エロゲのバッドエンドになりそうな妹を助けてくれ!
室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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怖いお兄さん達に、自宅が占拠された。
拳銃を突きつけられ、このまま18禁の展開か!? と思いきや……。
「若、お気をつけください!」
「ああ、すまない」
玄関から入ってきたのは、大学生ぐらいの男子だった。
短い髪型だが、よく考えられた黒髪。
それに、薄い青色、ペール・ブルーの瞳。
上はジャケットだが、カジュアル寄りのセミフォーマルだ。
知的な美形と言われそうな顔をした御曹司は、俺の前に立った。
「本当に、すまない……。オカルト探偵の君に依頼しに来たが、受けてくれなくても一連の費用はこちらで持つ」
「それは当然ですね……。とにかく、おかけください。あと……」
振り向いた男子が、命じる。
「お前たちは、外に出ていろ! 取り上げた銃も、返すように」
反論しようとした黒服だが、すぐに応じる。
「……承知しました」
せめてもの抵抗か、俺のリボルバーをソファーの上に置いた。
一部の黒服は、拳銃をホルスターに収める。
それ以外は、俺を気にしながら、銃口を下げた拳銃を持ったままで廊下へ。
バタンと、玄関ドアが閉じられた。
見届けた男子は、置かれたリボルバーを手にとった。
「ダブルアクションだけの、ハンマーが内蔵されたタイプか……。大手メーカー製だが、自宅でこれかい?」
銃口を横にしたままで、リボルバーが差し出された。
「どうも……。家の中でズボンの前に突っ込むホルスターや、肩に吊るすショルダーホルスターを身に着ける気はないです! ポケットに入れっぱなしで抜けるから、近所のコンビニに行くときも重宝しています」
リボルバーを受け取りつつ、トリガーに指を触れないよう、誰にも当たらないほうへ銃口を向けたまま、すぐに掴めない位置へ置いた。
俺と向き合うようにソファーに座った男子が、苦笑する。
「それはそうだ……。最初に、自己紹介をしよう」
出されたIDには、こいつの顔写真と、綾ノ瀬一京という名前。
「今は、大学生と会社経営を両立させている……。依頼したいのは、妹の発見と救出だ」
IDを仕舞いつつの発言に、俺は眉をひそめた。
「警察に言ってください……。綾ノ瀬だったら、さっきの奴らのように私兵もいるでしょう?」
頷いた一京は、自分に言い聞かせるように説明。
「その通りだが……。妹の綾ノ瀬奈々美がいるのは、観察特区の外にある高校でね? いくら綾ノ瀬でも、強引に動けない」
「待ってください! 話が見えません」
再び頷いた一京は、スマホで1枚の写真を見せてきた。
兄妹らしく同じ黒髪だが、こちらはストレートのロング。
美人と呼べる顔にあるペール・ブルーの瞳は、俺を見ている。
微笑んだまま。
(正確には、これを撮影した兄に……)
見惚れていたら、一京が話す。
「奈々美は、特区にある魔法学校で首席だ! しかし、本川高校に潜入したきり、音信不通になった……。妹は、正義感が強くてな? 魔法学校で騙されて、単身の潜入捜査に行ったようだ! 俺はちょうど海外に行っていて、帰国後に知らされたよ」
「騙した奴らは?」
意味ありげに微笑んだ一京は、事もなげに言う。
「どいつも、しっかり分からせた! 魔法犯罪を取り締まる綾ノ瀬が、よっぽど目障りだったようでな? 奈々美を焚きつけて、本川高校へ編入させた。どうも、その高校では行方不明になる生徒が続出しているようで……」
断りを入れて、スマホで検索する。
“本川高校で、11名の生徒が失踪! 警視庁は校内への立ち入り調査を求めており――”
顔を上げて、一京を見る。
「俺に、潜入捜査をしろと?」
「そうだ! 正直に申告するが、大手の探偵事務所などに依頼した後なんだ」
緊張した俺は、おずおずと尋ねる。
「どうなりました?」
首を横に振った一京が、言い捨てる。
「1人は、そこの女子との淫行で逮捕された。別の1人も、同様で……。ならばと、高校生に見える女を送り込んだが……」
「だが?」
「やはり音信不通になった挙句、成金が集まっているタワマンの乱交パーティーに参加していた! ついに、全ての調査が打ち切られたわけだ」
うつむいた一京は、意気消沈。
片手で前髪をかきあげるように、自分の顔を覆った。
「今ごろ、奈々美も……。くそっ! 俺が目を離さなければ!」
「手段を選ばなくて良ければ、俺が行きます」
一京は、顔を上げた。
「水鏡くん?」
それを見たままで、告げる。
「最善は尽くします! けれど、今の時点で手遅れの可能性もあります……。それに、本川高校の犠牲がどれだけになるかも、お約束できません」
立ち上がった一京は、力強く頷いた。
「分かった! いくらかかっても、構わない! 妹を……奈々美を助けてくれ! お願いだ! 本川高校への編入は、すぐに手配する」
「ああ、そうだ! 俺の他に、女子1人分の学籍もお願いします」
首をかしげた一京が、尋ねる。
「君の……何だ?」
「この探偵事務所にいる所員で……。荒事にも向いていますから」
反対しかけた一京は、首を振った。
「そうか! 時間が惜しい。男女の2人で、本川高校の編入手続きを急ごう」
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