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ブクマありがとうございます〜!

嬉しいです!!楽しんでいただけますように......!


「嫌よ!!!嫌!!!!絶対に嫌!!!」


シェリルの絶叫が響き渡る。

あの夜会以降、さらに我が家ーーケスチェ家は貴族社会でも孤立してしまい、ほとんど立ち行かない状況に陥っている。


原因はムーン公爵だ。

夜会の後すぐにムーン公爵がケスチェ家とつながりのある貴族を粛清したのだ。


ケスチェ家と関わると没落の道連れにされると今ではどの貴族もケスチェ家を避けるようになった。

貴族だけではなく、その噂を知る商人もケスチェ家を避けるので、商人から日用品を買うことさえ困難になってしまっている。

そのため使用人にはケスチェの名を隠しながら食材等を購入してもらっている。

そんな様子に使用人も様子がおかしいと感じ始めているようで、優秀な使用人の何人かは退職していった。


「しかし姉上、現在ケスチェ家は右にも左にも立ち行かなくなってしまっているのです。このままいけば没落待ったなしの状況なのです。そこを優しいヘンティスト辺境伯が姉上を嫁に寄越せば、ケスチェ家を支援してくれると言っているのです。もし姉上が結婚を拒否すれば、ケスチェ家の没落は確定。そうなれば、姉上は今までのように暮らしていけなくなります。姉上、貴族に産まれたときから政略結婚は覚悟していましたよね?最悪、爵位を返上しなければならなくなるかも……」


僕--アレクは姉であるシェリルを説得するように父グリスに頼まれた……、いやそれは違った。

父は家のため金策に走り回っている。

それを言い訳にして、姉上の結婚の説得を僕に押し付けてきたのだ。


シェリルがソファの腕部分に顔をうずめて、泣きながら叫ぶ。


「それでも嫌よ!ヘンティスト辺境伯と言ったら、デブでハゲでおかしな性癖を持っていて、しかも愛人をメイドにして何人も家に囲っているって噂じゃない!!!そんなところにお嫁に行くなんて、絶対に嫌。それになんで私なの?お義姉さまを呼び戻して、お義姉さまをヘンティスト伯爵のところにお嫁に行かせればいいじゃない!!!」


なるほど!確かにリリー義姉上を呼び戻すのは良いかもしれない。

シェリル姉上を説得するより、少し時間はかかるがそっちの方が楽にことが進むように感じた。

先日の夜会のリリー義姉上の姿であれば、ヘンティスト辺境伯も満足するだろう。


リリー義姉上がムーン公爵を暗殺することはもうそんなに難しくなさそうだったし

、ムーン公爵家に使いをだそう。

リリー義姉上を虐げるのが一番上手だったあの侍女に、リリー義姉上に早くムーン公爵を暗殺するようにけしかけさせる。

そうすれば、あの夜会でいい気になっていたリリー義姉上も自分の罪を思い出し、すぐに行動をおこしてくれるだろう。

だって、俺たち家族がそうリリー義姉上を育てたからね。


ムーン公爵が暗殺されれば、現在の村八分のような状況も緩和されるだろうし、リリー義姉上がやったとバレなければ、財産なども少しは分けてもらえるだろう。

ああ、良いことずくめじゃないか!

そのあとは、喪にふくしたフリをさせながら、ヘンティスト辺境伯に婚約者としてリリー義姉上を送ってしまえば、すべてが丸く収まる。


「シェリル姉上は本当に天才ですね!そうしましょう!リリー義姉上にヘンティスト辺境伯のもとにお嫁に行ってもらうことにします!」


急に話が変わってびっくりしたのか、ぽかんとした顔で僕を見つめる姉上。

そんな姉上の頭をなでながら僕はにっこり笑う。


「まずはリリー義姉上にムーン公爵を暗殺してもらいましょうかね」


ブクマ10人記念小話


使用人1「マリー様、リリー様が使われている石鹸ってどちらのなんですの?リリー様、とても美しくなられたので気になって......」

マリー「わかるわ〜!!気になるわよね!!でもね、ここだけの話......リリー様の使ってる石鹸とっても高いのよ!!この石鹸なんだけどね、あなたの一月分の給金と同じくらい!!でもね.......実は私も使い始めたの.......年をとっても女の子は美しくなりたいものよね」

使用人2「マリーさまあああああ!!!私もその石鹸買います!」

「私も!!」「私も!」「私も!」

マリー「み、みんな.......リリー様目指して一緒に美しくなりましょうね!!」

「「「「はい」」」」


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