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ブクマありがとうございます〜!!!!
めちゃくちゃ嬉しいです(*^ω^*)
リュカの小っ恥ずかしい告白どうぞお楽しみください!
何故リリーが泣いていたのか……その理由はわからなかったが、あの日以来毎日リリーと食事を共にしている。
彼女はとても頭の回転が速く、好奇心旺盛で、どのような話も興味深々といった表情で聞き、気になることはすぐに質問をしてくる。
その質問がまた鋭いので、話していてとても楽しい。
気づけば食事の時間をーーリリーと会話する時間を楽しみにしている自分に気づく。
女は苦手だったのに……彼女のことはなぜか……。
愛おしい。
こんな感情を女に抱く日かくるとは思わなかった。
「旦那様、最近楽しそうですね」
セバスがニヤニヤしながら話かけてくる。
嫌味なやつだ。
それもこれもリリーが原因だとわかっているくせにわざとそう言ってくるのだ。
「わかっているくせに、わざわざ言うな」
「クス。失礼しました。ですがそちらにかかわることで1点報告がございまして……」
「なんだ?」
「国王様より夜会の招待状が届いております。いつもでしたら、おひとりで参加されていますが、いかがいたしますか?」
なるほど……確かにいつもであれば、婚約者を連れていくことはない。
それが原因で何度も婚約破棄になっている。
だが、女を連れて夜会に参加するなどゾッとする。腕を掴まれ、興味のない話題を聞かされ、他の女性に対してマウントを取り、そんな下賤な女と密着してダンスをする。頼まれたってごめんだ。今までは……。
今はリリーと一緒に夜会に参加したいと思う。
俺のパートナーはこんなにも美しく魅力的だと見せびらかしたい。
特に無能グリスに……。
彼女を虐げてきたのであろうケスチェ家に見せつけてやりたい。
俺が彼女を誰よりも何よりも幸せにするのだと言うところを……。
彼女は俺の話を聞くとき、くるくる表情が変わる。
そこがまた魅力的で、俺は夢中になってしまうのだが、ケスチェ家にかかわる話になると暗く沈んだ顔をする。
何故彼女がケスチェ家で虐げられていたのか、ケスチェ家でどのような生活をしていたのか聞きたいけれど、ケスチェ家の話が出るだけで暗くなってしまう彼女に尋ねることはできない。彼女につらい思いをさせたくない。
いつかこの家にいて、心の傷が癒え、彼女が俺に話しても良いと思える時がくるまで、俺は待つつもりだ。
ただ調べはした。ケスチェ家がリリーに何をしたのか。
俺は彼女を深く傷つけたケスチェ家を絶対に許さない。
すでに没落しかけているが、まだ逃げられる余地は残っている。
絶対に逃がさない。
リリーにしたことを悔いて悔いて悔いるまで追い詰めてやる。
招待状をトンと机に指でたたきつける。
「この夜会にケスチェ家が参加するかどうか確認しろ。参加しないようであれば、リリーを連れていく。参加するようであればリリーは参加させない」
誰よりもケスチェ家にリリーの今の姿を見せつけたいが、リリーがつらい思いをしないことが優先だ。
「すでに確認はとれております。ケスチェ公爵家は都合により不参加とのことです」
「ふっ。そうだと思っていた。ケスチェ家にかかわる事業は大分押さえたからな。金が回ってないんだろう。セバス、リリーに最高級のドレスと最高級のジュエリーを用意しろ!リリーを社交界にだすぞ」
セバスは嬉しそうに笑いながら「かしこまりました」と言い、部屋を離れた。
「リリー、君を世界一幸せな女性にしてみせる」
思わず俺はそう呟いていた。