プロローグ:自殺配信
ガチの異世界系を書いてみたかったので書いてみました。
「───映ってる?」
亮太は、駅のベンチにスマホを設置し、視聴者にそう問いかけた。
「お、始めたばっかなのに10人くらい見てくれてる。やっぱタイトルって大事だね」
そう言って、造った笑みを浮かべた。
「死ぬまで暇だから、質問受け付けてま〜す。いや〜、画面録画とかされて色んなところで拡散されるんだろうなぁ。あ、通報とかしないでね。ライブ止められちゃうから」
亮太は、次々と寄せられる質問に答えていった。
「レオナルド・ダ・ウンチさん。『いつ死ぬの? 』……あと2分後に特急列車に飛び込む。死ぬなら一瞬で死にたいからさ。だから……2分間だけ相手してよ」
「ドスコイ侍さん。『生まれ変わったら何になりたい? 』う〜ん、飼い猫とか? 何してても文句言われなそうだから」
「加藤康太さん。『死ぬの怖くないの』って? 当たり前じゃん。君には、今の俺の気持ちなんて分かんないでしょ?」
「抹茶さん。『嘘乙』…… 安心して、嘘じゃないから。ちゃんと見ときな?」
視聴者にそう笑いかけると、スキップしながら黄色い線を内側に立ち、列車が来るのを待った。亮太は何より、現状から開放される事が嬉しくて仕方なかった。死の恐怖を上回る程に。
特急列車は、とてつもない速さで迫ってきた。それを見計らい、タイミングよく線路に飛び込んだ。轢かれる手前、車掌と目が合い、そこで意識を失った。