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宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった  作者: 初雪空
第一章 魔術師、来たる
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エロゲのバッドエンドになりそうな妹を助けてくれ!

室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!

https://hatuyuki-ku.com/?p=707

 怖いお兄さん達に、自宅が占拠された。


 拳銃を突きつけられ、このまま18禁の展開か!? と思いきや……。


「若、お気をつけください!」

「ああ、すまない」


 玄関から入ってきたのは、大学生ぐらいの男子だった。


 短い髪型だが、よく考えられた黒髪。


 それに、薄い青色、ペール・ブルーの瞳。


 上はジャケットだが、カジュアル寄りのセミフォーマルだ。


 知的な美形と言われそうな顔をした御曹司は、俺の前に立った。


「本当に、すまない……。オカルト探偵の君に依頼しに来たが、受けてくれなくても一連の費用はこちらで持つ」


「それは当然ですね……。とにかく、おかけください。あと……」


 振り向いた男子が、命じる。


「お前たちは、外に出ていろ! 取り上げた銃も、返すように」


 反論しようとした黒服だが、すぐに応じる。


「……承知しました」


 せめてもの抵抗か、俺のリボルバーをソファーの上に置いた。


 一部の黒服は、拳銃をホルスターに収める。


 それ以外は、俺を気にしながら、銃口を下げた拳銃を持ったままで廊下へ。


 バタンと、玄関ドアが閉じられた。


 見届けた男子は、置かれたリボルバーを手にとった。


「ダブルアクションだけの、ハンマーが内蔵されたタイプか……。大手メーカー製だが、自宅でこれかい?」


 銃口を横にしたままで、リボルバーが差し出された。


「どうも……。家の中でズボンの前に突っ込むホルスターや、肩に吊るすショルダーホルスターを身に着ける気はないです! ポケットに入れっぱなしで抜けるから、近所のコンビニに行くときも重宝しています」


 リボルバーを受け取りつつ、トリガーに指を触れないよう、誰にも当たらないほうへ銃口を向けたまま、すぐに掴めない位置へ置いた。


 俺と向き合うようにソファーに座った男子が、苦笑する。


「それはそうだ……。最初に、自己紹介をしよう」


 出されたIDには、こいつの顔写真と、綾ノ瀬(あやのせ)一京(いっきょう)という名前。


「今は、大学生と会社経営を両立させている……。依頼したいのは、妹の発見と救出だ」


 IDを仕舞いつつの発言に、俺は眉をひそめた。


「警察に言ってください……。綾ノ瀬だったら、さっきの奴らのように私兵もいるでしょう?」


 頷いた一京は、自分に言い聞かせるように説明。


「その通りだが……。妹の綾ノ瀬奈々美(ななみ)がいるのは、観察特区の外にある高校でね? いくら綾ノ瀬でも、強引に動けない」


「待ってください! 話が見えません」


 再び頷いた一京は、スマホで1枚の写真を見せてきた。


 兄妹らしく同じ黒髪だが、こちらはストレートのロング。


 美人と呼べる顔にあるペール・ブルーの瞳は、俺を見ている。


 微笑んだまま。


(正確には、これを撮影した兄に……)


 見惚れていたら、一京が話す。


「奈々美は、特区にある魔法学校で首席だ! しかし、本川(ほんがわ)高校に潜入したきり、音信不通になった……。妹は、正義感が強くてな? 魔法学校で騙されて、単身の潜入捜査に行ったようだ! 俺はちょうど海外に行っていて、帰国後に知らされたよ」


「騙した奴らは?」


 意味ありげに微笑んだ一京は、事もなげに言う。


「どいつも、しっかり分からせた! 魔法犯罪を取り締まる綾ノ瀬が、よっぽど目障りだったようでな? 奈々美を焚きつけて、本川高校へ編入させた。どうも、その高校では行方不明になる生徒が続出しているようで……」


 断りを入れて、スマホで検索する。


“本川高校で、11名の生徒が失踪! 警視庁は校内への立ち入り調査を求めており――”


 顔を上げて、一京を見る。


「俺に、潜入捜査をしろと?」


「そうだ! 正直に申告するが、大手の探偵事務所などに依頼した後なんだ」


 緊張した俺は、おずおずと尋ねる。


「どうなりました?」


 首を横に振った一京が、言い捨てる。


「1人は、そこの女子との淫行で逮捕された。別の1人も、同様で……。ならばと、高校生に見える女を送り込んだが……」


「だが?」


「やはり音信不通になった挙句、成金が集まっているタワマンの乱交パーティーに参加していた! ついに、全ての調査が打ち切られたわけだ」


 うつむいた一京は、意気消沈。


 片手で前髪をかきあげるように、自分の顔を覆った。


「今ごろ、奈々美も……。くそっ! 俺が目を離さなければ!」


「手段を選ばなくて良ければ、俺が行きます」


 一京は、顔を上げた。


水鏡(すいきょう)くん?」


 それを見たままで、告げる。


「最善は尽くします! けれど、今の時点で手遅れの可能性もあります……。それに、本川高校の犠牲がどれだけになるかも、お約束できません」


 立ち上がった一京は、力強く頷いた。


「分かった! いくらかかっても、構わない! 妹を……奈々美を助けてくれ! お願いだ! 本川高校への編入は、すぐに手配する」


「ああ、そうだ! 俺の他に、女子1人分の学籍もお願いします」


 首をかしげた一京が、尋ねる。


「君の……何だ?」


「この探偵事務所にいる所員で……。荒事にも向いていますから」


 反対しかけた一京は、首を振った。


「そうか! 時間が惜しい。男女の2人で、本川高校の編入手続きを急ごう」

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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