表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった  作者: 初雪空
第一章 魔術師、来たる
4/29

立て籠もり犯を瞬殺できる普通の女子校生ですわ!

室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!

https://hatuyuki-ku.com/?p=707

 立て籠もり犯をぶっ飛ばした水鏡(すいきょう)アレーテは、白いセーラー服ですたすたと歩く。


 片手に、どこかで買い物をした袋を下げている。


 繁華街と呼べるエリアで、雑居ビルによる壁がある歩道を進むも、声をかける者はいない……。


 暗くなってきた。


 歩道を照らす明かりに、1階の路面店はガラス張りで、その明かりもアレーテを照らし出す。


 とある雑居ビルの端にある外階段に足を向けたアレーテは、せまい暗がりに消えていく。


 2人がすれ違えるぐらいの階段を上り、外に剥き出しの廊下へ。


 玄関ドアの1つと向き合い、インターホンを鳴らした。


(さい)? 帰りましたわよ?」


 返事がないことから、握っていた鍵を差し込み、一回転。


 玄関ドアをつかみ、サッと開ける。


 けれど、白い光で満たされていることに驚く。


「あら? そろそろ、電気が止められるはずですけど……」


 首をかしげつつ、すぐに入って玄関ドアを閉め、内鍵を回す。


 チェーンをつけようと――


「切られている!? 才? 無事なので?」


 カッターで2つにされたままのチェーンを見たアレーテは、すうっと目を細めた。


 自分のパートナーの名前を言いながら、家の中を見回した。


 けれど、間の抜けた声で、肩を落とす。


「いるなら、いると言ってくださいまし!」



 ◇



 俺がシャワーから出てきたら、不満そうな水鏡アレーテがいた。


 血と硝煙の香りで、戦闘があったことを知る。


「何があった?」


 片手の買い物袋を上に掲げて、得意げに言う。


「事件を解決しました! 30万円は稼いだから、滞納していた分を払っても数ヶ月は暮らせ――」

「悪い! こっちも、ヤバい事件に首を突っ込んでな?」


 観察特区で珍しいデパートの袋が、ボトッと床に落ちた。


 若干だけ怖い笑顔で、俺を見てくる。


「どこですの?」


綾ノ瀬(あやのせ)の……」


 両手を腰に当てたアレーテは、顔を引きつらせつつ、尋ねてくる。


「まあ、ヤバいところですわね? 具体的には?」


「特区の外にある本川(ほんがわ)高校への潜入捜査……。俺とお前で!」


 落とした買い物袋を拾ったアレーテが、ダイニングテーブルに置く。


 自分のスマホを手にして、すぐに検索。


「本川……。ああ、これは危険ですわね?」

「クスリの可能性もあるけど、十中八九、オカルト絡みだ」


 スマホを見たままで、歩き出すアレーテ。


「綾ノ瀬がうちにやってくるとは、訳ありで?」


「実は――」


 一通り説明したら、アレーテはスマホを置いた。


「今になって断れば、逆恨みされる……。才の考えは?」


「綾ノ瀬奈々美(ななみ)を確保する! どうなっているか知らないが、彼女の兄である一京(いっきょう)を納得させるために……。本川高校を消滅させてもだ」


 ニィと笑ったアレーテは、面白そうに返す。


「いいですわ~! 才がそこまで気にしないのは、珍しいですわね? 編入は綾ノ瀬がやるんで?」


「そうだ! 先に、お前が行ってくれ! 俺たちは兄妹という触れ込みだが、どうせ別のクラスにされる……。奈々美を確認するまで、なるべく戦闘を避けろ! 自衛を許可する。状況によっては、暴れて構わん」


「イエス、マイマスター!」



 ――数日後


 本川高校のセーラー服を着た水鏡アレーテが、廊下を歩いている。


 担任の女教師は、後ろにいるアレーテに言う。


「水鏡さん? 先に済ませておく?」


「はい、すぐに終わらせますので……」


 女子トイレに入ったアレーテは、1つの個室に入り、ドアを閉めた。


 学校指定のカバンから、黒い物体を取り出す。


「気難しい女子はいないから……。そこまで緊張しなくても、大丈夫よ?」


「はい、先生……」


 右手でポリマーグリップを握ったアレーテは、底からマガジンを抜き、小さな穴から見えるところで残弾をチェック。


 逆戻しで差し込み、シャッ カチンという、小さな音。


 左手で上のスライドを握り、後ろに引いてから、離す。


 シャコンッと、実銃だけの音が響いた。


「水鏡さん?」」


 一呼吸したアレーテは、すぐに応じる。


「今、出ますわ……」


 装填したセミオートマチックを隠しつつ、水が流れる音。



 ――1年2組


 “水鏡アレーテ”


 黒板に書かれた名前と、教壇の横に立つ本人。


 担任の女教師が、座っている生徒たちに告げる。


「今日からクラスメイトになるから、仲良くね?」


「うーっす!」

「はい」


 一部の生徒が返事をして、それ以外はアレーテを眺めるだけ。


 席を指定され、彼女の高校生活が始まった。


 周りにいる女子と休憩時間に話し、その流れでランチを一緒にとる。


「その目って、カラコン?」

「いいえ、元々ですわ」


「アーちゃん、外国人だものねえ……」



 初日が過ぎて、2日目、3日目。


 使い古した教室や、設備。


(よくある公立……。育ちがいいとは言えませんが、最底辺というほどでも)


 肩透かしだ。


 小型のセミオートマチックを忍ばせているのが、バカバカしく思える。


「気をつけたほうがいい女子って、いますの?」


「うーん? 不良といる子には、近づかないほうがいいよ?」

「あいつ、1回5,000円でお口とか」

「うえー!」


 目の前にいる女子グループを見ながら、アレーテは息を吐いた。


(住み分けをしていると……。才が来るまでは、動かないほうが良さそうですわ)

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ