾ノ瀬の淫紋に気づいたまでは、良かったけどなあ? 迂闊すぎるんだよ、お前! 今の写真撮影で、バッチリ淫紋を刻まれたとさ! 綾ノ瀬を助けても、これで意味なし! テメーもじわじわ効いてくるから。来週までには自分から腰を振っている――」


 アレーテの右手にあるセミオートマチックを突っ込まれ、ギャルは黙った。


 正確には、モゴモゴと言っているが……。


「あなたが淫紋を刻んだと分かれば、用済みですわ! トリガーに指がかかっていますから、暴れると撃ちますわよ? 口の中で撃たれれば、弾が脳に当たって確実に死にます」


 それを聞いたギャルは、ダラダラと汗を流しつつ、口を動かすのを止めた。


「とても魔術を使える顔ではない……。誰に、そのスマホを――」

「お嬢ちゃん、オイタが過ぎるぜ? リカを放しな!」


 ドスの利いた声に振り向けば、小さな公園を囲むように若い男たちの姿。


 先頭にいるチンピラは、ニヤニヤしたまま。


「リカをぶっ殺しても、構わねーぜ? テメーが廻されるだけ……。その銃がフカシでなければ、サツの世話になりたくないだろ? 今なら、俺らが狙っていた綾ノ瀬を連れてくるだけでいいぜ?」


 時間を稼げば淫紋付きのわたくしが性欲で堕ちるから、連れてこさせた綾ノ瀬奈々美にも淫紋をつけ直すと……。


 ここを見張っているチンピラの狙いを理解したアレーテは、トリガーから指を離して、銃口を抜く。


 命の危険にさらされたギャルが、激怒する。


「ぷはっ! くっそ、テメーはぜってーに――」

「お前は黙ってろ! 銃をこっちに投げろ!」


 アレーテは、低い姿勢からのアンダースロー。


 小さなセミオートマチックは、地面に落ちて、ガチャリと音を立てた。


 警戒しながら拾ったチンピラは、グリップの底からマガジンを抜き、上のスライドを半分だけ後退させる。


「おほっ! これ、正規のガード・スペシャルか!? いい趣味しているじゃねえか?」


 おもむろに銃口を向け、トリガーを引く。


 パンッ! キンキンッ


 アレーテの近くにある地面が、小さく弾けた。


 空薬莢も、チンピラの傍にある地面で跳ねる。


 にやりとしたチンピラは、銃口を下げた。


「いいねえ……。小さくて隠しやすいし、俺の銃にすっか! 儲け、儲け!」


 日本では入手しにくい銃だけに、チンピラは嬉しそうだ。


 その時に、弾丸のように走り込んできた人影が、チンピラの正面からぶつかった。


「いてっ! テメー、ふざけんじゃ――」

 ドォンッ!


 くぐもった銃声と同時に、チンピラは前へ折れ曲がった。


 開いた口から、ぐはっ! と吐き出す。


 片手で持っていたセミオートマチックを落としつつ、後ろに倒れ込んだ。


 周りに立っていた男どもが、一斉に騒ぎ出す。


「てめー! ッスぞ――」

 ガシャン ドンッ!


 両手に持っているショットガンで、銃身の前方の下にある片手が前後に動いた。


 なぜか、銃声が聞こえる。


「ふざけんな――」

 ガシャン ドンッ!


 3人目が撃たれて、後ろに吹っ飛ぶ。


 ガシャン ドンッ!


 ガシャン ドンッ!


 手動のショットガンとは思えない連射だ。


 ビビった男は、背中を向ける。


「ひぃいいいっ!」

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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