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彼女の思い出(2)

「じゃあ、せめて盛り付けとお皿運びは手伝って。それぐらいならいいでしょ」

「はいよ」

 いつもどおり、3人で朝食を食べる。鼈宮谷さんならともかく結月が居候することになったのは完全な予想外だったが、ご飯を作ってくれるからまだいい。

「そう言えば、今日の昼飯はいらない。ちょっと出かけてくる」

「え? いらないの? どこに行くの?」

「ちょっと、この前会ったミトちゃんさんと飯を食いに行くんだ」

「……………………」

 結月の目つきが鋭くなった。

「…………ふぅ〜ん?」

「待て待て、別にやましいことじゃないし、そもそもオレから誘ったわけじゃない。ミトちゃんさんから来てくれないかって言われたんだ」

「あたしたちは呼ばれてないの?」

「オレと話がしたいそうだ」

「ふぅ〜ん? へぇ〜っ? ほぉ〜っ?」

 ものすごく敵がい心むき出しで見られているような気がする。事実を言っただけなのに。もう少しやんわりとした表現にするべきだったか。

「別に、お前が思っているようなことはなにもないと思うぞ」

「…………稜希さん、エッチをしてくるんですか?」

 身も蓋もクソもない言われようである。

「鼈宮谷さん。そこのムッツリ系女子に影響されちゃダメだ。たぶんどんなに道を踏み外したとしてもエッチなことではないはずだ。そんなに心配するようなことはない」

「…………そうでないなら、ボクは問題ないです」

 別に、ただ話をするだけでそんな展開になるはずがないだろう。

「…………ふん。あとでひまちゃんにどんな話をしたのか聞き出そっと」

「本人が話してくれるのならいいんじゃないか」

「夕飯はいるの?」

「一日中話をするわけじゃなし、夕飯はいるよ。適当な時間に帰ってくるから」

「あそう。まあ、なんにもしないんならいいけど」

「どちらかというと即座にエッチだのセックスだのに行き着くお前のほうがすごいと思うんだが」

「…………ふん」

「それじゃ、よろしく頼む」


 11時20分。

「そろそろ出るか」

 駅までは20分もあれば歩いていけるのだが、約束の時間にギリギリで到着するのはオレが許せない。だから20分前ぐらいには到着するようにしている。

「あの店、たしかランチタイムは12時からだったよな…………」

 12時より前に入って注文するとランチタイムでなくなってしまう。そこは外で時間調整をしながら入ることにしよう。

「じゃ、行ってきます」

「ひまちゃんを襲ったら、コロス」

「んなことするわけないだろ…………」


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