彼女の違和感(11)
《UFOの目撃情報! 鮮明な写真を入手!》
《地球の人間も広義に捉えれば宇宙人です》
どれもこれも、信ぴょう性のかけらもない情報ばかりだ。そもそも、地球の人間は有人での宇宙旅行を実現できていない。
地球の外に出たことがないのに、宇宙人がいるかどうかなんてわかるはずもない。宇宙人が向こうからやって来ること以外は。
別にオレは、鼈宮谷さんの過去がどうであろうと…………今に問題がなければそれでいいと思っている。鼈宮谷さんだって、知られたくない過去ぐらいあるだろう。
でも、彼女はなにか起こるかもしれないと言った。そのなにかがどんなことなのかわからないが、トラブルに巻き込まれるのは…………正直なところ、嫌だ。
「そもそも…………」
そもそも、彼女は宇宙人なのか? 地球人なのか? 人間なのか? 彼女がなにかを話してくれない限り、オレたちに知り得ることのできる情報は多くない。
前情報もなにもない状態で空から降ってきたんだ。事前に察知することができていれば、それ相応の対処ができたのかもしれないのに。
鼈宮谷さんと出会った日から、同じ疑問がぐるぐると堂々巡りしている。唯一彼女についてわかったことは、『過去を知っているかもしれない』ということだけ。
彼女はなにかを知っている。というよりも、記憶喪失であるのは嘘だと考えている。悪意があって嘘をついているわけではなく、嘘をつかなければいけない理由を考えるんだ。
「はあ…………」
肘を机につきながら、両手で顔をこする。考えがまとまらない頭にはちょうどいい刺激だ。
「…………あ」
肝心なことに気がついていなかった。鼈宮谷さんが空から降ってきた日、あの流れ星を目撃した人が他にいないか調べてみよう。
あれだけ至近距離で目撃したのはオレたちぐらいだろうが、とんでもない光を放っていたものだ。遠くから目撃されていてもおかしくない。
「一番アップされていそうなのは…………Tmitterか」
Tmitterには日本中、いいや世界中の驚くような映像が投稿されることがある。場合によってはそれをテレビ局が取材映像として使うこともあるぐらいだ。
「検索検索…………っと」
Tmitterには検索条件をコマンドで指定できる機能がある。特定の日付で検索したい場合は開始する日をsinceで、終了する日をuntilで指定すると実行できる。
「あの日は7月の…………」
あの暑い夜のことは今でも忘れられない。とは言っても、砂浜に行くまでは寝ていたのだが。




